
「3年後離職率」とは、新卒社員が入社後3年以内に離職する割合を示す指標です。この数値は単なるデータにとどまらず、採用手法の精度や人材定着の状況を測るバロメーターとなります。
入社3年後離職率の平均は33.8%|企業規模が小さくなるほど離職率は上昇
「3年後離職率」とは、入社3年以内に離職する割合を指します。厚生労働省では「3年以内離職率」という表現が用いられることが一般的です。厚生労働省の調査によると、新規大学卒就職者(以降「新卒」と表記)の3年以内離職率は33.8%です(2022年3月卒業者のデータ)。
また、事業所規模別の3年以内離職率は次の通りとなっています。
| 事業所規模 | 新規大学卒就職者の離職率 |
| 5人未満 | 57.5% |
| 5〜29人 | 52.0% |
| 30〜99人 | 41.9% |
| 100〜499人 | 33.9% |
| 500〜999人 | 31.5% |
| 1000人以上 | 27.0% |
大手企業では3年以内離職率が27.0%に抑えられている一方、100人以下の企業では4〜5割に達し、企業規模によっては約2人に1人が早期離職しています。
中小企業が離職率を改善するためには、採用手法の検討に加え、入社後の受け入れ体制や選考段階におけるマッチング精度の見直しが欠かせません。「採用の量」を追い求める手法から、マッチングと受け入れ体制を磨く「採用の質」を重視する手法へのシフトこそが、長期的な定着率向上の鍵となります。
※参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します」
宿泊・飲食は5割超、製造業は2割|業界によって異なる離職率の傾向
厚生労働省の調査によると、3年以内離職率は、業種によっても大きく異なります。離職率が高い上位5産業は、次の通りです。
| 産業分類別 | 新規大学卒就職者の3年以内離職率 |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 55.4% |
| 生活関連サービス業・娯楽業 | 54.7% |
| 教育・学習支援業 | 44.2% |
| 医療・福祉 | 40.8% |
| 小売業 | 40.4% |
※2022年3月卒業者のデータ
顧客と直接対面する対人サービス業(飲食・小売・宿泊など)や、人の手が不可欠な労働集約型の業界では、新卒の4〜5割以上が3年以内に離職しています。これらの業界には、顧客対応や不規則な勤務形態といった構造的な課題が存在します。こうした働き方や入社後のミスマッチは、早期離職を引き起こす要因のひとつです。
一方、製造業は約2割にとどまっています。交代制のシフト勤務ではあるものの「業務範囲が明確である」「顧客対応が少ない」といった点が定着率の高さにつながっていると考えられます。
※参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します」
離職率の計算方法
離職率を算出する際に一般的に使われている計算式は次の通りです。
【基本の計算式】
「一定期間に離職した従業員数」 ÷ 「起算日(期間の初日)の従業員数」 × 100
新卒の3年後離職率を計算する場合は、「起算日=新卒の入社日(4月1日)」、「従業員数=その年に入社した新卒同期の人数」に絞って計算します。
【具体的な計算例】
たとえば、2023年4月1日に10人入社し、2026年3月末までに4人辞めた場合、計算式は次のようになります。
4人÷10人×100=40%
若手社員はなぜ離職する?20代の転職理由と職場選びのポイント
ここまで、新卒の3年後離職率について解説してきました。
離職率の数字だけを見ると「最近の20代はすぐ辞めてしまう」と感じるかもしれません。しかし実際には、キャリアを前向きに捉え、自身の可能性を広げるためにあえて転職を決意する若手も多く存在します。
株式会社学情の調査によると、第二新卒の主な転職理由は次の通りです。

- 給与・年収をアップさせたい(32.5%)
- 職場の人間関係に不満があった(26.1%)
- より会社の風土や考え方が合う企業で働きたい(22.9%)
- もっとやりがい・達成感のある仕事がしたい(21.7%)
- 残業を減らしたい、休日を確保したい(18.5%)
第二新卒を含む20代の転職理由と、転職先を選ぶ基準について詳しく解説します。
※参考:株式会社学情「20代転職希望者の転職理由は「給与・年収アップ」が最多。ヤングキャリアは「やりがい」「残業減」、第二新卒は「人間関係」「風土」重視の傾向」
自分の成果や頑張りが反映される「正当な評価による年収アップ」
