キャリアセンター訪問

「専大生は10年後が違う」、
その評価を支える支援体制とは。

専修大学 キャリアセンター事務部 部長 髙橋 力さん
専修大学
専修大学は1880(明治13)年に、アメリカ留学から帰国した4人の若者が、自ら学んだ経済学や法律学を社会に還元すべく「専修学校」として創立されました。五大法律学校のひとつに数えられ、「赤門の東大」に対して「黒門の専修」と呼ばれた同校は、建学の精神である「社会に対する報恩奉仕」、そして学風である「質実剛健・誠実力行」を連綿と受け継ぎながら、今年で創立140周年を迎えており、神田・生田の2キャンパスで8学部20学科、約17,700名が学ぶ、国内有数の総合大学に発展しています。「就職の専修」、さらに「専大生は10年後が違う」と評される同校のキャリア形成支援の方針について、同校のOBでもあるキャリアセンター事務部部長の髙橋力さんにお話をお聞きしました。
※記事の内容は取材当時のものです。

ワンストップサービスの実現のために組織改編を実施。

――いきなりの質問で恐縮ですが、「専大生は10年後が違う」と評されている、その秘訣はどこにあるのでしょうか?
いくつか要因は考えられるのですが、一番は学生一人ひとりが様々な経験を通じて自身の強みと弱み、そして志向を把握し、自分に合った将来を選択できるよう、専門スタッフがきめ細かく学生をサポートしていることだと思います。さらにここで重要なのが、学生をサポートすることは、学生が求める答えを単に提示するのではなく、自ら考え、行動できるような気付きを与えることであり、共に歩んでいくことだということです。本学では低年次から充実した学生生活を過ごしながら自己理解、社会理解を深め、自身の基軸を持って主体的、能動的に行動できる学生の育成に努めており、多くの卒業生がその実力を就職活動の場はもちろん、社会に出てからも様々な局面でいかんなく発揮してくれています。そうしたOB・OGの活躍が本学への評価につながっていることはとても誇りに感じておりますし、これからもこの評価に恥じないような学生を引き続き社会に送り出していくことが我々に課せられたミッションだと考えています。
――学生へのサポート体制をより充実させるために、2020年4月に組織改編を行ったそうですね。
これまではキャリアデザインセンター事務課が1・2年生、就職課が3・4年生への対応を行っておりましたが、学生の多様化するニーズに対応できる機能を有したワンストップサービスの実現のために、キャリア支援と就職支援を融合させて「キャリア形成支援課」に統合いたしました。残念ながら新型コロナウイルスの影響で学生への認知はまだまだこれからですが、これから新体制の下、スタッフ一丸となって学生一人ひとりを強力にバックアップしていきたいと考えています。

「常識を疑う」ことから新たな価値が生まれる。

――キャリア形成、就職、資格・採用試験の3つの支援を行う「トリプル・サポート」も「就職の専修」を支える大きな要因ですよね。
キャリア形成支援に関するインターンシッププログラムや能力開発講座、就職支援のための対策講座や個別相談対応、そしてエクステンションセンターが主催する資格・採用試験合格の課外講座等、本学では3方向からの支援で学生一人ひとりの自分づくり、そして未来づくりのお手伝いをしています。また実施内容に関しても多様化が進む学生の志向に合うよう、そして年々早期化、そして長期化する就職活動の状況を鑑み、よりきめ細かく、よりタイムリーに展開していけるよう、常にブラッシュアップを図っており、利用学生にとって満足度の高いサポートができていると自負しております。
――先ほど少し触れられましたが、新型コロナウイルスの影響でそうした支援体制も変更を余儀なくされたのではないでしょうか?
仰るとおりで、緊急事態宣言の発出を受けて学生の入構が禁止になって以降、個別相談への対応として4月9日にコールセンターを設置、5月11日には事前予約制によるオンライン相談を開始する等、学生への支援を継続してまいりました。宣言解除後は希望者に対する対面相談や資料室の利用(いずれも事前予約制)を再開しておりますが、対面授業が本格的に再開されるまでは、引き続きオンラインでの対応が中心になると想定しています。

