

多くの企業が人材確保に課題を抱えるなか、新卒採用と中途採用のどちらに注力すべきか悩む方もいるのではないでしょうか。
本記事では、新卒・中途採用のメリット・デメリットや戦略的な使い分け、通年採用の成功事例などを詳しく解説します。
新卒採用と中途採用の違い
企業の採用活動は、主に新卒採用と中途採用の2つの方法に分けられます。
それぞれの違いは次の通りです。
新卒採用 | 中途採用 | |
対象者 | 主に大学・大学院・専門学校などの卒業見込み者 | 社会人経験を持つ者 |
重視する点 | ポテンシャル、将来性、企業の文化への適合性 | 即戦力となる経験、スキル、実績 |
採用時期 | 一括採用 | 欠員補充や事業拡大に応じて随時 |
採用目的 | 組織の新陳代謝、育成、将来の幹部候補の確保 | 即戦力による課題解決、専門性強化、欠員補充 |
選考基準 | 人柄、学力、潜在能力、成長意欲など | 実務経験、専門知識、実績、課題解決能力など |
教育・研修 | 基礎的な教育・研修が必要 | OJT中心に、自ら学び成長することが求められる |
コスト | 採用単価は低いが、育成コストや研修コストが高い傾向 | 採用単価は高いが、育成コストは比較的低い傾向 |
給与 | 一律同額であることが多い | スキルや経験によって変動 |
企業文化の浸透 | 企業文化が浸透しやすい | 企業文化が浸透しにくいこともある |
離職率 | 3年以内の離職率が30%台前半〜半ば ※ | 新卒採用よりも高い傾向にある |
それぞれ詳しく解説します。
※参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」
新卒採用と中途採用のメリット・デメリット

新卒採用と中途採用には、それぞれに特有のメリットとデメリットがあります。
自社に合った効果的な採用戦略を構築するうえで、これらの特徴をきちんと理解しておくことが重要です。
新卒採用 | 中途採用 | |
メリット |
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デメリット |
|
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新卒採用と中途採用のメリット・デメリットについて、詳しく解説します。
新卒採用のメリット・デメリット
新卒採用には、企業文化に馴染みやすく、将来の幹部候補として長期的に育成できるというメリットがあります。
また、若くフレッシュな視点が加わることで、組織の活性化や新しいアイデアも生まれやすくなるでしょう。
しかし、社会経験がないため、即戦力としての活躍は期待できず、一人前になるまでには時間とコストがかかります。
さらに、候補者の潜在能力や自社への適性を見極めるのが難しい点も課題です。
中途採用のメリット・デメリット
中途採用は、すでに社会人経験があるため、入社後の教育や研修にかかるコストを抑えられます。
また、他社での経験を持つ人材を獲得することで、事業に新たな視点やノウハウをもたらしてくれることも期待できるでしょう。
一方で、前職のやり方が身についているため、既存の企業文化に馴染みにくい場合があります。
また、即戦力となる人材は市場での獲得競争が激しいため、採用コストが高くなりがちです。
新卒採用と中途採用の割合
株式会社学情の調査によると、2025年度の採用活動におけるキャリア採用と新卒採用の割合は「5:5」が24.2%で最多でした。
これは、企業の4社に1社が両者の採用を同割合で計画していることを示しています。
また、採用人数の割合では「新卒採用の割合が多い」と回答した企業が38.2%と、「キャリア採用の割合が多い」とした36.5%をわずかに上回りました。
一方、「キャリア採用の割合が多い」と回答した企業は増加傾向にあり、2024年度と比べると5.9ポイント上昇しています。
※参考:株式会社学情「若手採用に意欲!4社に1社がキャリア採用と新卒採用を同割合で計画(2025年5月)」
株式会社学情「「採用計画」に関する企業調査(2024年5月)」
新卒・中途採用を組み合わせる採用戦略

