【面接官必見】中途採用の面接で質問するべきことリスト
公開日:2025.08.27


「中途採用の面接で、応募者の本質を見抜くにはどんな質問をすればいいのだろうか」「自社にマッチする人材かどうかを判断できる、効果的な質問が知りたい」と感じていませんか。
そこで重要になるのが、候補者のスキルや経験、人柄を的確に見極める質問力です。
本記事では、中途採用面接で聞くべき質問の全体像から、具体的な質問例、聞いてはいけないNG質問、面接を円滑に進めるポイントまでを網羅的に解説します。
この記事を最後まで読めば、自社の求める人物像に合致した優秀な人材を見抜き、採用成功の確率を高めることができるでしょう。
さっそく、効果的な質問で面接の質を向上させる第一歩を踏み出しましょう。
中途採用面接で質問すべきことの全体像
中途採用面接を成功させるためには、まず面接の目的を正しく理解し、面接官として果たすべき役割を把握することが不可欠です。
ここでは、即戦力となる人材を見極めるための面接の重要性と、面接官に求められるスキルについて解説します。
中途採用面接の目的と重要性
中途採用の面接は、新卒採用とは異なり、候補者が持つ即戦力としてのスキルや、既存の組織にスムーズに溶け込める適応力を見極めることが主な目的です。
応募者のこれまでのキャリアや転職回数といった背景を理解し、彼らが新しい職場に何を期待しているのかを把握することも重要です。
そのため面接では、「職務経験」「転職理由」「志望動機」といった基本的な質問に加え、応募者の本質やポテンシャルを探る応用的な質問まで、幅広く投げかける必要があります。
面接官の役割と求められるスキル
面接官には、全ての候補者に対して公平な視点で接し、相手の話に真摯に耳を傾ける傾聴姿勢が求められます。
事前に評価軸を明確にし、それに沿った質問を準備することはもちろん、面接中のやり取りを正確に記録し、客観的な評価を行うことも重要な役割です。
候補者のスキルや経験だけでなく、自社の文化や価値観との相性、そして将来的な成長意欲といった多面的な要素を評価できるような、戦略的な質問設計能力が不可欠と言えるでしょう。
中途採用面接の質問例と意図
効果的な面接は、適切な質問から生まれます。
ここでは、面接の各フェーズで役立つ質問例を、その質問が持つ意図とともに具体的に解説します。アイスブレイクから条件交渉まで、候補者の本音を引き出し、多角的に評価するための質問を学びましょう。
アイスブレイク・導入質問
アイスブレイクは、候補者の緊張を和らげ、リラックスした雰囲気を作ることで、本音を引き出しやすくすることを目的とします。軽い質問から始めるのが効果的です。
- 「本日はお越しいただきありがとうございます。ここまで迷わず来られましたか?」
- 「〇〇(趣味など)がお好きだと拝見しましたが、最近はどのようなことをされていますか?」
- 「最近、何か関心を持っているニュースはありますか?」
経歴・職務経験に関する質問
職務経歴に関する質問は、候補者が持つスキルの深さや実績を具体的に把握するために行います。質問を通じて、課題解決能力や専門性を深掘りし、なぜその職務を選び、どのような価値を提供してきたのかを明らかにすることが重要です。
- 「前職ではどのような業務を担当されていましたか?」
- 「これまでの業務で最も大きな成果を上げたエピソードを教えてください」
- 「担当されていた業務の中で、特にやりがいを感じたのはどのような点ですか?」
- 「逆に、最も困難だった業務やプロジェクトについて、どう乗り越えたかを含めて教えてください。」
- 「チームではどのような役割を担うことが多かったですか?」
転職理由・志望動機に関する質問
転職理由や志望動機を問うことで、候補者のキャリアに対する価値観や、自社への入社意欲の度合いを測ります。回答に一貫性があり、業界や自社について深く理解しているかどうかが評価のポイントです。
- 「今回、転職を考えられたきっかけは何ですか?」
- 「数ある企業の中で、なぜ当社を志望されたのでしょうか?」
- 「当社のどのような点に魅力を感じていただけましたか?」
- 「転職する上で、最も重視していることは何ですか?」
スキル・実務能力の確認質問
このパートでは、応募職種で求められる専門的なスキルや実務能力を具体的に確認します。資格や語学力だけでなく、行動を伴った実績があるかどうかを見極めます。
