中途採用が期待外れになる原因は?ミスマッチによるリスクや対策を解説
公開日:2025.10.08


中途採用は、即戦力としてすぐに活躍してくれることを想定しているため、期待通りの成果が見られないと「期待外れ」と感じてしまうこともあるでしょう。
本記事では、中途採用が期待外れになる原因や、それによるリスク、改善方法について分かりやすく解説します。
中途採用が期待外れになる6つの原因
採用した中途社員が、期待通りに活躍してくれないと悩んでいる企業は少なくありません。その「期待外れ」の背景には、企業が知っておくべき共通の原因が存在します。
- スキル・経験のミスマッチ
- 企業文化に馴染めない
- 受け入れ準備不足
- 即戦力への期待値が高過ぎる
- 選考時の見極め不足
- キャリアパスが不明確
それぞれについて詳しく解説します。
スキル・経験のミスマッチ
スキル・経験のミスマッチの原因は、企業側と求職者側の両方にあります。
企業側の原因 |
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求職者側の原因 |
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スキルや経験のミスマッチを防ぐためには、企業と求職者の間で正確な情報を共有し、相互理解を深めることが重要です。
選考時に求職者を見極めるだけでなく、企業側からも積極的に情報を発信しましょう。
企業文化に馴染めない
採用した人材のスキルや経験が十分でも、その人の価値観や働き方が企業文化とマッチしていないと、パフォーマンスの低下や早期退職につながる可能性があります。
企業側の原因 |
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求職者側の原因 |
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カルチャーフィットを見極めるには、求職者との密なコミュニケーションが重要です。面接だけで見極めるのが難しい場合は、求職者と対話する機会を設けましょう。
受け入れ準備不足
即戦力を求める中途採用では、入社後の具体的なサポート体制や環境整備が疎かになりがちです。新卒採用の研修・教育体制は整えているのに、中途採用では十分なオンボーディングを行わない企業が少なくないのが実状です。
入社後に必要な情報やサポートが得られないと、採用者は不安や孤独を感じやすくなります。
優れたスキルを持つ人材であっても、モチベーションが下がると、本来の力を発揮できなくなる可能性があるので注意が必要です。
即戦力への期待値が高過ぎる
中途採用は即戦力の確保が目的のため、採用者に対する期待値が高くなりやすい傾向にあります。特に豊富な経験や高いスキルを持っていると、「これだけ優秀な人材なら、すぐに活躍してくれるだろう」と過信してしまいがちです。
しかし、前職で発揮された能力が、新しい環境でも同じように発揮されるとは限りません。過度な期待やプレッシャーは、採用者のストレスにつながる可能性があるので注意しましょう。
選考時の見極め不足
選考時に候補者の能力やパーソナリティーを正しく見極められていないと、入社後のギャップにつながります。特に人柄や価値観は、履歴書や職務経歴書だけでは判断が難しいものです。
どんなに素晴らしい実績があっても、企業文化に合わなければミスマッチが生じ、本来の能力を発揮できない可能性があります。多角的に求職者を評価し、見極め不足を防ぐことが大切です。
キャリアパスが不明確
自分の将来が不透明だと「この会社で長く働く意味があるのか」といった不安を感じやすくなります。
明確な目標が見えないと、日々の業務に対する意欲が失われ、パフォーマンスの低下につながる可能性があります。特にキャリアアップ志向の強い中途社員にとっては、早期退職を検討する要因になりかねません。
採用者が前向きに仕事に臨み、高いパフォーマンスを発揮するには、キャリアパスの明文化やスキルアップ機会の提供などが必要です。
期待外れな中途採用が招くリスク

採用者の活躍が期待外れだった場合、企業にはさまざまな悪影響があります。どのようなリスクがあるか詳しく解説します。
採用コストが増加する
企業側の期待とマッチせず、早期退職に至った場合、企業は新たな人材を確保するために、再募集をかけなければなりません。
求人広告の掲載費や人材紹介の手数料、採用イベントの出展料に加え、採用活動にかかる人件費も二重にかかってしまい、無駄な採用コストが発生します。
教育コストが増加する
入社した社員のスキルや経験が期待通りでない場合、企業は追加の研修やOJTを行う必要が生じます。これにより、予定外の教育費用や既存社員の指導にかかる人件費が増加する可能性があります。
また、新しい環境に慣れるまで時間がかかる社員には、企業の独自の業務プロセスや文化に適応するための個別コーチング、コミュニケーション支援など、追加のコストが生じる場合があります。
社内の士気が低下する
即戦力として採用された中途社員が、既存社員よりも活躍できなかった場合「なぜあの人が高待遇なのか」「自分たちの努力が報われない」といった不公平感が生じやすくなります。
また、採用者が期待された役割を果たせないと、その分の業務が既存社員の負担になってしまいます。
即戦力どころか、自分たちの仕事が増えてしまい、士気の低下につながる可能性があります。
事業計画が停滞する
採用した社員の活躍が期待外れだと、本来達成すべき目標やプロジェクトの進捗が遅れ、企業全体に悪影響を与える場合があります。
特に新規事業の立ち上げや重要なプロジェクト推進のために専門性を持つ中途人材を採用した場合、その人材が期待に応えられないと、プロジェクト自体が中断したり、大幅な遅延が生じたりするリスクが高まります。
企業イメージが悪化する
期待外れな採用が続き、早期退職が繰り返されると「離職率が高い企業」というネガティブなイメージがつき、新たな優秀な人材を獲得するのが難しくなります。
また、顧客に対しても「担当者がすぐに変わる」「プロジェクトが停滞する」などの悪影響をおよぼし、企業全体の信頼性が損なわれる可能性があります。
中途採用の「期待外れ」を防ぐ方法