また先ほどご紹介した各種講座に関しても、インターネットでの動画配信に切り替えて学生に発信しており、今後も対面での講座は必要最小限としつつ、動画コンテンツの充実化を図っていく予定です。
――前例のない中での対応ばかりで、髙橋部長をはじめスタッフの皆さんも大変でしたね。
確かにそのとおりなのですが、私はこれを良い方向へと変わるきっかけにしなければ、と考えています。実は私は以前から課員に対して「常識を疑いなさい」とアドバイスをしておりました。今まで当たり前にやってきたことでもいずれは通用しなくなる、例えばオンラインの活用に関してもコロナがきっかけで導入が早まっただけで、常識を疑い、新たなことに挑戦することで、これまでにない価値が生まれるんだということをスタッフ全員がよく理解してくれていて、実行してくれましたので、今回のピンチも大きな混乱なく対応ができたのだと考えています。

もちろん、今のやり方がベストかと言われれば、決してそうではないことも全員が感じており、試行錯誤しながら学生の理解度、そして満足度をいかに高めるかを模索しているのが実情です。例えば講座の動画配信に関して、ライブがよいか録画形式がよいか、それぞれに良し悪しがあると思いますので、内容や時期に応じて使い分けるといった工夫を常に意識しながら取り組んでいかなければと考えております。

今こそ大学に、未来を創造する役割が求められている。

――新型コロナウイルスの影響はもちろん、働き方改革の推進や通年採用、ジョブ型採用の導入等、企業の採用活動も大きく変化していますが、大学として考え、取り組むべきことは何でしょうか?
私がキーワードと考えているのが、「確実に生き残るのは、変化に対応できるもの」です。企業の採用活動は常に変化しており、最近ではスケジュールの早期化・長期化に加えて、選考方法の多様化等、これまでの知見が通用しなくなるスピードもどんどん速くなっています。また通年採用が進むことで新卒と中途の区別が徐々になくなっていき、結果として定期採用はせずに良い人材を見つけた時しか採用しない、という企業が増えていくのでは、とも考えられています。しかしながら状況がどう変化しようとも、学生はその時代に即した活動をしなければなりませんし、我々大学側もその前提で指導・支援を続けなければなりません。だからこそ常日頃から変化を敏感に察知し、学生一人ひとりの置かれた立場に合ったサポートを実施すること、また一方で時代の変化に左右されない、本当の実力が身につくような学生生活を過ごせるよう、学生の自覚を促すと共に、キャリアセンターもそれをしっかりと支援することが重要ではないでしょうか。

またこれは個人的な意見ですが、大学とは過去の知見を大切にし、学びを深めると共に、それらを活かして未来を創造するクリエイティビティが求められており、「社会知性の開発」をビジョンとして掲げる専修大学が目指すべき姿にも重なると考えています。私たちキャリアセンターの未来も他者に左右されるだけでなく、これまで培った経験を知恵に変え、学生、企業が共に豊かになれる関係づくりを自らの手で創造できるよう、挑戦を続けていきたいと思います。
――では最後に、専修大学、そして専大生のPRをお願い申し上げます。
本学は1学年4,000人以上の大規模校でありながら、「個」を尊重したキャリア・就職支援を目指して様々な活動に取り組んでいます。素直で真面目、校風の「質実剛健・誠実力行」をまさに体現するような学生が多いのが本学の特徴で、派手さがない分、ともすれば個性に欠けるような印象をお受けになられるかもしれません。しかし正課はもちろん、正課外で様々な経験を積み、それぞれが自分に合った個性的な主体性、社会性を身につけておりますので、ぜひそうした面にもご注目をいただき、ご評価をいただければ幸いです。

またこれは本学生に限らず、学生が会社の屋台骨を支えるような存在にまで成長するには、どうしてもある程度の時間を要するかと思いますので、採用した人材をいかに定着させるかをぜひお考えいただきたいと考えています。3年以内に3割が退職するという今の状況を続けることは、学生だけでなく企業の皆様にとっても望ましくない状況であることはご異論ないかと思います。我々は貴社の将来を担えるような人材の輩出に引き続き尽力してまいりますので、ぜひミスマッチのない採用活動を意識していただきますようお願い申し上げます。

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