- 「〇〇のツールはどの程度のレベルで扱えますか?」
- 「前職で、〇〇のスキルを活かして業務を改善した経験があれば教えてください」
- 「そのスキルはどのようにして習得されたのですか?」
- 「〇〇という状況において、あなたのスキルをどのように活かせるとお考えですか?」
行動特性・人柄・価値観に関する質問
候補者の行動特性や人柄、価値観を理解することは、組織文化への適応性を見極める上で非常に重要です。質問を通じてその人物像を深掘りし、柔軟性や協調性、リーダーシップといった側面を把握しましょう。
- 「仕事で困難な壁にぶつかった際、どのように乗り越えましたか?」
- 「チームで目標を達成するために、あなたが最も大切にしていることは何ですか?」
- 「これまでの仕事で、最大の失敗経験と、そこから学んだことを教えてください。」
- 「意見が対立した際に、どのように対応しますか?」
キャリア志向・将来像に関する質問
候補者が自社で長期的に活躍してくれる人材かを見極めるため、キャリアプランや将来の目標について質問します。候補者が描くキャリアパスと、会社が提供できる環境が一致しているかを確認します。
- 「5年後、10年後、どのようなキャリアを築いていたいですか?」
- 「当社で働くことを通じて、どのような自己成長を実現したいとお考えですか?」
- 「入社後、まずはどのような業務から挑戦してみたいですか?」
- 「どのような環境で働くときに、最もパフォーマンスが上がると感じますか?」
条件・待遇に関する質問
採用プロセスの最終段階で、入社後のミスマッチを防ぐために、条件や待遇に関する希望をすり合わせます。入社可能時期や働き方の希望なども含め、お互いの認識を一致させておきましょう。
- 「ご希望の年収はございますか?」
- 「残業や休日出勤について、どの程度対応可能でしょうか?」
- 「希望される働き方(リモートワークの頻度など)はありますか?」
- 「入社可能時期はいつ頃になりますでしょうか?」
逆質問(応募者からの質問)
面接の最後に逆質問の機会を設けることは、候補者の入社意欲や関心の方向性を知る絶好の機会です。候補者からの質問内容は、企業理解度や仕事への熱意を測るバロメーターとなります。
- 「何か質問はありますか?」
業界別・職種別の中途採用面接で質問すべきこと
求めるスキルや経験は、業界や職種によって大きく異なります。
ここでは、営業、エンジニア、小売、マーケティングなど、主要な職種ごとに特化した質問例を紹介します。候補者の専門性や職務適性をより深く見極めるための参考にしてください。
営業職向け質問例
営業職では数値目標の達成力だけでなく、顧客との信頼関係構築力、困難な状況での対応力が重要です。過去の実績と併せて、プロセスや思考法を確認することで、自社での再現可能性を評価します。
- 顧客対応力: 「顧客からクレームを受けた際の対応事例と、その後の関係改善策を教えてください」
- 目標達成力: 「目標未達成だった時期の原因分析と改善策を教えてください」
- 提案力: 「顧客の潜在ニーズを引き出した成功事例を教えてください」
- チーム貢献: 「チーム全体の売上向上に貢献した施策があれば教えてください」
エンジニア職向け質問例
エンジニア職では技術力はもちろん、問題解決能力、学習意欲、チーム開発でのコミュニケーション能力が求められます。技術的な深掘りと併せて、ビジネス理解度も確認することが重要です。
- 技術的判断力: 「過去のプロジェクトで技術的な判断を迫られた場面と、その決定プロセスを教えてください」
- 問題解決力: 「パフォーマンス改善で最も効果的だった施策は何ですか?」
- コミュニケーション: 「非エンジニアメンバーに技術的な内容を説明した経験を教えてください」
- 学習意欲: 「最近学んだ新しい技術や言語は何ですか?なぜそれを選びましたか?」
小売・サービス業向け質問例
小売・サービス業では顧客満足度の向上、現場オペレーションの改善、スタッフマネジメントが重要です。数値管理能力と人間力のバランスを見極める質問が効果的です。
- 顧客対応: 「リピーター獲得のために実施した施策と効果を教えてください」
- 店舗運営: 「売上向上のために実施した施策と結果を教えてください」
- スタッフ教育: 「アルバイトスタッフの定着率向上のための取り組みを教えてください」
