グローバル人材採用のススメ

違いを受け入れ、「いいとこ取り」をすることで、
当社をさらに強くしていきたい。

TONE株式会社 管理部 塩田健一さん/矢野睦実さん
TONE株式会社
TONE株式会社のルーツは、1925(大正14)年に大阪で輸入工具商社として創業された前田軍治商店まで遡ります。当時は自動車や鉄道がようやく普及してきた中で、そのメンテナンスに必要な工具はまだ国内で製造する技術がなく、輸入に頼るしかありませんでした。品質や納期といった問題に悩まされる中で、安定的に工具を供給するために、ボルト・ナットを締結するソケットレンチを初めて国産化したのが同社で、1938(昭和13)年に製造部門を分社化し、前田金属工業株式会社として創立されました。1941(昭和16)年から使われている「TONE」というブランドは「利根川」に由来しており、日本を代表する悠久の大河であり、経済・社会基盤を支えている利根川のように、日本のみならず世界のモノづくりを支える製品を作りたいという創業者の想いが込められています。
2013(平成25)年にブランド力の強化、さらには世界ブランド「TONE」の確立を目指して現在のTONE株式会社に社名変更を行った同社は、創業者の想いを実現し、鉄骨等のボルトを電動で締結する「シヤ―レンチ」の世界シェアはNo.1、また製品売上の約25%が海外というグローバル企業へと発展しています。今回は同社管理部で採用関係をご担当されている塩田さん(写真右)と矢野さん(写真左)に、同社のグローバル人材採用のご状況等について、お話をお聞きしました。
※記事の内容は取材当時のものです。

世界No.1製品を有する「ボルティング ソリューション カンパニー」

――貴社は「ボルティング ソリューション カンパニー」として、「締結」に関する課題解決を通じて世界中のモノづくりの現場を長年にわたり支え続けていらっしゃいます。
塩田:当社の源流は1925(大正14)年に創業した輸入工具商社なのですが、国産初、そして世界に通用する工具を作るべく、1938(昭和13)年にプロ向けの高級作業工具メーカーとして創立しました。この頃からボルティング、ボルトとナットを締結することに「満足」「感動」「価値」を提供することにこだわっており、現在ではプロ用作業工具から、トルク管理機器、ボルト締結機器へとフィールドを広げ、さらにそれらの強みを融合したボルティング機器という新分野も開拓しています。

矢野:当社が大きく発展したのが1970年代で、この頃からビルや橋梁といった鉄骨建築物のボルトを締結するための電動レンチの製造を始めました。建築基準法に基づく工事でこの電動レンチの使用が必須となり、急速に進むインフラ整備と歩を同じくして当社の電動レンチも販売を拡大し、世界シェアNo.1の製品になるまで成長しています。

塩田:もちろん建築現場以外にも様々な工場で当社の製品が使われており、自動車をはじめ、あらゆるモノづくりの現場を支えています。また近年は家庭で本格的にDIYを楽しむ方も増えてきており、ホームセンターやECサイトを通じて当社製品を個人でお買い求めいただく方も増えています。

採用で最も大切にしていることは「ミスマッチを減らすこと」

――世界ブランドとして知られているTONE製品ですが、製造拠点はどこにありますか?
塩田:日本国内は大阪府に2か所、海外はベトナムに1か所の計3か所で製造しており、そこからアジア、北米、ヨーロッパを中心に、世界中のプロフェッショナルに当社製品をご愛用頂いています。当社のシヤーレンチは世界シェアNo.1、つまりそれは当社、TONEのスタンダードが世界のスタンダード、世界基準であることを意味しています。他社の追随を許さず、先頭を走り続けるために、当社では現状維持、前例踏襲を良しとせず、常に次の一手を考えて新たな視点で製品を生み出し続けています。
――貴社の新卒採用のご方針、そして求める人物像についてお教えください。
矢野:まず求める人物像ですが、「プラス思考で取り組むことができる」、「何かひとつ、No.1を持ちたいと願う」、そして「勇気と目標を持っている」、これらを兼ね備えた方を当社では「TONEの人」としています。ですが新卒採用においてはまず積極性のある方、そしてしっかりと目標を持ち、それに向かって諦めずに進むことができるガッツのある方を採用したいと考えています。

塩田:当社の採用で最も大切にしていることは「ミスマッチを減らすこと」です。ミスマッチによって早期退職となれば、本人にもご家族にも、そして会社にも不幸しかもたらしません。そのために当社では学生と腹を割って相互理解を深めていきながら、「この会社に入りたい」「この人を採用したい」と双方が思う、この思いの強度を高めていくことを重視して採用活動を行っています。

