キャリアセンター訪問

教職協働で原石を磨き、「実践型人材」として輩出。

福岡工業大学 就職部 事務部長 三澤礼一郎さん
福岡工業大学
1954年創立。福岡市東区に位置し、JR鹿児島本線「福工大前」駅に直結した好立地にキャンパスを構える福岡工業大学。「情報・環境・モノづくり」を教育領域とし、3学部9学科、2研究科(9専攻)で計4,371名の学部・大学院学生が学んでいる同校は、全国トップの13年連続志願者数増や、「価値ある大学 就職率ランキング」(日経CAREER MAGAZINE特別編集)において、「採用を増やしたい大学」全国1位に選ばれる等、全国から注目を集めています。今回は就職部 事務部長として同校の飛躍を牽引しておられる三澤さんに、高い評価を受けておられる秘訣について教えていただきました。
※記事の内容は取材当時のものです。

常に学生のことを第一に考え、改革を推進。

――「採用したい大学」全国1位をはじめ、様々なアンケート・調査で高い評価を受けておられますが、その秘訣はどこにあるのでしょうか?
私たちが何よりも大切にしているのが、「For all the students~すべての学生生徒のために~」という本学の経営理念です。全ての教職員が協働し、常に学生・生徒のことを第一に考え、スピード感と実効性を伴った学園改革を推進し続けている結果が、このような高い評価につながってるのだと考えています。

本学の強みとしてよく仰っていただくのが「面倒見の良さ」ですが、私たちは決して学生を手取り足取り指導しているわけではありません。学生が何かに挑戦したいと思った時に、それをきちんとバックアップできる環境をハード・ソフト両面で整備できていること、そして教職協働で学生の社会人基礎力、そして現場対応力を磨き上げ、社会に送り出していること、こうした姿勢や努力をこれからも続けていくことで、高い評価を引き続きいただけるよう、全学的に取り組んでいます。
――そうして巣立っていった卒業生が各方面で活躍しているからこそ、さらに貴校の評価が高まっていくのですね。
仰る通りで、卒業生の活躍なしにはこうした評価は得られなかったと考えています。本学の人材育成目標は「実践型人材」であり、その定義は「自律的に考え、行動し、様々な分野で創造性を発揮できるような人材」としています。この実践型人材の育成のために、まず正課授業では教養、専門知識、専門スキルを、併せて初年次から就業力育成プログラムで「志向する力」「共働する力」「解決する力」「実践する力」を修得させています。また、学修形態でもアクティブラーニング(AL)型学修の拡大展開を進めており、「主体的な学修体験」「実践する力」を修得し、「生涯学び続ける力」の醸成を目指しています。

加えて本学では、「挨拶・礼儀・マナー」をはじめとする社会人基礎力についても在学中にしっかりと身に付けられるように指導しています。学生はある意味、学園を映す鏡であり、学生を見れば大学の考え方や指導方針が自ずと見えてきます。そのためにはまず私たち教職員がしっかりと挨拶をし、手本を見せることで、学生にもそれが当たり前なんだということを理解してもらえるよう、心掛けています。

8割以上が学内合同企業説明会で内定を獲得。

――就職・キャリア支援に関して、貴校独自の取り組みも数多く実施されているそうですね。
本学の就職・キャリア支援の特徴としてまず挙げられるのが、教職協働によって情報共有や課題への対策検討が日常的に行われており、効果的な学生支援がスピーディに実施されていることです。例えば本学では学科毎に実就職率の目標を決め、その達成度を競う「実就職率向上キャンペーン」を実施しており、就職部だけでなく各学科の就職担当教員が一丸となって目標達成に向けて取り組んでいます。

また就職部では「学科別個人指導」を行っており、全9学科に担当者を配置し、全員とFace to Faceで面談をし、学生一人ひとりの状況をもれなく把握しながら、学科の特性や個人の希望に応じたオーダーメイドの指導をしています。
――学内合同企業説明会もとても盛況だとお聞きしました。
2019年3月に実施した学内合同企業説明会には全国から872社にご来場いただき、8日間で延べ5,249名、9割以上の学生が参加しています。学生の参加を促すために、開催1か月前に学内合同企業説明会のための事前ガイダンスを実施し、前年に参加した4年生の体験談や、当日にブースを訪問する企業のリストアップを学科担当者と作成し、効率よく時間を使えるようにする等の指導も行っています。その結果、例年就職希望者の8割以上がこのイベントで内定を獲得しており、参加企業、学生共に大変有意義な場となっています。

