新卒採用はもともと「新卒一括採用」と呼ばれる手法が一般的でした。新卒一括採用は、新卒者を対象に決まった時期にまとめて選考活動を行います。高度経済成長期から浸透し、日本になじみのある「終身雇用」や「年功序列」などの制度と相性が良かったために定着したといわれています。
ほかにも、一括で採用活動を行うことで、そのつど採用活動を行うよりもコストが抑えられることも、新卒一括採用が広まった一因とみられます。
しかし、近年は、学生の動き出しの早期化や内定辞退による長期化の影響で、採用活動自体のスタートが早く・終わりも遅くなってきています。そんな中で徐々に実施する企業が増えてきているのが「通年採用」です。
新卒採用には、一括採用だけでなく通年採用という方法もあります。
新卒一括採用は決められた時期に一斉に採用活動を行うのに対して、通年採用は時期を決めずに年間を通して採用を行います。
通年採用とひとくちに言っても、企業によって実施方法はさまざまです。
など
通年採用についてくわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
新卒採用は卒業予定の学生を対象に一括で採用するのに対し、中途採用は社会人経験のある人材を対象にスポットで採用活動を行います。
中長期的な教育を前提にポテンシャルを求めるなら新卒採用、スキルや経験を重視する即戦力採用なら中途採用のほうが適しています。
ひとくちに「中途採用」と言っても、新卒採用と異なり、採用できる人材は多岐にわたります。
年齢 | 社会人経験 | 定義 | |
既卒 | なし | 学校卒業後、留学やボランティア活動に力を入れるなどして進学も就職もしていない人材 | |
第二新卒 | 25~26歳くらい | 3年以内 | 1~2年の社会人経験を持つポテンシャル人材 |
ヤングキャリア | 26~29歳 | 3年以上 | 3~7年の社会人経験があり、同業種でのステップアップまたはキャリアチェンジを考えている人材 |
キャリア | 30歳以上 | 8年以上 | 高いスキルと経験をもつ即戦力人材 |
このように予めスケジュールが決まっていることで計画的に準備を進めることができます。
これに加えて、学部3年・4年ないしは修士1年・2年を対象に、夏季休暇中のインターンシップが実施されます。
2025年卒業予定の学生を対象にしたプログラムからは三省合意改正でルールが変わっており、「必ず就業体験が参加日数の半分以上」などの一定の条件を満たすプログラムだけが「インターンシップ」という名称を使うことができるようになりました。ほかにも、企業説明を行うような1dayのプログラムである「オープン・カンパニー」や、「キャリア教育」も、学部1年・2年を対象に早期から開催されています。
三省合意改正によって変わったルールの内容について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
適切なフォローを行っていたとしても、就職活動の傾向から一定数の内定辞退は避けられないと考えるべきです。
また、就職後3年以内の離職率は新規大卒就職者で31.5%であるとのデータがあります。(参考:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します」)
せっかくコストをかけて採用しても損失になる可能性があります。これは、新卒者に社会人経験がなく、就業後を具体的にイメージできずにミスマッチが起きてしまうことも一因でしょう。
新卒採用のメリット
5つ目のメリットは20代若手採用には当てはまりません。新卒一括採用と異なり、中途採用は基本的に通年採用であることが多いからです。
しかし、通年で採用活動を行うことにも「内定辞退があっても柔軟に対応できる」などのメリットがあります。
[通年採用とは?意味やメリット・デメリット、導入方法と成功させるポイント]
自社の採用目的が何なのかを改めて振り返り、目的に合った採用手法を選ぶことが採用成功のポイントです。