

近年、中途採用が難しくなっています。中途採用を成功させるには、採用ターゲットや課題に適した採用手法を選ぶことが大切です。本記事では、中途採用に適した採用手法やそれぞれのメリット・デメリットを解説します。
中途採用手法の比較一覧
それぞれの採用手法には、得意不得意な分野があります。そのため、自社の採用課題に適した手法を選ぶことが大切です。
中途採用手法を一覧にして紹介します。
採用手法 |
採用コスト |
母集団 |
マッチング精度 |
採用工数 |
求人サイト |
◯ |
◎ |
◯ |
◯ |
人材紹介 |
△ |
△ |
◎ |
◎ |
合同企業セミナー |
△ |
◎ |
◯ |
△ |
ダイレクトリクルーティング |
◯ |
◯ |
◎ |
△ |
ヘッドハンティング |
△ |
△ |
◎ |
◎ |
リファラル採用 |
◎ |
△ |
◎ |
◯ |
SNS採用 |
◯ |
△ |
◯ |
◯ |
アルムナイ採用 |
◎ |
△ |
◎ |
◯ |
ミートアップ採用 |
◎ |
◯ |
◎ |
◯ |
ハローワーク |
◎ |
△ |
△ |
◎ |
中途採用におすすめの採用手法10選

それぞれの採用手法の概要とメリット・デメリットについて解説します。採用手法を選ぶ際の参考にしてください。
求人サイト
主に人材サービス企業が提供する求人サイトに、求人情報を掲載する方法です。
一度に多くの求職者へアプローチできるため、母集団形成に適しています。しかし、掲載社数が多い媒体では、自社の情報が埋もれてしまう可能性があります。
自社の情報が埋もれるリスクを回避するには、採用ターゲットに適した特化型の媒体を使い、露出度を高めるのが効果的です。
たとえば、若手採用を目指している場合、20代転職に特化した「Re就活」がおすすめです。登録者の93.3%が20代なので、効率的にアプローチできます。
費用 |
30万〜140万円(4週間) |
メリット |
・母集団形成に向いている ・幅広い層からの応募が期待できる |
デメリット |
・採用ターゲット以外から応募が来る可能性もある ・即戦力を採用することは難しい |
人材紹介
人材紹介とは、人材紹介会社に採用要件を伝え、要件に適した人材を紹介してもらうサービスです。
費用は成果報酬型であることが多く、採用するまで料金がかかりません。一方、他の採用手法と比べて採用単価が高くなりやすいため、即戦力採用を目指す場合に向いています。
20代の採用なら「Re就活エージェント」がおすすめです。20代専門のアドバイザーが企業の採用活動をサポートするため、マッチング精度の高い採用が期待できます。
費用 |
採用する人材の想定年収の30〜35% |
メリット |
・即戦力採用に向いている ・採用するまで費用がかからない |
デメリット |
・採用単価が高くなりやすい ・自社に採用ノウハウが蓄積されにくい |
合同企業セミナー
合同企業セミナーとは、採用活動を行っている企業が集まり、求職者に対して会社説明や面談を行うイベントのことです。転職潜在層にも直接アプローチできるため、母集団形成に役立ちます。
合同企業セミナーには、幅広い層の企業や求職者が集まる「総合型」の他に、業界や属性に特化した「特化型」のイベントもあります。
たとえば、若手採用を目指すなら、20代転職希望者向け合同セミナー「転職博」がおすすめです。来場者の約90%が20代なので、採用要件に適した人材との出会いが期待できます。
費用 |
75万〜160万円(1日あたり) |
メリット |
・自社の強みや魅力を直接アピールできる ・転職潜在層にもアプローチできる |
デメリット |
・出展や準備に費用がかかる ・イベントを運営する人員が必要 |
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、企業が求職者に直接アプローチする採用手法のことです。採用要件に適した求職者を抽出してスカウティングするため、即戦力採用に向いています。
企業を牽引する人材を求めている場合は、20代後半から30代の採用に特化した「Re就活30」がおすすめです。「Re就活30」なら、スカウトメールとヘッドハンティング機能を使い、企業から求職者に直接アプローチできます。
費用 |
成功報酬型:想定の年収の15〜35%、初期費用など 定額型:130万〜250万円 |
メリット |
・マッチング精度の高い出会いが期待できる ・転職潜在層にも積極的にアプローチできる |
デメリット |
・採用担当者の負担が増える ・転職意欲が低い場合、採用活動が長期化する可能性がある |
ヘッドハンティング
ヘッドハンティングとは、企業が求める人材を探し、直接アプローチする方法です。ヘッドハンティング会社が、企業の採用要件をヒアリングし、要件に適した人材のサーチ、面談、選考の日程調整、クロージングなどを行います。
専門性の高いポジションや経営層などをターゲットに行われることが多い採用手法です。
費用 |
採用した人材の想定年収の30〜40% |
メリット |
・高いスキルを持つ人材を採用できる ・転職市場にあまり現れない人材にもアプローチできる |
デメリット |
・採用コストが高くなる場合がある ・採用するまでに時間がかかる |
リファラル採用
リファラル採用とは、従業員から採用要件に適した人材を紹介してもらう採用手法のことです。自社の採用要件や企業文化をよく知る人から紹介してもらうので、マッチング精度の高い採用が期待できます。
採用に至った場合、紹介してくれた従業員にインセンティブとして報酬を支払うケースが多いです。ただし、職業安定法では労働者の募集にあたって報酬を与えることは原則禁止しているため、インセンティブを支払う場合は、賃金や給与として支払いましょう。
費用 |
1万〜30万円 |
メリット |
・自社の採用要件や求職者をよく知る人物から紹介を受けられる ・採用の工数やコストを削減できる |
デメリット |
・採用までに時間がかかる傾向にある ・人材の質が偏る可能性がある |
SNS採用
SNS採用は、SNSでの情報発信によって企業の認知度やブランド力アップを狙い、興味をもった求職者に直接ダイレクトメールなどで応募を促す採用手法です。
X(旧Twitter)、Instagram、YouTubeなどの一般的なSNSや、WantedlyやLinkedInなどのビジネスに特化したSNSを活用することが多い傾向にあります。
費用 |
無料 ※有料オプションあり |
メリット |
・ファンがつき、自社への志望度が高まる ・情報の拡散によって自社を知らない層にもリーチできる |
デメリット |
・興味をもってもらえるコンテンツを作り続けなければならない ・長期的に運用を継続できる人員と環境が必要 |
アルムナイ採用
アルムナイ採用とは、現役世代で中途退社した退職者を再雇用する採用手法です。本人に働き続ける意志があったものの、出産や育児、配偶者の転勤といったやむを得ない事情で退職した社員が「アルムナイ」に該当します。
アルムナイ採用を行うには、企業と元従業員をつなぐアルムナイネットワークを維持することが重要です。
費用 |
無料 |
メリット |
・マッチング精度が高い ・即戦力採用が期待できる |
デメリット |
・既存社員との格差が生まれると不満の原因になる ・離職へのハードルが下がる可能性がある |
ミートアップ採用
ミートアップ採用とは、共通の目的や興味をもつ人々が集まり、情報交換や交流をするイベントを通じて採用する方法です。
フリートークや勉強会、LT(ライトニングトーク)大会などのカジュアルな場から接点を持ち、自社への志望度や理解度を高めたうえで応募へと促します。
費用 |
無料 |
メリット |
・マッチング精度の高い採用が期待できる ・低コストで運用できる |
デメリット |
・採用担当者の業務負担が増える ・十分な集客ができない可能性がある |
ハローワーク
ハローワークとは、厚生労働省が運営している公共職業安定所のことです。全国500カ所に窓口があり、誰でも無料で利用できます。
費用 |
無料 |
メリット |
・広い世代の求職者にアプローチできる ・無料で利用できる |
デメリット |
・全国一斉募集ができない ・即戦力採用には不向き |
中途採用手法のトレンド

