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学情レポート 2019.12

企業の動向・学生の動向 【2019年12月15日号】

企業の動向・学生の動向

■企業の動向

 10月の内定式から2ヵ月。2020年卒学生対象の採用活動に区切りをつける企業が増える一方で、一定数の企業は採用活動を継続している。12月には東京と京都で合同企業セミナー「就職博」が開催されたが、東京は昨年同時期比約15%増、京都は昨年比微増の出展企業数となり、採用熱は依然として高い。また新卒学生だけでは採用予定数を充足できないと考え、第二新卒者や既卒者を2020年4月入社枠に含めるなど、ターゲットを広げる動きも見られる。第二新卒採用に踏み切ったある企業からは「公務員から民間企業への転職を希望する方の応募があった」と、安定からやりがいを求めて転職活動に挑む若手求職者に期待を寄せる声が聞かれた。

 2021年卒採用については、各社とも冬期インターンシップへの呼び込みを強化しているが、それと同時に夏期インターンシップ参加学生との再度の接触を試みる動きも目立つ。企業理解の促進を目的に、工場見学や社員面談等を実施するほか、自己分析やエントリーシート添削など就活準備を手伝うコンテンツを用意して、学生に寄り添いながら志望度を高める取り組みが展開されている。一方で人事担当者は次のような悩みを抱えている。「インターンシップ参加者に電話をしても出てくれない」「メールを送っても反応がない」など学生への連絡手法についてだ。その解決策として注目を浴びているのが「LINE」である。2021年卒学生を対象とする弊社の調査では、就職活動で企業のLINE公式アカウントから連絡がくることについて、51.7%が「特に抵抗はない」と回答。スマホ世代の学生に合わせたコミュニケーションツールを利用していくことも、採用手法の一手と言えそうだ。

(森山 展成)

■学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 2020年3月卒業予定者のうち一定数の学生は就職先が未決定だが、その動きは活発とはいえない状況だ。各大学のキャリアセンターに寄せられる学生からの相談は少なくなり、また連絡も取りづらく、状況把握が難しくなっている。3年生の就職相談や個人面談の期間に入った大学もあり、4年生はキャリアセンターを訪問しづらい状況だ。企業からの求人自体は昨年と同程度届いているため、そうした情報をいかに活動継続中の学生に届けるかが各大学の悩みの種となっている。

 一方、2021年卒学生に向け、各大学では後期就職ガイダンスが実施されているが、その参加状況は芳しくない。中には昨年比半減という大学もある。参加が振るわない理由は種々あるようだが、学生に話を聞くと「夏のインターンシップに参加して、ある程度就活準備は完了した」「インターンシップの内容として自己分析など就職支援系のプログラムも多く、改めて大学のガイダンスに参加しなくても良いのでは」といった声が聞かれる。1月末から定期試験期間に入るため、大学によってはその前後で総集編的なガイダンスを実施し、そこでフォローアップする計画を立てているところもある。一方で、平日開催であったり、内容が貧弱なインターンシップを実施する企業に対し、大学側も要望を出し始めている。学生もプログラムを吟味する傾向が強まっており、大学としても内容をよく確認して選定するよう指導を強化している。

(江村 朋裕)

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