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学情レポート【COMPASS】2019.03

2020年卒採用、各社はどう動く!?
『2020年3月卒業予定者 採用動向調査レポート』ダイジェスト

株式会社学情では企業の2020年卒学生に対する採用計画・傾向を明らかにするため、『2020年3月卒業予定者採用動向調査アンケート』を全国の企業および団体を対象に実施。今号ではその調査結果の一部を紹介、2020年卒採用の状況や展望についてレポートする。また、合わせて調査した2021年卒採用の予定についても記載する。

※レポート内の各項目の数値は小数点第二位を四捨五入し小数点第一位までを表記しているため、択一式の回答の合計が100.0%にならない場合があります。

アンケート調査概要

●調査対象:全国の企業および団体
●調査期間:2019年1月7日~
      1月31日
回答企業数:1,947社
調査方法:企業および団体に
                  WEBアンケートを実施

※本紙内の2019年卒採用に関する参考データは
   前年度同時期調査(2018年1月5日~1月31日)
   の集計結果を掲載

採用予定数の増減および採用難易度の見通しについて

■採用予定数の増減(20卒)


採用予定数の増減(17卒)

■参考:【採用予定数の増減(19卒)】

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■前年と比較した採用難易度の見通し(全体/文系/理系)


採用予定数は前年に続き増加傾向。採用難を予測する企業も増加。理系採用は「難しい」だけで半数に達する。

2020年卒の採用予定数は前年度と比較して「前年並」(55.7%)が半数以上を占めるものの、「増やす」(28.1%)が「減らす」(5.8%)を22.3ポイント上回った。前年同時期に実施した2019年卒採用に関する調査でも採用数増の傾向が見られたが、採用増の基調に変わりはない。人件費や商品・サービス価格の高騰、小売・飲食店の営業時間の短縮、さらには人手不足が要因となる倒産など、人手不足は社会問題化している。特にこれからの新戦力として期待される新卒学生に注がれる各社からの視線は熱く、昨年にも増して、いっそうの売り手市場拡大が予想される。

採用難易度の見通しについては、採用難を予測する企業(「難しい」「やや難しい」の合計)が前年度比1.7ポイント増の75.9%に及ぶ。文理別では、文系よりも理系採用を難しいと感じる企業が多く、特に理系採用は「難しい」だけでも50.0%と半数に達している。通常の技術職のポジションに加え、IoT、AIなど次世代技術分野でも理系人材は重宝される一方、文系と比べそもそもの総数が少ない。理系人材の奪い合いが巻き起こり得る環境で、多くの企業が理系採用のハードルの高さを感じている。

 

採用スケジュールおよび採用予定数に対する内々定出し数の割合について

■企業セミナーの開始時期

※「企業セミナーを開催しない」企業が 2.0% あり、グラフには反映していない。

■面接などの選考開始時期

■内々定出しの時期

前年度と比べ「企業セミナー開始」「選考開始」「内々定出し開始」いずれも前倒し傾向。

各社の採用スケジュールについて、企業セミナーの開始時期は3月が44.9%と最も多いが、前年度と比べると9.5ポイントダウン。その代わり、2月までにセミナーを開始する企業が前年度比12.7ポイント増の43.2%で、3月開始企業とほぼ同数となった。インターンシップがセミナーを兼ねているケースもあるだろうが、経団連の指針で示されている「3月1日採用広報解禁」を横目に、セミナー開始を早める動きが顕著である。選考についても前倒し傾向が見られ、同指針の「6月1日選考解禁」に則って6月以降に開始する企業は同3.3ポイント減の9.4%に留まり、3月が最も多く41.7%。3月以前の選考実施企業の割合が増加している一方で、4~6月開始企業の割合は減少。選考の早期化も顕著だ。内々定出しの開始時期は前年同様4~6月が山場であるが、その中で4月が26.6%で最多。3月以前の内々定出しは同7.4ポイント増となり、セミナーや選考同様、前倒し傾向が見られる。

 
 
 