- 業務改善: 「在庫管理や発注業務で改善した点があれば教えてください」
マーケティング職向け質問例
マーケティング職では、データに基づく論理的思考と創造性のバランスが求められます。戦略立案から実行、効果測定まで一貫したPDCAサイクルを回せる能力を評価します。
- 戦略立案: 「成功したマーケティングキャンペーンの企画プロセスを教えてください」
- データ分析: 「KPI設定と効果測定で工夫している点を教えてください」
- デジタル活用: 「SNSマーケティングで成果を上げた事例を教えてください」
- ROI改善: 「マーケティングROIを改善した具体例を教えてください」
人事・総務職向け質問例
人事・総務職では組織課題の把握力と解決力、従業員満足度を高める施策立案・実行力が重要です。制度設計から運用まで、実務経験に基づく具体的な取り組みを確認します。
- 採用力: 「採用難職種の採用成功事例と、その要因分析を教えてください」
- 制度設計: 「働き方改革に関連して導入した制度と効果を教えてください」
- 組織開発: 「従業員満足度調査の結果から実施した改善策を教えてください」
- トラブル対応: 「労使トラブルを未然に防いだ、または解決した経験を教えてください」
経理・財務職向け質問例
経理・財務職では正確性・迅速性に加えて、経営視点での分析・提言能力が求められます。ルーティン業務の改善力と、経営に資する付加価値創出力の両面を評価します。
- 決算業務: 「決算早期化のために実施した改善策を教えてください」
- 財務分析: 「財務分析から経営改善につなげた事例を教えてください」
- 内部統制: 「内部統制の強化で実施した取り組みを教えてください」
- 業務効率化: 「経理業務の効率化・自動化で実施した施策を教えてください」
中途採用面接で聞いてはいけないNG質問
採用面接では、応募者の基本的人権を尊重し、就職差別につながる可能性のある質問は避けなければなりません。
これらの質問は、応募者の適性や能力とは無関係な事柄で評価を行うことにつながり、企業の信頼を損なうだけでなく、法的なリスクも伴います。
ここでは、厚生労働省が示すガイドラインに基づき、具体的なNG質問を解説します。
本人に責任のない事項
応募者自身ではどうすることもできない、生まれ持った環境や背景に関する質問は不適切です。これらの質問は、応募者の能力や意欲とは関係なく、予断や偏見に基づく判断につながる恐れがあります。
- 本籍・出生地に関する質問: 「出身はどちらですか?」といった会話のきっかけのような質問も、本籍地や出生地を特定しようとする意図があると見なされる可能性があります。
- 家族構成や家庭環境に関する質問: 「ご両親はどのようなお仕事をされていますか?」「ご兄弟はいらっしゃいますか?」といった家族に関する情報や、「結婚のご予定は?」「お子さんのご予定は?」といったプライベートな予定に関する質問は、業務と無関係です。
- 住宅状況に関する質問: 「お住まいは持ち家ですか、賃貸ですか?」「間取りを教えてください」といった質問も、家庭環境を探るものとして不適切です。
これらの質問は、応募者に不要な不安や不信感を与え、企業のイメージを損なうことにもつながります。
本来自由であるべき事項
憲法で保障されている「思想・信条の自由」や「信教の自由」を侵害するような質問も、厳に慎むべきです。個人の価値観や内面に関わる事柄は、業務上の適性とは切り離して考える必要があります。
- 思想・信条に関する質問: 「尊敬する人物は誰ですか?」「愛読書は何ですか?」といった質問は、間接的に人生観や思想を探ることにつながるため、避けるべきです。労働組合に関する見解を問う質問もこれに該当します。
- 宗教に関する質問: 「信仰している宗教はありますか?」といった直接的な質問はもちろん、特定の宗教施設が近所にあることなどを話題にするのも不適切です。
- 支持政党に関する質問: 「どの政党を支持していますか?」といった政治的なスタンスを問う質問は、個人の自由な意思決定を侵害するものです。
これらの質問は、応募者の内心に踏み込むものであり、採用選考という優越的な立場を利用したパワーハラスメントと受け取られる可能性もあります。
中途採用の質問設計・進行時のポイント