従来の中途採用では、年収や待遇面を重視する求職者が多い傾向にありました。しかし、近年は働き方が多様化し、仕事のやりがいやキャリアビジョンなどを重視する求職者が増えています。
このため、企業と求職者のマッチング精度を高める採用手法に注目が集まっています。
カジュアル面談
カジュアル面談とは、企業と求職者がリラックスしながら対話し、相互理解を深める機会です。選考の合否を出さないため、お互いに本音で話し合えます。
株式会社学情の調査によると、20代の求職者の8割がカジュアル面談の機会があれば参加したいと回答しました。企業側だけでなく、求職者にとってもメリットのある機会であることがわかります。
※参考:株式会社学情「転職意識調査レポート2024」
採用動画
企業の魅力や職場環境を伝えるための手法として、採用動画が注目されています。
1990年代半ばから2000年代に生まれたZ世代は、動画から情報収集することに慣れており、転職活動においてもその傾向が見られます。
採用動画では、社員インタビューやオフィス紹介など、テキストだけでは伝えきれない自社の強みや魅力を発信することが大切です。
中途採用を成功させるポイントは「特化型」の採用手法!
採用活動を成功させるには、採用ターゲットに適した採用手法を選ぶことが大切です。特に中途採用は、求めるスキルや経験、年齢層などによってアプローチ方法が異なるため、まずは採用要件を明確に設定しましょう。
また、採用活動を効率的に進めるには、特化型のサービスを活用するのがポイントです。特化型の媒体を選ぶことで、採用ターゲットにピンポイントでアプローチできます。
中途採用でお悩みの方は、ぜひ株式会社学情へご相談ください。

株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。