また2019年から、学内インターンシップフェアも6月に開催しており、こちらは108社の参加がございました。学生のインターンシップへの意識と参加率が向上し、仕事・業界理解が進むよいきっかけになったと思います。今後もこのような機会を積極的に提供することで、本学の学部学科編成に適合する企業や、卒業生が数多く活躍している企業と、学生との出会いの場を提供していきたいと考えています。
――それだけの企業に参加してもらうとなると、普段からの関係構築が重要になってきますね。
本学では企業とのネットワーク構築のため、東京・大阪・福岡に企業担当者を配置しており、新規開拓先を含め、年間約800社を訪問しています。そこで各種イベントに招聘するだけでなく、本学及び本学生に対するご意見・ご要望をお伺いし、貴重な情報として教職員に共有させています。

また本学にお越しいただき、企業の皆様に本学の教育・研究についてより理解を深めていただく場として、「企業交流会」を毎年開催しています。ここでは我々就職部ではなく教員や学生が中心となって対応しており、学科紹介のポスターセッションや学内の施設見学、学生の研究発表等を行う事で、本学が進めている全学的な教育・研究環境の機能向上・充実化をアピールしています。また教員が直接企業の方々から大学、学生に対して期待することやご要望といった生の声を聞くことで、それらを教育の場に反映してもらうことにも期待しています。

学生、教職員、保護者が三位一体で就活に取り組むために。

――そういった皆さんのご努力の成果でしょうか、就職先では関東地区に本社がある企業が一番多いんですね。
本学生の就職先を業種別でみると、建設業、製造業、情報・通信業の3つで約6割を占めており、そうした企業はやはり関東地区、東京に本社があることが多いのが要因だと考えています。ただし、そうした企業の選考を受けようと思うと、福岡からの移動費がネックとなり、学生の可能性を狭めてしまう事になりかねません。そのため本学では、選考を受けるために必要な交通費として1回あたり最大37,000円を1人2回まで支援する制度を導入しています。福岡にいることがハンディになることなく、逆に福岡のここだから学べたことを強みにして全国、そして全世界で活躍してもらえるよう、これからも様々な面でバックアップしていければと思います。
――「すべての学生生徒のために」の経営理念が、こうした施策にも活かされているんですね。
学生にはもちろんですが、本学では保護者も重要なステークホルダーと位置づけ、情報提供・共有を行っています。具体的には「保護者対象就職ガイダンス」を例年5月に開催しており、変化する就職事情や就職活動期の保護者サポートのあり方、実際に就職活動を体験した先輩学生による発表等、学生、教職員、そして保護者が三位一体で就職活動に取り組めるよう、ガイダンスを行っています。他にも他県在住の保護者に対して、教職員がチームを組んでその地域に出向き、修学・就職情報の提供や個別相談等を実施しています。
――そうしたきめ細かい活動が、「就職の福工大」を支えているんですね。では最後に、人事担当者に向けたメッセージをお願いします。
企業のご採用担当者の方々には、平素より本学生の採用・進路決定にあたり大変お世話になっており、心から感謝申し上げます。最近は学生の働き方への考え方も多様化しており、一般的な就職支援では難しい場面もでてきております。本学では単なる就職支援に止まらず、就職満足度や入社後の定着状況をフォローしながら、人材輩出活動のPDCAサイクルの構築を目指しております。これからも、企業・社会から期待され、求められる人材の原石(学生)磨きに懸命に取り組んでまいります。

また、企業の方から卒業生の活躍ぶりを聞くことが、本学教職員の「心のエンジン」になります。ぜひ本学教職員との交流の機会を設けていただき、率直な意見交換をさせていただければと存じます。

少子化で18歳人口が減少する中、我が国の将来を担う学生がより正しい進路選択をすることが必要な時代になっています。企業と大学との連携で、福工大生に限らず、一人でも多くの若者が活躍できる場所を見つけられるよう、今後ともサポートの程何卒よろしくお願い申し上げます。

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