株式会社学情の調査によると、転職時に「年収アップ」を重視する20代は9割を超え、年収の高い企業に対して志望度が高まるという回答も同程度にのぼります。
しかし、これは単に高収入を求めているわけではありません。実際に「年収は上げたいが、自分のスキルが通用するかを見極めたい」「年収よりも仕事内容を優先したい」といった慎重な意見も見られます。20代にとっての年収アップとは、単なる賃上げではなく、自身のスキルや成果に対する「正当な評価の証明」といえるでしょう。
※参考:株式会社学情「年収の高い企業は「志望度が上がる」と回答した20代が約9割。「企業が求めていることに、自分が対応できるかは見極めたい」の声も」
日々の些細な疑問や不安を解消できる「相談がしやすい人間関係」
株式会社学情の調査によると、学生が「成長できそう」だと感じる企業の特徴として、研修制度などの仕組み以上に「相談しやすい環境がある(68.2%)」が最多となりました。
つまり、若手層が求める「良好な人間関係」とは、単なる仲の良さではありません。業務上の疑問や不安を、過度に気を遣うことなくフラットに質問できる関係性です。20代の定着と成長を促すためには、仕組みとしての研修だけでなく、些細な疑問をすぐに解消できるオープンな対話が鍵となります。
※参考:株式会社学情「就職活動で「自分自身が成長できそうか」を重視する学生が8割超。「市場価値を高めたい」「成長を実感できる環境のほうが、やりがいを感じられる」の声」
過去のミスマッチを繰り返さないための「カルチャーフィット」
株式会社学情の調査によると、転職理由に「より会社の風土や考え方が合う企業で働きたい」と回答する20代は決して少なくありません。なかでもヤングキャリア(職歴3年以上)は17.5%ですが、第二新卒は22.9%とやや高い傾向にあり転職理由の3位となっています。
一度社会に出てミスマッチを痛感した第二新卒層にとって、カルチャーフィットは欠かせない観点です。そのため、単なる居心地の良さを求めるのではなく、自身の目指すキャリアと企業の方針が一致しているか、より慎重に見極めようとしています。
※参考:株式会社学情「転職意識調査レポート2025」
自己成長と正当な評価によって感じられる「やりがい」
株式会社学情の調査によると、第二新卒が転職活動において実現したいこととして、「仕事内容にやりがいがあること」と回答した割合は14.0%でした。これは、第二新卒が仕事のやりがいを求めていないわけではありません。実際に働いているなかで「自分にとってのやりがいとは何か」が明確になったことで、求める条件がより具体的になったことの表れだと考えられます。
日々の業務を通じた自己成長や、成果に対する正当な評価(年収)など、求職者によってやりがいの形は異なります。面談や面接を通じて、やりがいの本質を丁寧にヒアリングし、企業のカルチャーと合致するかを見極めることが大切です。
※参考:株式会社学情「20代転職希望者の転職理由は「給与・年収アップ」が最多。ヤングキャリアは「やりがい」「残業減」、第二新卒は「人間関係」「風土」重視の傾向」
自分らしく成長を重ね、主体的にキャリアを築くための「適切な休日と残業」
20代が求めるワーク・ライフ・バランスの本質は「楽して働きたい」ということではありません。若手層が適切な休日や残業時間を重視するのは、将来のライフステージを見据え、長期的にキャリアを築くための土台を整えるためです。
実際に、株式会社学情の調査では、20代の約7割が「業務に必要なスキルを得るために、仕事以外の時間で勉強することがある」と回答しています。自己研鑽やスキルアップに前向きな若手層の力を活かし、組織全体の成長を加速させるには、個々が自律的に時間を活用できる環境の整備が不可欠です。
※参考:株式会社学情「20代の約7割が、「仕事以外の時間を活用し、勉強している」と回答。学習の目的は「転職の準備をするため」が最多」
「第二新卒はすぐ辞める」の誤解。データが示す「長期活躍」への強い意欲
第二新卒は職歴が短いため「すぐに辞めてしまうのでは」と不安に感じる採用担当者も多いでしょう。しかし、株式会社学情の調査によると、20代転職希望者の約7割が「できるだけ長く働きたい」と回答しており、そのなかには「定年まで働きたい」と考える層も含まれています。
一度ミスマッチを経験しているからこそ、自身の市場価値を理解し、長期的に活躍できる環境を慎重に見極めようとしています。早期離職をネガティブなものと決めつけず、主体的なキャリア形成を志す層として受け入れることが、マッチング精度の向上の鍵です。
※参考:株式会社学情「20代転職希望者の8割が「新卒の就活と比べ、企業を選ぶ視点変化」と回答。転職先では長く働くことを希望する人が7割近くに」
