近年、売り手市場が進み、多くの企業が採用に苦戦しています。特に中途採用においては、即戦力採用が困難な状況です。
そこで第二新卒採用に注目が集まっています。本記事では、第二新卒の採用方法やメリットについて解説します。第二新卒の採用を検討されている方は参考にしてください。
第二新卒とは
第二新卒採用を検討されている方のなかには、第二新卒の定義について知らない方も多いでしょう。採用ターゲットや採用戦略を決めるうえで、第二新卒に関する理解を深めるのは大切なことです。
まずは、第二新卒の定義、新卒や中途との違いなどについて解説します。
第二新卒の定義
第二新卒とは、学校を卒業後、1〜2年ほどの社会人経験を持つポテンシャル人材のことです。
また、転職サイトや企業によっては若手全般を指す場合もあります。明確な要件はありませんが「社会人経験3年未満」の求職者を指す場合が多いです。
第二新卒はいつまで?
何歳までが第二新卒に当てはまるかは、最終学歴によって異なります。4年制大学を卒業している場合は25歳前後ですが、高卒では20歳前後、専門学校卒では22歳前後となるでしょう。
若手求職者は、以下のように分類できます。
社会人経験 |
年齢(大学卒の場合) |
|
キャリア |
− |
30歳以上 |
ヤングキャリア |
3年以上 |
26〜29歳 |
第二新卒 |
3年未満 |
25歳以下 |
既卒 |
なし |
− |
第二新卒は「新卒」と「中途」どっちに分けられる?
「新卒」と「中途」の違いは以下の通りです。
- 新卒:今年度中に学校を卒業または卒業予定の人材
- 中途:学校卒業後、社会人経験がある人材。中途採用では経験者や専門職を指す場合が多い
正社員としての就業経験がある第二新卒は「中途」に分類されます。
2012年には、意欲や能力があるにも関わらず、就業経験が短い人材の取りこぼしを防ぐため、青少年雇用機会確保指針が改正されました。指針の改定では「卒業後3年以内は新卒扱いとして応募できるようにすること」と定められ、新卒採用の門扉が広がったのです。
※出典:厚生労働省「青少年の雇用機会の確保等に関して 事業主が適切に対処するための指針(抜粋)」(https://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/dl/11a.pdf)
第二新卒を採用する4つのメリット
これまで新卒採用や即戦力となる中途採用を行ってきた企業では、第二新卒の採用に不安を感じる方もいるでしょう。次は、第二新卒採用ならではのメリットについて解説します。
ビジネススキルの基礎が完成している
第二新卒は、一度は正社員として就職経験があるため、ビジネススキルの基礎をすでに身に付けています。
身だしなみやあいさつ、言葉遣いなどは、どの業界職種でも必要なものです。新卒採用を実施している企業の多くは、採用後にビジネスマナーやスキルに関する研修を行っているため、ビジネススキルの基礎が身に付いている可能性が高いでしょう。
採用後に基礎的な研修や教育を行う必要がないため、人材育成にかかるコストが削減できるのも大きなメリットです。
社風に馴染みやすい
第二新卒は、前職の勤続年数が短いため、新しい社風にも馴染みやすい傾向にあります。
豊富な経験を持っている人材は即戦力としては魅力的ですが、仕事に関する価値観が完成していることが多く、新しい社風に馴染みづらい場合もあるでしょう。
一方、第二新卒は前職の勤続年数が短く、前職の社風や企業文化に染まっていません。新しい環境や変化にも柔軟に対応できるため、組織の幹部候補としての成長が期待できるでしょう。
ポテンシャル採用ができる
ポテンシャル採用とは、スキルや経験ではなく、求職者の人柄や素養を重視した採用方法です。特に経験の浅い若手採用で用いられるケースが多く、企業の未来を担う優れた人材が採用できる可能性を秘めています。
従来の中途採用では即戦力が求められていましたが、企業のコア人材を採用する方法としてポテンシャル採用に注目が集まっています。また、多彩な人材を採用することで、新しいアイデアやイノベーションが生まれやすくなるでしょう。
通年採用ができる
第二新卒は、中途採用と同様に通年採用ができます。
新卒採用では採用活動の開始時期や入社日が決まっているため、スケジュールに合わせて採用活動を進めなければいけません。特に内定から入社までの期間が長く、内定者フォローが必要です。
一方、通年採用なら、募集から採用までの時期や入社時期を企業側で調整できます。新卒採用のように決まったスケジュールに左右されないため、自社とマッチする人材を柔軟に採用できるでしょう。
第二新卒の採用方法5つ
第二新卒の採用を成功させるには、ターゲットや自社の採用計画に適した採用方法を選ぶことが大切です。採用方法が適切でないと、無駄なコストがかかったり、採用できなかったりする原因になるので注意しましょう。そこで、検討したい第二新卒の採用方法について解説します。