採用予定数に対する内々定出し数の割合としては、「100%」という企業が前年度比4.8ポイント減の28.5%。一方で「191~200%」が同3.3ポイント増の11.0%、「251%以上」が同1.8ポイント増の4.3%など、採用予定数に比して多めの内々定出しを予定する企業が増加している。

超売り手市場とも呼ばれる学生優位の採用市況の中、接触から内々定出しまでをより早く、より多くの学生に行うことで、入社に至る可能性のある学生の確保を他社に先駆けて行っておきたいという各社の思惑が読み取れる。

■採用予定数に対する内々定出し数の割合

採用方針および力を入れようと考えていることについて

■採用方針(20卒)

参考:【採用方針(19卒)】

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■力を入れようと考えていること ※複数回答

※「新卒人材紹介サービス」は今年度調査より新設

採用方針は質を重視するも、量への傾斜も。力を入れることは前年に続き「合同企業セミナー」が1位に。

採用方針については学生の質を優先する企業(「質が最優先」「どちらかといえば質が優先」の合計)が74.0%で多くを占める。前年度とほぼ同じ割合ではあるが、「質が最優先」が4.2ポイントダウンしており、是が非でも質を重視したいという企業は減少気味だ。一方、量を優先する企業(「量が最優先」「どちらかと言えば量が優先」の合計)は前年度比0.8ポイント増の15.8%となった。質を重視しつつも、深刻な人手不足を背景に、量への傾斜もみられる。

力を入れようと考えていることについては、前年同様「合同企業セミナー」(49.8%)が1位に。「インターンシップ」(46.7%)、「就職情報サイト」(37.2%)がそれに続く。母集団形成を課題とする企業が多い中、直接的に、あるいは間接的にでも、一度に多くの学生と接触を図れるアプローチ手法に注力する企業が多いようだ。

 

インターンシップの実施状況について

■インターンシップ実施の有無(20卒)

■参考:【インターンシップ実施の有無(19卒)】

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■受け入れ日数 ※複数回答

■採用との関連付けについて

■実施時期 ※複数回答

インターンシップ実施企業は60%。上場企業では82.3%が実施。採用活動との関連付けを意図して実施する企業は7割を超える。

採用広報解禁が3月となって以来、各社が注力しているものがインターンシップであり、実施企業は増加の一途をたどっている。2020年卒学生を対象とするインターンシップは「実施している」が前年度比3.5ポイント増の60.0%に達する。ただし、上場企業と非上場企業でその差は大きく、上場企業の実施率は82.3%であるのに対し、非上場企業では55.8%と26.5ポイントの差が生じている。予算や人手をやりくりしやすい上場企業の方がインターンシップ実施に有利な状況だ。受け入れ日数については、前年に続き「1日」(59.6%)がトップに。「半日以下」(29.1%)がそれに次ぐが、「半日以下」は同5.0ポイント増であるのに対し、「2~3日程度」は同0.9ポイント減、「5日~1週間程度」が同1.6ポイント減など、短時間で完結するプログラムが増加している。実施時期については前年に続き「3年生の2月」が同2.2ポイント増の66.1%で最多。また「3年生の7~9月」(52.0%)、「3年生の12~1月」(55.7%)はともに同9.3ポイント増と大きな伸びが見られ、季節によらず、実施回数を増やす傾向が見られる。

インターンシップ実施企業に対し採用との関連付けの有無を聞くと、最も多いのは「インターンシップ参加者は通常選考で優遇する」で37.1%。「インターンシップ参加者と通常受験者との区別はない」は29.0%に留まり、7割以上の企業でその後の採用を意図したインターンシップが展開されている。

インターンシップ参加学生の印象について

今回のアンケートでは、インターンシップ参加学生の印象も自由記述形式で回答いただいた。インターンシップ実施企業が広がりを見せる中、各社は参加学生に対してどのような印象を抱いているのか。多く寄せられた声を中心に紹介する。