面接の成果は、質問内容だけでなく、その投げかけ方や面接全体の進行によっても大きく左右されます。
ここでは、候補者の本音を引き出し、公平な評価を行うための具体的なテクニックや心構えについて解説します。
オープン質問とSTAR法を活用する
候補者からより多くの情報を引き出すためには、「はい/いいえ」で終わらないオープンクエスチョン(開かれた質問)が有効です。
さらに、具体的なエピソードを深掘りする際には、STAR法(Situation:状況、Task:課題、Action:行動、Result:結果)を用いることで、候補者の行動特性や成果を構造的に理解することができます。
応募者の本音・本質を引き出す
一問一答で終わらせず、「なぜそう考えたのですか?」「具体的にはどのように行動しましたか?」といった掘り下げ質問を重ねることが、本質を見抜く鍵です。
時には沈黙を恐れずに相手の言葉を待つ姿勢や、面接官自身の経験を少し開示して安心感を与えることも有効ですが、面接官が話しすぎないよう「聞く姿勢」を徹底することが最も重要です。
応募者タイプ別に質問をアレンジする
面接の質問は、全ての候補者に同じものを投げかければ良いというわけではありません。
管理職候補者には組織マネジメントやビジョンに関する質問を、専門職にはより深い専門知識を問う質問を、未経験者にはポテンシャルや学習意欲を測る質問を用意するなど、相手の立場や経験に応じて内容を調整する必要があります。
複数面接官・多段階面接では質問を分担する
面接が複数回にわたる場合は、各段階での役割分担を明確にすることが重要です。
例えば、一次面接では人事担当者が基礎的なスキルや経歴を確認し、二次・最終面接では現場の管理職や役員が専門性やカルチャーフィットを深掘りするといったように、評価の視点を分けることで、多角的かつ効率的な選考が可能になります。
時間配分を事前に想定し進行する
限られた面接時間内で必要な情報を得るためには、事前の時間配分が不可欠です。
各質問項目に大まかな所要時間を設定しておきましょう。
また、候補者がリラックスして話せるような雰囲気作りや、話が逸れた際に本筋に戻すといった面接全体のファシリテーションも面接官の重要なスキルです。
公平な評価とバイアスの排除を心がける
面接官は、自身の主観や先入観(バイアス)が評価に影響を与えないよう、常に意識する必要があります。
評価は個人的な印象ではなく、具体的な発言やエピソードといった「事実」に基づいて行いましょう。事前に面接官同士で評価基準をすり合わせ、明確な指標を共有しておくことが、公平な選考の実現につながります。
中途採用面接の流れと質問配置
効果的な面接を行うためには、全体の流れを設計し、各フェーズでどのような質問を配置するかを事前に計画しておくことが重要です。
ここでは、準備段階からクロージングまで、一連の面接プロセスと、それに合わせた質問の配置例を具体的に解説します。
事前準備・質問リスト作成
面接の成功は準備で決まります。応募者の書類(履歴書・職務経歴書)に事前に目を通し、経歴やスキルを把握した上で、確認したい点や深掘りしたい点を洗い出しておきましょう。
- 求める人物像の明確化: 採用ポジションに必要なスキル(Must/Want)、経験、価値観を定義します。
- 評価基準の策定: 人物像に基づき、評価項目と基準(例:5段階評価)を具体的に定めた「面接評価シート」を作成します。
- 質問リストの作成: 評価項目を測るための質問を、本記事の質問例などを参考にリストアップします。複数の面接官で共有し、目線を合わせておくことが重要です。
面接開始~導入フェーズ(約5~10分)
このフェーズの目的は、候補者の緊張を和らげ、安心して話せる場を作ることです。丁寧な進行で、企業の印象も左右します。
- 面接官の自己紹介: まずは面接官が自身の氏名と部署、役職を名乗ります。
- 面接の流れの説明: 面接の所要時間、大まかな内容(前半は経歴について、後半は質疑応答など)を伝え、見通しを持たせます。
- アイスブレイク: 「本日はご足労いただきありがとうございます」といった感謝の言葉や、当たり障りのない質問で場を和ませます。
- 基本情報の確認: 「まず、これまでのご経歴を簡単にご説明いただけますか?」と、候補者自身の言葉で自己紹介を促し、転職理由や志望動機といった基本的な質問へとつなげます。