求人サイト
求人サイトに企業の求人情報を掲載する方法です。最も一般的な採用方法であり、求人サイトと他の採用方法を併用している企業も多いでしょう。一度に多くの求職者へアプローチできるため、うまく運用すれば効率よく母集団形成ができます。
第二新卒の採用を目指すなら、20代転職に特化した求人サイト「Re就活」がおすすめです。「Re就活」にはポテンシャルや成長意欲の高い人材が多く、また、20代の登録比率が9割を超えるため、ニーズに合ったマッチング度の高い採用が実現できます。
転職イベント
転職イベントとは、求人募集をしている企業が一堂に会し、転職希望者に対して会社説明や面談などを行うイベントです。求職者一人ひとりと直接コンタクトが取れるので、積極的にアプローチできます。
第二新卒の採用を目指すなら、20代転職に特化した「転職博」がおすすめです。「転職博」は若手採用に強い株式会社学情が運営している転職イベントで、働く意欲の高い20代の転職希望者が数多く参加しています。
人材紹介
人材紹介とは、転職エージェントに採用要件を伝え、要件にマッチした人材を紹介してもらうサービスです。人材の紹介だけでなく、企業と人材のマッチングや求職者へのクロージングも転職エージェントが行うため、採用工数が削減できます。
料金は成功報酬型の場合が多く、初期費用はかかりませんが採用単価は高くなりやすいです。
転職エージェントのなかには、第二新卒やヤングキャリアに特化したエージェントもあるので、自社の採用要件や採用戦略に適したエージェントを探しましょう。
リファラル採用
リファラル採用とは、自社の社員や取引先から採用要件に適した人材を紹介してもらう方法です。
企業や採用要件を熟知している方から紹介を受けるため、求人サイトや転職イベントなどよりも採用要件に適した人材の採用が期待できます。高いマッチングは採用の成功だけでなく、定着率の向上にも欠かせない要素です。
リファラル採用では、紹介してくれた方に対してインセンティブを支払う制度があります。インセンティブの金額は1万〜30万円ほどで、人材紹介を依頼するよりも採用費をおさえられます。
大学キャリアセンター
キャリアセンターとは、大学にある就職支援を専門とする部署です。在学生はもちろん、卒業生が就職や転職の相談に訪れることもあります。
大学に求人情報を出すことで、キャリアセンターから学生や卒業生を紹介してもらえるかもしれません。確率は高くありませんが、大学とのコネクションは新卒採用においても活用できるので、関係をつくっておくとよいでしょう。
第二新卒を採用する際の注意点
第二新卒を採用する際は、キャリア(経験者)採用とは異なる注意点があります。初めて第二新卒の採用に着手する企業は、ぜひチェックしてください。
第二新卒の採用要件を決める
第二新卒を採用する際は、新卒や中途採用とは別に採用要件を設けましょう。
ポテンシャル採用で注目されやすい潜在能力は、資格や経歴のように目に見えないので、採用に携わる担当者全員で認識を一致させるのが非常に困難です。
潜在能力に関する認識を一致させるためにも、採用要件は明確に決めましょう。共通認識のもとで採用活動が進められれば、ミスマッチも未然に防げます。
積極的にコミュニケーションを取る
求職者の潜在能力を正しく評価するために、積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。
求職者が持つ潜在能力は、単調な質問だけでは十分に理解できません。前職で学んだことや退職理由など、踏み込んだ質問をして、求職者の人柄や素養を知りましょう。
求職者を深く知ることは、ミスマッチの防止や早期離職を防止するうえでも必要です。
20代転職に強い「Re就活」を活用して第二新卒採用を成功させよう!
第二新卒採用を成功させるには、第二新卒採用に特化した採用方法を導入するのがポイントです。
20代転職に特化した会員数230万人を誇る転職サイト「Re就活」では、求職者からの応募を待つだけでなく、スカウトメールやヘッドハンティングメールを活用し、企業の採用要件に適した求職者に直接アプローチすることが可能です。さらに、20代転職イベント「転職博」、人材紹介の「Re就活エージェント」などがあり、企業の採用課題に合わせて効果的な採用方法が選択できます。
第二新卒採用を目指すなら、20代転職において数々の実績を誇る「Re就活」の利用をご検討ください。
株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。
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