

近年、人材の獲得競争が激化し、人材確保が難しくなっています。企業の根幹を支える人材を確保するには、積極的な採用活動だけでなく、人材の流出を防ぐことも重要です。
本記事では、人材確保・定着を成功させるポイントや人材確保に関する取り組みについて詳しく解説します。
「求める人材が採用できない」「優秀な人材が定着しない」とお悩みの方は、参考にしてください。
人材確保とは?
人材確保とは、採用要件に適した人材を採用したり、長期的に活躍できるように労働環境を整備したりすることです。
優秀な人材を採用することは、事業の拡大だけでなく、一緒に働く社員にもポジティブな影響を与えてくれるといったメリットがあります。
採用した人材に長く活躍してもらうには、適切な配置・配属や評価、教育を行うことが大切です。ほかにも、労働条件や労働環境、福利厚生など、社員の働く環境を整備し、働きがいを実感できるような取り組みも必要です。
人材の定着率の向上は、無駄な採用コストの削減にもなります。
人材確保が難しい理由

人材確保が難しい理由は、次の通りです。
- 少子化による労働人口の減少
- キャリアに関する意識の変化
- 仕事に求める価値観の多様化
- 採用手法の多様化
人材確保が難しい理由について、詳しく解説していきます。
少子化による労働人口の減少
日本の労働人口は、1995年の8,716万人をピークに減少しており、2050年には5,275万人になると見込まれています。労働人口が減少すると、限られた人材を複数の企業が狙うため、人材獲得競争が激化します。
人材を募集しても求職者が集まりにくくなり、どんどん人材確保が難しくなるでしょう。
※参考:総務省「令和4年情報通信に関する現状報告」
キャリアに関する意識の変化
時代とともに、働き方に関する意識が変化しています。従来は、入社後にギャップを感じても、まずは働き続ける考えが主流でした。しかし、近頃はセカンドキャリアを早く決断する傾向があります。
早期の転職について、自分のキャリアの再形成やキャリアステップにつながるなど、ポジティブにとらえるようになっています。
優秀な人材を確保し、定着して長期的に活躍してもらうには、人材の適切な配置や評価、労働環境の是正などの取り組みが必要です。
仕事に求める価値観の多様化
労働者が仕事に求める価値観が多様化していることも、人材確保が難しい要因のひとつです。近年は、年収や福利厚生の充実だけでなく、働きがいや企業文化にも注目して転職先を選ぶ傾向が高まっています。
求める人材を採用するには、条件面を改善するだけでは競合他社に勝てません。企業独自の魅力や強みを発信し、求職者のニーズに応えることが大切です。
採用手法の多様化
新しい採用手法の登場は、選択肢の幅を広げてくれますが、どのように媒体を選べばいいのか、迷ってしまう方もいると思います。採用手法が採用ターゲットに適していないと、期待する効果を得られない可能性があります。
また、新しい採用手法を導入するには、知識やノウハウが必要です。便利な採用手法であっても、ノウハウやマンパワーが不足していて上手く使いこなせていないケースも少なくありません。
人材確保を成功させるために必要な取り組み