中盤~深掘り・実務能力評価フェーズ(約30~40分)
面接の核となる時間です。ここでの質問を通じて、候補者のスキル、経験、人柄、価値観が自社とマッチするかを多角的に見極めます。
- 職務経験の深掘り: 職務経歴書の内容に基づき、「最も成果を上げたプロジェクト」や「困難だった経験」について、STAR法(Situation:状況、Task:課題、Action:行動、Result:結果)を用いて具体的に質問し、再現性のある能力かを判断します。
- スキルと専門性の確認: 募集職種に必要な専門知識やツールスキルについて、具体的な使用経験やレベル感を問います。「〇〇の課題を解決するために、あなたの専門性をどう活かしますか?」といった実践的な質問も有効です。
- 行動特性・価値観の確認: 「チームでの働き方」「失敗から学んだこと」「仕事で大切にしている価値観」など、人柄やカルチャーフィットを見極める質問を投げかけます。
終盤~逆質問・条件確認・クロージング(約5~10分)
面接の締めくくりとして、候補者の疑問を解消し、入社意欲を高めるとともに、事務的な確認を漏れなく行います。
- 逆質問の受付: 「最後に、何か質問はありますか?」と問いかけ、候補者が抱える疑問や不安を解消します。候補者の質問内容から、企業理解度や入社意欲の高さを測ることもできます。
- 志望度の確認(任意): 「差し支えなければ、現時点での当社への志望度をお聞かせいただけますか?」と確認することで、候補者の意欲を測る一つの材料になります。
- 条件・待遇面の確認: 希望年収や入社可能時期、その他働き方に関する希望など、必要な事務連絡や条件のすり合わせを行います。
- クロージング: 面接参加への感謝を伝え、今後の選考プロセス(結果連絡の時期や方法など)を明確に説明し、丁寧な印象で面接を終了します。
よくある質問(採用担当者向け)
ここでは、採用担当者が面接の現場で抱きがちな疑問や悩みについて、具体的な対応策と共にお答えします。
日々の採用活動で直面する課題解決のヒントとしてご活用ください。
面接中、答えが乏しいときの対応は?
候補者の回答が少ない場合、質問の仕方を工夫してみましょう。
「具体的に教えていただけますか?」と掘り下げたり、「例えば、〇〇のような状況ではどうされますか?」と別の角度から質問を言い換えたり(リフレーズ)することが有効です。
また、少し沈黙の時間を作り、相手が考えをまとめるのを待つことも時には必要です。
NG質問かどうか迷ったら?
質問内容が不適切かどうか判断に迷った際は、「その質問は、候補者の職務遂行能力を判断するために本当に必要か?」という視点で考えてみてください。
厚生労働省のガイドラインを確認することも重要です。社内で定期的に面接官向けの研修を実施し、NG質問に関する知識を共有しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
多忙な中で効率よく質問リストを作るには?
ゼロから質問リストを作成するのが難しい場合は、まず基本的な質問項目をまとめたテンプレートを用意し、それを基に職種やポジションに合わせてカスタマイズする方法が効率的です。
一度作成した質問リストや評価シートは、他部署の面接官とも共有し、実際の面接を通じて得られたフィードバックを反映させながら、継続的に改善していくことが質の向上につながります。
候補者の本質を見抜く質問力でミスマッチを防ぐ
本記事では、中途採用の面接官が知っておくべき質問の設計方法や具体的な質問例、面接進行のポイントについて網羅的に解説しました。
中途採用の目的は、単にスキルを持つ人材を見つけることだけではありません。候補者の価値観やキャリア志向が自社の文化やビジョンと合致しているか、その本質を見極めることが成功の鍵となります。
そのためには、経歴や転職理由といった基本質問から、行動特性や将来像を探る深掘りの質問まで、意図を持って設計することが不可欠です。
また、候補者が安心して本音を話せるような雰囲気作りや、公平な評価を徹底する姿勢も面接官の重要な役割です。
この記事で紹介した質問例やテクニックを参考に、自社の採用基準に合わせた最適な質問リストを作成し、ミスマッチのない採用を実現してください。

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