中途採用の「期待外れ」を避けるには、相互理解を深め、ミスマッチを防ぐことが重要です。そのための具体的な対策を詳しく解説していきます。
採用基準を明確にする
採用基準を設定する際は、経験やスキルをリストアップするだけでなく、どのような人物像が自社で活躍できるのかを具体的に定義することが重要です。
採用基準があいまいだと、選考基準がブレてしまい、採用のミスマッチを誘発します。採用基準を精査する際は、人事部だけでなく、採用するポジションの上司や役員にもヒアリングを行いましょう。
現場の意見を聞くことで、具体的な業務内容や必要なスキル、チーム内での役割、将来的な期待値などを明確にできます。
また、ミスマッチを防ぐには、ペルソナの設定が効果的です。求める人物の性格や価値観も明確にすることで、カルチャーフィットの高い採用を実現できます。
ダイレクトリクルーティングを活用する
ダイレクトリクルーティングとは、企業が求職者に直接アプローチする採用手法です。企業が積極的に求める人材を探しに行く「攻め」の採用として注目を集めています。
採用基準に合った人材を直接探しスカウトメールを送ることで、採用のミスマッチが減り、カルチャーフィットの高い人材と出会いやすくなります。
中途採用では、20代後半〜30代の転職に特化したダイレクトリクルーティングサイト「Re就活30」がおすすめです。会員の90.4%が28歳〜35歳のため、経験者採用が期待でき、中堅層を効率的に採用したい企業に適しています。
転職イベントに出展する
転職イベントでは、企業の採用担当者や現場の社員が直接求職者と話せるため、求人広告だけでは伝えきれない企業の雰囲気や社員の魅力、仕事のやりがいなどを直接伝えられます。
求職者もその場で疑問や不安を解消できるため、相互理解を深められるでしょう。
マッチング精度の高い採用を目指すなら、ダイレクトリクルーティングイベント「転職サポートmeeting」がおすすめです。来場者全員と面談できるため、一人ひとりとじっくり話せます。
また、求人サイト「Re就活」で事前に告知しているため、出展企業に興味を持つ求職者が集まりやすいのも大きな特徴です。
キャリアパスを明確にする
キャリアパスを明確にすることは、中途採用者に「この会社で長く貢献したい」と感じてもらうための重要な要素です。
キャリアパスが曖昧だと、自身の成長や将来の展望が描けず、モチベーションの低下につながってしまいます。その結果、せっかく優秀な人材を採用できても、期待外れに終わってしまうリスクが高まるでしょう。
入社前からキャリアパスを提示し、入社後も継続的にサポートすることで、社員の帰属意識を高め、組織の活性化や早期退職の防止につながります。
カジュアル面談を実施する
ミスマッチによる「期待外れ」を防ぐには、カジュアル面談の実施が効果的です。カジュアル面談とは、選考とは別に、企業と求職者が相互理解を深めるための場を指します。
選考の合否に影響しないため、求職者にとっては面接では聞きづらいことも気兼ねなく聞けるのが特徴です。また、企業側は求人広告では伝えきれない企業の雰囲気や魅力を直接伝えられます。
同時に、求職者の仕事に対する価値観や、キャリア志向などについて理解を深めることができるでしょう。
20代転職に特化した「Re就活」には、カジュアル面談機能が備わっています。この機能を使うことで、企業・求職者の双方よりカジュアル面談の打診が可能です。
オンボーディングを導入する
オンボーディングとは、新しく入社した社員が職場に早く慣れ、力を発揮できるようにサポートする一連の仕組みのことです。
オンボーディングを導入することで、早期に期待されるパフォーマンスを発揮しやすくなり、企業側の「期待外れ」を防げられます。
また、オンボーディングプログラムが整備されていると、中途採用者が自分で必要な情報を探し、サポートを得やすくなるため、既存社員が個別に指導する負担を軽減できるメリットもあります。
オンボーディングを導入する流れについては、こちらの記事をご覧ください。
期待外れな中途採用を改善するには「Re就活30」の活用がおすすめ!
「期待外れ」な中途採用は、企業にとって大きな損失です。その原因を正しく把握し、選考の質の向上や受け入れ体制の整備といった対策を講じることで、採用のミスマッチを大幅に防げます。
20代後半から30代の転職に特化した「Re就活30」は、求職者一人ひとりの経験や志向に合ったスカウティングが可能です。
中途採用の「期待外れ」でお悩みの方は、ぜひ株式会社学情へご相談ください。採用課題に合わせた最適な解決策をご提案します。

株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。