現代の採用市場はめまぐるしく変化しています。
企業が持続的に成長するには、新卒と中途、それぞれの採用手法が持つ強みを最大限に活かし、組み合わせる採用戦略が効果的です。
コア人材は新卒、特定スキルは中途
企業が成長を続けるためには、新卒採用と中途採用を戦略的に使い分けることが重要です。
新卒社員は、社会人経験がないため、企業の理念や文化にスムーズに馴染めます。
また、時間をかけて育成することで、将来のリーダーや幹部となるコア人材として育て、組織の土台を強くすることが可能です。
一方、中途社員は、すでに特定のスキルや専門知識を持っているため、即戦力として期待できます。
事業の急成長や新しいプロジェクトの立ち上げなど、特定の知識や経験がすぐに必要な場面で活躍してくれるでしょう。
ボリュームゾーンは新卒、マネジメント層は中途
採用戦略として、新卒と中途で獲得する人材の役割や人数を使い分ける方法があります。
新卒採用は、組織の核となる若手・中堅社員を確保するのに適しています。
時間をかけて自社のノウハウやスキルを習得することで、将来的に組織を支える人材として成長してくれるでしょう。
一方、中途採用は、マネジメント経験者や特定の専門分野で実績を持つ人材を補強するのに効果的です。
これにより、組織全体のマネジメント力や専門性を高め、事業の成長を加速させます。
ボリュームゾーンは新卒、マネジメント層は中途
採用戦略として、新卒と中途で獲得する人材の役割や人数を使い分ける方法があります。
新卒採用は、組織の核となる若手・中堅社員を確保するのに適しています。
時間をかけて自社のノウハウやスキルを習得することで、将来的に組織を支える人材として成長してくれるでしょう。
一方、中途採用は、マネジメント経験者や特定の専門分野で実績を持つ人材を補強するのに効果的です。
これにより、組織全体のマネジメント力や専門性を高め、事業の成長を加速させます。
通年採用で新卒・中途採用を同時に行う
通年採用とは、特定の時期に限定せず、年間を通じて必要な人材を採用する活動のことです。
従来の新卒採用では、毎年決まった時期に新卒学生を一斉に採用する「新卒一括採用」が主流でした。
しかし、近年では、企業の急な人材ニーズに対応するため、新卒採用においても通年採用を導入する企業が増えています。
通年採用のメリットは次の通りです。
- 多様な人材を採用しやすい
- 入社までのスピードが速い
- マッチング精度の高い採用が期待できる
- 採用コストを分散できる
- 採用担当者の業務負担を分散できる
しかし、学生は卒業時期が3月に集中しているため、いつでも入社できるわけではありません。
学業や研究、留学などの都合でこれまで取りこぼしていた優秀な学生に、改めて選考の機会を提供することを目的としています
20代転職に特化した「Re就活」は、会員登録者の93.3%が20代です。
そのため、働くことに意欲的な第二新卒やヤングキャリア層に、効率的にアプローチできます。
通年採用の注意点
柔軟な人材採用を可能とする通年採用ですが、その導入にはいくつか注意点があります。
通年採用のメリットを最大限に引き出すためにも、事前に注意点を確認しましょう。
採用活動が長期化しやすい
通年採用では年間を通じて採用業務を継続するため、マンパワーの確保が重要です。
マンパワー不足を解消するには、便利な採用ツールを活用して業務の効率化を図りましょう。
たとえば、通年採用に適した「Re就活」には、業務をサポートするツールが充実しています。
- スマートスカウトアシスト: スカウトメールの文章案を自動で作成
- カンタン面接調整システム: 応募から来社までのプロセスをデジタル化
こうしたツールを活用することで、採用担当者の負担を減らし、通年採用をスムーズに進められます。
採用コストが増加しやすい
通年採用は、一時期に集中していたコストを分散させられますが、採用活動が長期化することで採用コストが増加しやすい傾向にあります。
採用コストを抑えるには、採用ターゲットに適した媒体を選びましょう。
将来の幹部候補となるコア人材や、組織の主力となる若手・中堅層(ボリュームゾーン)を採用したい場合、20代や第二新卒に特化した「Re就活」が効果的です。
「Re就活」には、意欲的な第二新卒やヤングキャリア層が多く登録しているため、求める人材に効率的にアプローチでき、無駄なコストを削減できます。
人材の見極めが難しい
通年採用では、さまざまな経歴を持つ人材が集まるため、一人ひとりの潜在能力や適性を見極めるのが難しい傾向にあります。
人材を正しく見極めるには、次のような対策が効果的です。
- 採用基準を明確化する
- インターンシップやカジュアル面談で相互理解を深める
- ダイレクトリクルーティングを活用し、ターゲットを絞ったスカウトを行う
通年採用の成功事例
通年採用の成功事例を紹介します。通年採用を導入する際の参考にしてください。
株式会社新通エスピー
課題・ニーズ | コストをかけても採用ができず、20代採用の新たな手法を模索 |
活用したサービス |
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効果 | 年間で10人の20代・若手人材の採用に成功 |
株式会社新通エスピーは、多角的な事業展開とワンストップのサービス提供を通じて、企業のセールスプロモーション活動を強力に支援している会社です。
コストをかけても採用できない状況を打破するべく、20代採用に特化した「Re就活」を導入。
媒体の特性と採用ターゲットがマッチし、年間で20代・若手人材10人の採用に成功しました。
株式会社スリー・イー
課題・ニーズ | 採用単価を抑えつつ、積極的に第二新卒・未経験者層を採用 |
活用したサービス |
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効果 | 月8人の第二新卒層の採用に成功 |
株式会社スリー・イーは、ソフトウェア開発を主軸に、ITソリューションを提供する会社です。
第二新卒・未経験者の採用に注力しており、数年前から20代採用に特化した「Re就活」を導入。
媒体の特性と採用ターゲットがマッチしていることに加え、株式会社学情の担当者による掲載内容の見直しやスカウティングのアドバイスが有効応募につながっています。
新卒・中途採用を併せて行うなら「Re就活」がおすすめ!
新卒採用と中途採用は、それぞれ異なる役割とメリット・デメリットを持つため、自社の状況に応じた使い分けと組み合わせが重要です。
通年採用を導入することで柔軟な採用ができる一方で、採用活動の長期化や人材の見極めの難しさなどの注意点もあります。
20代採用に特化した「Re就活」は、既卒・第二新卒の登録者も多く、コア人材やボリュームゾーンの採用に適しています。
また、通年採用を行うなら「Re就活キャンパス」がおすすめです。これまで「卒業年度」ごとに分かれていたサービスを統合し、「通年採用型サービス」にリニューアルしたことで、多様な人材にアプローチしやすくなりました。
新卒・中途の通年採用をご検討の方は、株式会社学情へお問い合わせください。

株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。