ミスマッチを防ぐ!第二新卒採用で成果を出すための実践施策

第二新卒の採用でミスマッチを防ぎ、長期的な定着と活躍を促すためには、従来の採用手法から一歩踏み込んだ工夫が必要です。20代の価値観や特性を理解し、誠実に向き合うことが、マッチング精度の高い採用につながります。
ここでは、第二新卒採用を成功させるための具体的な戦略を詳しく解説します。
ターゲットへ直接届く「若手・第二新卒特化型媒体の選定」
第二新卒採用を成功させるには、ターゲット層へ直接訴求できる「特化型媒体」の活用が有効です。総合型求人サイトは登録者数こそ多いものの、掲載社数も膨大なため、自社の情報が埋もれやすい傾向にあります。また、幅広い年齢層が登録しているため、採用要件に合致しない応募者の対応に追われるケースも少なくありません。
一方で、特化型媒体は特定の年齢層や経験層に絞って訴求できるため、ターゲット層へ効率的にアプローチできます。たとえば、20代採用に特化した「Re就活」であれば、登録者の93.3%が20代のため、ポテンシャルの高い若手層との出会いが期待できます。
キャリアの迷いを解消する「具体的なキャリアパスの提示」
第二新卒が転職を検討する理由の多くは「この会社にいても、5年後・10年後の自分がイメージできない」というキャリアへの不安です。そのため「未経験歓迎!」「頑張り次第で昇給できます」といった抽象的なアプローチでは、キャリアへの不安を払拭できません。
第二新卒の心を動かすには、スカウトの段階から「どのようなスキルが身につき、どう成長できるのか」という具体的な道筋を示すことが重要です。求職者が入社後の姿をリアルに描けるよう、スカウト文の改善例をまとめました。現状のメッセージを見直す際の基準として、お役立てください。
| NG表現(抽象的な表現例) | OK表現(返信率が上がる例) | |
| 評価と年収の基準 | 頑張りはしっかり評価!成果次第でいつでも上を目指せる環境です。 | 入社2年目でリーダーへ昇格した実例あり。独自の評価シートで半期ごとに昇給チャンスがあります。 |
| 将来のモデルケース | 未経験からスタートした先輩も、今では中心メンバーとして多数活躍中! | 元・第二新卒の先輩(26歳・入社3年目)は、現在チームマネージャーとして年収520万円を達成しています。 |
| キャリアの選択肢 | 実力主義なので、やる気次第でどんどん責任あるポジションをお任せします。 | プレイヤーを極めるスペシャリスト職や、入社2年目から挑戦できる社内公募制度など、複数の道を用意しています。 |
求職者と企業の相互理解を深める「カジュアル面談の実施」
カジュアル面談とは、求職者と企業の相互理解を目的に行う面談のことです。選考の合否を出さないため、面接では聞きづらいことも本音で話しやすく、入社後のギャップやミスマッチ防止につながります。
20代採用に特化した「Re就活」では、カジュアル面談機能を活用し、企業と求職者の双方から面談の打診が可能です。応募前の求職者に対してもスカウトを通じて打診できるため、積極的に接点を創出できます。
カジュアル面談の実施方法や、注意すべきポイントについてはこちらの記事で解説しています。ぜひ、参考にしてください。
一緒に働くメンバーの人物像を伝える「社員インタビューの掲載」
求職者にとって「どんな人が働いているのか」「上司や先輩とうまくやっていけるか」という人間関係は、年収や業務内容と同じくらい重要なポイントです。しかし、求人広告でよく見かける「アットホームな職場」「風通しの良い社風」といったフレーズは、企業のリアルな姿が見えにくく、求職者に不信感を与えてしまうこともあります。
等身大の情報を発信するには、求人原稿への「社員インタビュー」の掲載が有効です。働くメンバーの具体的な人物像やストーリーを届けることで、求職者は入社後の働き方を具体的ににイメージできるようになります。
第二新卒をターゲットにする場合、入社1〜3年目で、求職者と年齢や目線が近い「元・第二新卒」の先輩を起用しましょう。転職理由や入社後に直面した課題などを言語化することで、求職者の不安を払拭できます。
プロフィールから熱意を伝える「特別感のある個別スカウトの送付」
求職者のもとには、日々膨大な数のスカウトメールが届いており、その中から選ばれるのは容易ではありません。特に定型文の一斉送信メールは「誰にでも同じことを送っている」と見抜かれ、開封すらしてもらえないことも少なくありません。
求職者の興味を惹きつけ、選考へとつなげるには、相手のプロフィールを丁寧に読み解くことが大切です。仕事に対する思いや、これまでの苦労といった行間のストーリーを読み取ることで、求職者の心に響くアプローチができます。
