友野:本学は2014(平成26)年に私立理工系大学として唯一、文部科学省「スーパーグローバル大学創生支援」に採択され、10年間にわたる支援を受けています。その基盤のもと、100周年を迎える2027(令和9)年に真のスーパーグローバル大学(SGU)となることを目指すとともに、アジア工科系大学のトップ10に入るという目標を設定し、5項目からなる取り組み課題を据え、「Centennial SIT Action」として宣言しています。イギリスの高等教育専門誌「Times Higher Education(THE)」が発表したTHE Japan University Rankings 2020において、芝浦工業大学は「国際性」について国内私立大学で4位(※1)にランクされており、これまでの取り組みが評価されたものと考えています。
加藤:Centennial SIT Actionでは本学の使命を「世界に学び、世界に貢献するグローバル理工学人材の育成」としており、日本のグローバル理工学教育を牽引する存在となること目指し、全学が一丸となって取り組んでいます。例えば本学では海外留学をサポートするための奨学金制度を用意しており、学生の派遣数はSGU採択前と比べて約4.8倍に増加、海外からの留学生の受け入れも約10.7倍に増えており、着実に成果となって表れています。またアクティブラーニング教育の一環として、海外協定校や企業を交えたグローバルPBL(Project Based Learning)を積極的に実施しており、海外の学生と英語でグループワークに取り組むことによる語学力の向上はもちろん、グローバル人材に必須となるコミュニケーション力、問題発見解決能力、メタナショナル能力、技術経営能力を身につけることを目指しています。
――貴校では「仕事に強い大学」を標榜しておられますが、これはどのような意味があるのでしょうか?
友野:本学では学生が進路決定を「どの会社に行くか=就社」ではなく、どの分野でどういうエンジニアとして活躍していきたいか、入社後の「仕事」を見据えて選ぶべきだと考え、きめ細かい指導・支援を行っています。就活を始めた当初は多くの学生が知名度の高いB to C企業に目が行きがちですが、入社後の仕事にフォーカスして情報提供すれば、これまで知らなかった優良企業や独自の技術を持つB to B企業にも注目するようになってきます。