中途採用のベストな時期とは?時期ごとの特徴と採用戦略を解説
2025.03.19


中途採用には、採用市場が活発になる時期と閑散期があります。採用活動を効率的に進めるには、採用時期の特徴を捉え、適切な戦略を立てることが重要です。
本記事では、採用時期の特徴や時期に応じた採用戦略について詳しく解説します。
中途採用のベストな時期はある?
中途採用市場における求職者数や求人数は、常に変動し続けています。また、景気や社会情勢の影響も受けるため、中途採用にベストな時期を断定することは難しいでしょう。
そのなかでも、中途採用市場が活発になる時期と閑散期があります。中途採用を成功させるためのポイントは、中途採用市場のトレンドを読み取り、適切な採用戦略を立てることです。
中途採用市場が活発になる時期

中途採用市場には、転職活動や採用活動が活発になる時期があります。採用を成功させるには、活動が活発になる時期を把握するだけでなく、背景も併せて確認することが大切です。
1月・2月:新年を迎えて転職意欲が高まる時期
1月・2月は新年を迎え、気持ちを新たに転職意欲が高まる時期です。年末年始の休暇もあり、仕事から離れてこれまでのキャリアを見直す時間もあります。
また、1月・2月から転職活動を始め、4月入社を目指す求職者もいます。4月は年度始まりの企業が多く、求職者にとっても区切りの良い時期です。
6月・7月:夏の賞与をもらってから転職活動を開始する時期
賞与をもらってから転職したいと考える求職者は少なくありません。そのため、ボーナス月である6月・7月は転職活動が活発になりやすい時期です。
また、4月に入社した新入社員が、環境や仕事内容にミスマッチを感じやすい時期でもあります。
企業にとっては、春の新入社員研修がひと段落つく時期なので、採用活動に集中しやすいでしょう。
9月・10月:上半期を終えてキャリアを考え直す時期
9月・10月は期の変わり目にあたり、これまでのキャリアや働き方を振り返る時期です。新入社員はある程度の経験を積み、将来のビジョンやキャリアに関する意識が変化しやすくなります。
また、冬の賞与後の転職を見据えて転職活動をスタートする人が増えます。
企業にとっては中途採用に注力しやすい時期です。新卒採用に苦戦し、第二新卒採用を開始する企業が増えています。
中途採用が落ち着く閑散期
中途採用市場には、転職活動や採用活動が活発になる時期がある一方で、それぞれの活動が落ち着く時期があります。しかし、閑散期だからといって、採用ができないわけではありません。
中途採用市場における閑散期の特徴について解説していきましょう。
4月・5月:年度始めは求職者と企業の活動が落ち着く時期
4月・5月は年度始めの時期であり、求職者だけでなく、企業の採用活動も落ち着く時期です。4月入社を目指していた層が転職活動を終え、一時的に求職者数が減ります。
企業側も新卒採用が本格的にスタートする時期であるため、中途採用を控える企業が増加する傾向にあります。
5月・8月:長期休暇のため求職者と企業の活動が停滞する時期
5月と8月はGWとお盆休暇があるため、求職者と企業の動きが停滞しやすいです。同じく、12月と1月も年末年始の休暇があるため、動きが鈍くなります。
求職者側は旅行や帰省などで転職活動が停滞し、企業側も休暇に入るため、選考が止まってしまいますが、休み明けには再び動き始めます。
12月・3月:繁忙期により求職者と企業の活動が鈍る時期
年末と3月の年度末は多くの業界が繁忙期を迎えるため、求職者と企業の動きが鈍くなりやすいです。また、年末年始の休暇もあり、転職活動をしても選考が止まってしまう可能性が高いでしょう。
年末については、忙しい時期に焦って転職するよりも、少し時期をズラして年明けから4月入社を目指そうと考える求職者も多くいます。
採用時期に適した採用戦略