矢野:学生の素の部分を見て選考するために、当社の面接は型にはまった質問ではなくフリートーク中心で、なるべくフランクな雰囲気をつくるために私たちから目線を下げて接するようにしています。そのため学生からは「リラックスしていいたいことが話せてよかった」「もしこの選考がダメでも、他で頑張れる自信がついた」といった声をよくお聞きします。まだまだ至らぬ点はありますが、人物本位の採用ができているのでは、と自負しています。

グローバル人材も日本人と同様、スキルや希望、適性を見て配属。

――昨今のコロナ禍で面接がオンライン化されたかと思うのですが、支障はなかったですか?
塩田:対面からオンラインに移行した当初は不安がありましたが、およそ2年が経過した今は、むしろ好意的に捉えています。まず学生が自宅や大学といった、リラックスしやすい環境で面接を受けてもらえますので、より素の自分を出してもらいやすくなりました。例えば趣味の話になった時に、それに関連した物をすぐに取り出してくれるといった、臨機応変に対応する姿を見ることもできます。もちろん対面ならではの良さがあることも承知していますが、オンラインだからダメ、できないと感じたことはないですね。しいて言えば身長がわからない、くらいでしょうか(笑)

矢野:あと遠方からの応募者が増えたのも、大きなメリットだと感じています。21卒では九州にある工業専門学校から採用できた等、応募者・採用者のエリアはこれまでになく広がっています。
――それでは貴社のグローバル採用についてお聞かせください。
塩田:最初に外国籍社員を採用したのはいまから10年以上前で、キャリア採用で中国人の方に海外営業担当として入社していただきました。その後も縁あって数名採用したのですが、当時は積極的にということではなく、日本人の方と同様に応募してこられ、選考した結果外国籍だった、くらいの感覚でした。ですが当社がベトナム工場を設立した2015(平成28)年頃から徐々に海外目線が本格化したのと、同時にその頃に採用した外国籍社員がとても優秀だったため、日本に来ている外国人留学生を対象に、新卒でも採用を行うようになりました。

矢野:22年卒に関しても1名、中国出身で国立大学卒の女性の採用を予定しています。ただし彼女は母国語の中国語に加え、日本語、英語、そしてベトナム語が堪能で、特にベトナム語を活かした仕事に就きたいという強い希望がありましたので、現地法人のTONEベトナムでの採用が決まっています。この例に限らず、グローバル人材に関しても海外営業に限らず、日本人と同様に本人のスキルや希望、適性を見て様々な部署に配属され、活躍しています。

異なるバックグラウンドを持つ人が集まることで、新しいアイデアが生まれやすくなった。

――選考過程や募集方法、入社後の研修等も違いはないのですか?
塩田:はい、全て同じです。日本語能力に関してもN2以上を目安にはしていますが、それを基準に合否を決めることはなく、面接等でのコミュニケーションを通じて判断するようにしています。求める人物像に関しても同じで、何事にも積極的に挑戦できる方、継続して努力し続けられる方を採用しています。
――グローバル社員と共に仕事をすることで、良かったことや得たことは何でしょうか?
矢野:多様性の大切さですね。同じバックグラウンドを持つ人ばかりが集まるのではなく、異なるバックグラウンド、様々なことを経験している人が集まることで、新しいアイデアが生まれやすくなったと感じています。

塩田:グローバル人材を受け入れ始めたころに感じたことですが、同じことを話しかけても日本人と外国人では返ってくる答えが違うことが多く、その違いを受け入れることでコミュニケーションの幅をより広く持てるようになりました。どちらがいいとかではなく、「いいとこ取り」をすることで、当社がさらに強くなればいいなと期待しています。
――では最後に、貴社の今後の採用のご方針についてお教えください。
塩田:まず大事なのが、周りの動きに左右されずに、当社の事業活動の発展のために必要な人材をどう集めてくるか、にフォーカスして採用活動を行うことだと考えています。そのために当社では、これをやらないといけない、ということはなく、できることは何でもやる、どんどん挑戦するという姿勢で新しい取り組みを行っています。

矢野:先ほどお話しした遠方からの積極採用もそうですし、最近では一度当社を退社した方を対象にした「出戻り採用」も実施いたしました。幸い、会社からは自由にやっていいよと言ってもらっていますので、採用活動も現状維持、前例踏襲ではなく、常に新たな一手に挑戦していきたいと思います。

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