優秀な学生が多い

  • 全体的に積極的で優秀な学生が多い印象
    など、参加学生を高く評価する声が目立った。
  • 優秀なだけに、他社へ流れることも考えられるので、いかに自社への志望度を上げるかが重要なポイント
    といった課題を上げる企業もあった。

就職への意識が高い

  • 就職活動についてよく考え、自分の将来を見据えている印象を受けた
  • 通常選考で会う学生より就職意識が高く、行動力があると感じた
    など、自分の将来を考えて行動している学生が多いという声も目立った。

夏期や早期の方が優秀

  • 意識が高い層は夏に集中傾向。秋~冬は分散傾向で学生の意識はやや高いものの、行動力に欠けるように感じる
  • 夏期インターンシップに参加した学生は総じて優秀な印象
    など、夏期や早い時期に出会う学生の方が優秀とする企業が多かった。
  • 夏のインターンシップではまだ業界を絞っておらず、大人しい学生が多かったが、冬のインターンシップでは自社の業界を志望している学生が多く参加した
    といった声もあり、一概には言えなさそうだ。

業界研究目的

  • 弊社に興味があるというより、業界研究のために来ている
  • 就活への意欲は高いものの、業界研究はほとんど行っておらず、インターン参加を通じて業界や企業の理解・選別を行っている印象
    など、業界研究目的で参加する学生が多いという声も目立った。これまで大学内で実施されていた就職ガイダンスや業界研究セミナーの役割が、インターンシップで代替されている状況にあると言えるかもしれない。

参加意欲はまちまち

  • とりあえず参加してみたという学生から目的意識を持って参加した学生まで様々
    など、参加意欲は学生によりまちまちという声も目立った。
  • 「とりあえず来ている」というのが態度に出すぎている学生が増えた。自分の印象管理ができていない
  • 数年前はインターンシップ参加者=意識・スペックの高い学生であったが、ここ1~2年は「周りも行っているから」と義務的に仕方なく参加している学生が増え、質は落ちた
    など、インターンシップ参加が一般化したことで目的意識を持たずに参加する学生の増加を嘆く声も目立った。

2021年卒採用の予定について

■2021年卒採用についての考え

採用予定数の増減(17卒)

現行スケジュール維持が4割弱。学年不問の採用活動を予定する企業は5.6%。

2018年9月、経団連の中西会長は記者会見で「経団連が採用の日程に関して采配すること自体に極めて違和感がある」と発言。経団連がこれまで行ってきた採用ルールの規定について、2021年卒以降は取り止める意向を伝えた。これを受け10月、政府は関係省庁、大学関係者、経団連らによる就活ルールを検討する会議を開催。政府としては「2021年卒については、3月説明会解禁、6月面接解禁」という現行ルール維持を結論付けた。これが一つの契機となり、新卒一括採用を見直す声も上げられている。

それでは2021年卒採用について、現時点で各社はどのように考えているのか。まず「学年を問わない採用広報・選考を開始する」企業は3.9%。既に学年を問わない採用を行っている企業と合わせて、5.6%が学年不問の採用活動を実施する見込みだ。一方、「新卒採用のメイン対象は3年生だが、採用広報解禁を3月よりも早める予定」は20.0%。また「『採用広報解禁は3年生の3月』は概ね維持する予定」は28.7%、「『採用広報解禁は3年生の3月、選考解禁は4年生の6月』は概ね維持する予定」は10.7%と、合わせて4割弱は現行に近い採用スケジュールを想定している。未定とする企業が今後どのように動くかは同業他社の動向や2020年卒採用の進捗によるところが大きいと見られるが、現状維持を予定している企業が現時点では多いようだ。

 今号の『COMPASS』で取り上げなかった内容も含め、採用動向調査アンケートの結果をまとめた『2020年3月卒業予定者 採用動向調査レポート』を3月下旬に発行いたします。詳細は弊社営業担当までお問い合わせいただくか、当サイト内「レポートダウンロードページ」(https://service.gakujo.ne.jp/report)をご確認ください。

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