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学情レポート 2020.09

企業の動向・学生の動向 【2020年9月15日号】

企業の動向・学生の動向

■企業の動向

 2021年卒採用について、当初は夏休み前の7月中を終了の目途と考えていたが、新型コロナウイルスの影響でスケジュール通りの活動ができず、計画の繰り下げを余儀なくされる企業が多い。ある程度内々定を出し終えていても活動終了に至れない企業も目立つ。その理由が内々定承諾獲得だ。他社の選考停滞を理由に承諾の回答を先延ばしにされる企業も多く、懇親会等も容易には開催しづらいため、内々定者の意向を正確に把握できていない状況だ。仮に承諾していても、その回答がいつ覆るかは分からない。採用担当者としては安堵しづらい状況が続く。一方で弊社が調査した2021年卒学生の内々定率は8月初旬の段階で69.1%と昨年同時期を13.2ポイント下回り、学生側の状況も厳しい。そうした状況を踏まえ、ある上場メーカーでは8月に入ってから採用予定数をグループ全体で2倍に増やす計画を立てた。売り手市場の端境期と捉え、優秀な人材確保に動き出すケースもある。いずれにしても2021年卒採用は企業、学生ともに長期化が予想される。

 一方、2022年卒学生の対応にも企業は頭を悩ませている。ピークを迎えているサマーインターンシップについて、急遽オンラインでの実施に切り替える企業も増えている。ある医療系企業では当初予定していたグループワークを中止し、オンラインでの若手職員によるパネルディスカッションや座談会に切り替えて実施した。応募は昨年を上回ったものの、参加者の雰囲気の分かりづらさや職場を見てもらえないことに対し、手応えが得づらいという。課題はあるもののオンライン化の流れは今後も広がるとみられ、採用ホームページや会社紹介ムービーなど非接触型の手法強化に対するニーズが高まっている。

(森山 展成)

■学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 2021年卒学生を対象に弊社が調査した内々定率は、8月初旬の段階で昨年同時期を13.2ポイント下回る69.1%であった。活動継続中の学生が多く、7月下旬~8月上旬に開催された合同企業セミナー「就職博」では、名古屋開催が昨年同時期比1.6倍の来場となったほか、全国各地でも増加傾向が見られ、精力的に活動に臨む学生の姿が各地で見られた。公務員や教員の一次試験の合格発表時期とも重なり、「公務員試験が不合格だったため、民間企業就職に切り替えた」という学生も多く足を運んでいた。ただ大学キャリアセンターには、「就活のモチベーションが保てない」「いったん就活を休憩したい」といった相談も寄せられている。必ずしも前向きに取り組めている学生ばかりではなく、こうした学生のケアも求められている。

 2022年卒学生については「強い危機感を抱く学生が多い」との声がどの大学からも聞かれる。弊社では様々なテーマのオンライン講座「あさがくナビ就活チャンネル」を実施しているが、5~6月は「22卒の就職環境について」というテーマが人気を集めた。「自分たちの就活がどうなるのか」がこの時期の学生たちの最大の関心事だったようだ。7~8月にはエントリーシートや自己PR動画対策といった講座が人気を集め、学生のマインドもより具体的な選考対策に移っていった。このように情報収集に積極的な学生がいる一方で、「危機感はあるが具体的なアクションに移せていない学生もいる」と評する大学も多い。先行きが見通せない中、早めの準備が肝要だ。前述のオンライン講座のように場所を選ばず気軽に参加できるコンテンツは増えている。こうしたコンテンツを利用しながら学生たちには少しずつでも準備を進めることが求められるだろう。

(巽 浩一)

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