また、プロフィールから読み取った情報をもとに、具体的なキャリアプランを提示するのも効果的です。企業の熱意が伝わり、応募や選考につながりやすくなります。こうした求職者に寄り添ったスカウトメールは、受け取った相手に「自分という個人をしっかり見てくれている」という安心感を与えます。この特別感こそが、数ある企業の中から選んでもらう第一歩です。
自社の課題や弱みもオープンに伝える「誠実な企業情報の提示」
第二新卒は、過去にミスマッチを経験しているケースが多く、企業のありのままの姿を慎重に見極めています。そのため、「残業なし」「アットホームで全員仲良し」といった抽象的な言葉が並ぶほど、かえって「何か裏があるのでは」と警戒心を強めてしまいます。
第二新卒が求めているのは、完璧な職場ではなく、等身大の姿を隠さずに伝えてくれる誠実な会社です。求職者と信頼関係を構築するには、自社のリアルな課題や弱みもオープンに伝えましょう。あえてネガティブな情報を提示することは、ミスマッチによる入社後の早期離職の防止につながります。
さらに、マイナス面を理解したうえで応募につながるのは「自社が抱える課題を自分の手で解決したい」といった高い志を持った人材です。そうした層は、成長過程にある自社との親和性が深く、マッチング精度の高い採用につながります。
20代・第二新卒の採用事例

第二新卒採用の成功事例をご紹介します。意欲ある若手人材を獲得するための具体的な戦略を、採用活動にお役立てください。
パスクリエイト株式会社
| 課題・ニーズ | 未経験からIT専門職を目指す若手人材の獲得 |
| 活用したサービス | Re就活 |
| 効果 | 他社媒体より高い有効応募率で年間約30~40人を採用 |
| 業種/従業員数 | IT・通信/101~500人 |
パスクリエイト株式会社は、ITを基盤に複数のサービスを展開している企業です。
以前は他媒体を活用していたものの、ターゲット層以外からの応募や、要件とのミスマッチが多く、採用活動に苦戦していました。
そこで、20代採用に特化した「Re就活」を導入。求人原稿の「先輩社員の声」の掲載や、カジュアル面談を積極的に行うことで、求職者と丁寧に向き合う採用を強化しました。特に「先輩社員の声」は、各求人に適した内容に変更し、入社後の働き方やキャリアをイメージしやすいように工夫しています。
さらに、営業担当者との定期的な情報共有を採用活動に反映したことも功を奏し、年間約30〜40人の採用成功を実現しました。
※参考:株式会社学情「求人原稿で先輩社員の声を充実させ、ターゲット層に響く情報発信を強化。」
株式会社千代田組
| 課題・ニーズ | 新卒の未達と若手の離職を補填するため、第二新卒を採用したい |
| 活用したサービス | Re就活 |
| 効果 | 第二新卒層5人の採用に成功 |
| 業種/従業員数 | 商社/101~500人 |
株式会社千代田組は、電気・機械設備やIT関連商材などを通じて、主に製造業や社会インフラ企業を支える商社です。新卒採用の不足と若手社員の離職が重なり、第二新卒採用にシフト。第二新卒採用に特化しており、営業担当者の実体験に基づいたノウハウ提供も期待できることから「Re就活」を活用しています。
これまでは、早期離職を厳しく評価してしまう傾向がありましたが、求職者の意欲をフラットに評価するスタイルへ転換。その結果、ブランクのある求職者とも採用要件に合致する良縁を結ぶことができました。経歴への固定観念を払拭し、個々の適性と向き合ったことが、同社の採用成功を支えています。
※参考:株式会社学情「知名度に頼らない採用活動を展開し、Re就活経由で第二新卒5人の採用に成功」
マッチング精度の高い採用が、離職率の改善と人材定着につながる
「3年後離職率」の平均値は3割を超え、企業規模が小さくなるほどその数値は上昇する傾向にあります。離職率の改善と人材の定着を実現するには、マッチング精度の高い採用が不可欠です。早期離職は、必ずしも求職者の意欲や根性の問題ではありません。「主体的にキャリアを形成したい」「長期的に活躍できる環境を見つけたい」といった、前向きな動機を持つ第二新卒も数多く存在します。
マッチング精度を高める鍵は、自社のありのままを伝え、求職者と真摯に向き合うこと。20代・第二新卒採用に特化した「Re就活」なら、営業担当者の実体験に基づくノウハウとスカウト機能を活用し、貴社にマッチする若手人材へ直接アプローチができます。
20代の若手採用や、離職率の改善にお悩みの方は、ぜひ株式会社学情へお気軽にご相談ください。

株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。