ただ求人広告を掲載するだけでは、求める人材を採用することは難しいでしょう。人材確保を成功させるには、自社に適した取り組みが必要です。
採用要件を明確にする
採用活動を効率良く進めるには、採用要件を明確にすることが大切です。
スキルや実績、資格などはもちろん、求職者の人柄や価値観などのパーソナリティに関する項目を細かく設定しましょう。採用ペルソナを設定すると、具体的にイメージしやすくなります。
採用要件を明確にすることは、企業と求職者のマッチング精度の向上につながります。
採用手法を見直す
人材確保が難航している場合は、採用手法を見直す必要があります。
大手求人サイトは登録者数が多く、幅広い求職者にアプローチできます。一方で、掲載企業数も多いため、求人情報が埋もれてしまうケースも少なくありません。採用ターゲットによっては、特化型の求人サイトの方が効率的にアピールできる場合があります。
たとえば、若手採用を目指すなら、20代転職に特化した「Re就活」がおすすめです。会員の93.3%が20代のため、採用ターゲットに効率良くアプローチできます。
企業の強みや魅力をアピールする
競合他社と差別化を図るには、企業の強みや魅力を洗い出すことが大切です。
年収や福利厚生だけでなく、研修や教育体制、入社後のキャリアステップ、職場の雰囲気などの情報も洗い出しましょう。
求人広告の原稿やスカウトメールでアプローチするのはもちろん、職場見学や先輩社員との面談などの機会を設けて企業の強みや魅力を伝えるのも効果的です。
カジュアル面談を実施する
マッチング精度の高い採用をするには、カジュアル面談の実施がおすすめです。
カジュアル面談とは、選考の前に企業と求職者がリラックスしながら対話してお互いの知りたい情報を交換する機会のことです。選考の合否は出さないため、面接では質問しづらいことも聞きやすくなります。
相互理解を深めることで、マッチング精度が高まり、早期離職のリスクの軽減につながります。
内定後にフォローを行う
内定辞退を防ぐには、内定後にフォローを行いましょう。内定を出しても、条件の良い他社に流れてしまうケースは少なくありません。
内定後のフォローでは、求職者の不安や悩みを解消するような対応を心がけます。たとえば、社員との面談や懇親会など、求職者の疑問に答える場を設けるのも効果的です。
求職者の志望度を維持することで、内定辞退の防止につながります。
人材を定着させる施策を行う
人材確保のためには、人材を定着させる施策を行うことも重要です。
人材を定着させる施策には、次のようなものがあります。
- 研修制度の充実を図る
- 評価制度を見直す
- 理想のキャリアパスを提示する
- 働き方の多様化に対応する
- 長時間労働を是正する
給与を上げるのも人材を定着させる施策のひとつですが、特定の人物だけ優遇すれば周囲から不満が出ます。誰にとってもやりがいが感じられる環境を作ることで、長期的に働きやすくなるでしょう。
人材確保の取り組み事例3選
優秀な人材の確保や流出を防ぐため、多くの企業で人材確保の取り組みが行われています。人材採用と定着の両面の事例について紹介します。
求人情報と実際の労働条件のギャップをなくす
応募数を増やすために、求人情報に記載する労働条件を実際のものより良く見せたり、曖昧に記載したりするケースがあります。
好条件の求人広告には応募が集まりやすいですが、掲載されている求人条件と、実際の労働条件にギャップがあれば、採用に至ってもすぐに辞めてしまいます。
求人情報は、正しく記載することが大切です。求職者の立場に立ち、求人情報を明確化することで、募集採用時のトラブルや早期離職を防げます。
採用者の受け入れ体制を整える
中途採用の場合、入社時期が分散しているため、孤立しやすい傾向があります。受け入れ体制が整っていないと「自分は受け入れられていない」と孤立感が強まり、早期離職のリスクが高まります。
採用者の孤立感を解消するには、採用者の配属先に受け入れ姿勢を指導し、会社やチーム全体の受け入れ体制を整えることがポイントです。採用者をあたたかく受け入れる姿勢を示すことで、早期退職の防止につながります。
育休前後の社員を対象とした面談制度を導入する
産休育休から復職しても、周囲の理解が得られずに退職してしまう場合もあります。結婚や出産後も長く働ける環境を整えるためには、休業制度だけではなく、周囲の理解をうながしたり、復職しやすい雰囲気を作ったりすることも大切です。
働きやすい環境作りとして、育児休業前後の社員を対象とした面談制度を導入し、仕事と育児の両立において障害となることを事前に確認したり、周囲の理解を得るためのフォローを行なったりする取り組みが行われています。
人材確保を成功させるには「Re就活」を活用しよう!
少子化による労働人口の減少や、人材獲得競争の激化により、人材確保が難しくなっています。企業が求める人材を確保するには、採用活動に注力するだけでなく、人材の定着率の向上も目指さなければなりません。
人材確保を成功させるには、20代のキャリア採用に特化した「Re就活」の活用がおすすめです。
「Re就活」では、「転職する」にしても、「転職しない」にしても、どちらも前に進むもの=「進職」だと考えており、転職を通じてなりたい自分の実現を目指す求職者と、企業の価値ある出会いをサポートしています。
人材確保にお困りの方は、株式会社学情へお問い合わせください。

株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。