中途採用が活発な時期と閑散期のどちらかを狙えば、確実に採用できるわけではありません。採用活動を成功させるには、採用時期に適した採用戦略を立てることが重要です。
中途採用市場が活発な時期を狙った採用戦略
中途採用市場が活発な時期は、求職者数だけでなく、採用活動をしている企業数も多いため、他社に流れるリスクが高まります。
この時期に採用活動を成功させるには、求職者に選んでもらえるような工夫が必要です。たとえば、ダイレクトリクルーティングを活用し、採用要件に適した人材に直接アプローチすることで、質の高い母集団形成ができます。
他にも、カジュアル面談の実施は、求職者の志望度の向上につながります。
中途採用市場が活発な時期を狙うメリット・デメリットは次の通りです。
メリット |
・求職者数が多く、母集団形成がしやすい ・多様な候補者から、自社に適した人材が選べる ・優秀な人材と出会える可能性が高い |
デメリット |
・求人数が多く、求人情報が埋もれてしまう可能性がある ・人材獲得競争が激しく、選考辞退や内定辞退を受けるリスクがある |
中途採用市場の閑散期を狙った採用戦略
閑散期だからといって、求職者がまったくいないわけではありません。積極的に採用活動をしている企業が少ないため、狙い目の場合もあります。
特に慢性的な人手不足や人材獲得競争が激しい業界などは、閑散期にも求人募集を出し続けた方が効率的に採用できることも少なくありません。
この時期の採用活動を成功させるには、長期休暇中に選考が停滞しないように、応募者対応を分担したり、面接の日程調整をしたりすることが大切です。
中途採用市場の閑散期を狙うメリット・デメリットは次の通りです。
メリット |
・人材獲得競争が落ち着いている ・求人数が少なく、求人情報が埋もれにくい |
デメリット |
・応募が減少する ・長期休暇をはさむため、選考が滞る |
通年で中途採用を行う選択肢もある
通年採用とは特定の時期に限らず、年間を通じて採用活動をする方法です。業界や職種によっては繁忙期や閑散期を狙った採用活動よりも、通年採用のほうが良いケースもあります。
医療業界や建設業界などの人材不足が深刻な業界では、通年採用をしたほうが効率的に採用活動を行えるでしょう。また、プログラマーやエンジニアなどのIT系の職種もニーズが高いため、長期的な採用のほうが成果を得やすい傾向にあります。
中途採用の採用スケジュールの立て方
中途採用における採用スケジュールの立て方は次の通りです。
- 採用要件を明確にする
- 採用手法を選定する
- 選考を進める
- 内定〜入社
採用スケジュールの立て方について、詳しく解説します。
1. 採用要件を明確にする
採用したい人物像を明確に設定しましょう。
採用要件を明確にするには、各部署のリーダーやマネージャーとコミュニケーションを取り、採用する人材の経歴や能力・スキルセットなどを詳細に把握することが大切です。採用要件が決定したら、選考に関わる経営陣や社員と情報を共有します。
2. 採用手法を選定する
採用ターゲットや募集時期に適した採用手法を選定します。
たとえば、中途採用市場が活発な時期は求人情報が埋もれやすいため、ダイレクトリクルーティングを活用し、求職者に直接アプローチするのもひとつの方法です。
反対に、閑散期は掲載企業数が減り、情報が埋もれにくいため、求人サイトを活用するのも良いでしょう。
3. 選考を進める
人材獲得競争が激しいなかで人材を獲得するには、選考スピードを速めるのがポイントです。
選考スピードが遅いと、他社に流れてしまう可能性があります。合否通知や内定出しも同様に、なるべく早く連絡するようにしましょう。また、面接日の日程調整も日にちが空かないように注意が必要です。
4. 内定〜入社
内定を出した後は、内定辞退を防ぐためにフォローを行います。
求職者の不安や疑問を払拭するために、面談や社内見学を実施するのがおすすめです。内定後も転職活動を続ける求職者は多いため、入社までフォローを続けることが大切です。
中途採用のトレンド時期に合わせた採用を目指すなら「Re就活」がおすすめ
採用市場には、繁忙期と閑散期があります。求職者が増える繁忙期はより多くの応募数が期待できます。採用競合が多いので、ダイレクトリクルーティングを活用し、求職者に直接アプローチすると効果的です。
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株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。