HR用語の基礎知識
働く環境の改革を図る上で、ワーカホリックの問題は避けて通れません。ワーカホリックの問題があると、さまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。
しかし、ワーカホリックという言葉を聞いたことがあっても、どのような意味を持ち、なぜ対策しなければならないのか詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
本記事ではまず、ワーカホリックがどのようなものか詳しく解説します。さらに、ワーカホリックになりやすい人の特徴や具体的な対策も紹介します。
ワーカホリックとは、プライベートより仕事を優先して、ときには自分の健康を害してまで休みを取らずに働き続けてしまう状態や人を指します。
ワーカホリックという言葉は、英単語で仕事という意味の「Work」と、アルコール中毒を意味する英単語「Alcoholic」を組み合わせた造語です。日本語では「仕事中毒」を意味します。
ワーカホリックになると体調を崩したり、精神的な問題を抱えたりするケースも見られます。
休みなく仕事をしていても、病気になってしまうと業務効率が下がります。精神的にも余裕がなくなり、新しいアイディアが出にくくなることもあります。ワーカホリックになってしまった場合は、早めに対処して治すことが重要です。
ワーカホリックになることで生じる大きなデメリットは、健康状態の悪化と人間関係の悪化です。それぞれを詳しく解説します。
ワーカホリックは、仕事をしなければならないという強迫観念から受動的な姿勢になりがちです。長期にわたって強迫観念に囚われている状態は、体調不良やメンタル面での病気につながります。
そこで、業務に意味付けすると、受動的ではなく能動的に取り組めるようになるでしょう。たとえば「この仕事は自信の成長やスキル向上につながる」「この目標を達成すれば自社に貢献できる」などです。
業務に意味づけをすると、自己肯定感をアップさせ、ワーカホリックの対策になります。
企業が定期的に従業員のメンタルヘルスチェックを行い、早期発見の仕組みを整えるのも効果的です。
必要であれば専門家によるカウンセリングを提供し、従業員が適切な方法でストレスを管理できるようにします。相談できる窓口を社内に設置するのもよいでしょう。
また、厚生労働省のストレスチェック制度の実施を検討するのも一つです。労働安全衛生法の改正により、労働者のメンタルヘルス不調のリスク軽減を目的としてストレスチェック制度が導入されています。
労働安全衛生法では、常時50人以上の従業員がいる職場では1年に1回、ストレスチェックの実施が義務付けられています。
社内研修を実施して、ワーカホリックに対する知識や理解を深めましょう。社内の人々がワーカホリックを正しく理解していない状態では、予防や対策を行っても意味がありません。ワーカホリックとはどのようなものかを理解した上で、仕事に対する捉え方やタイムマネジメントの教育を行いましょう。
ワーカホリックの人は、課題の整理や解決が苦手な傾向があります。社内研修を通じて、仕事に対する基本的な考え方や効率的な課題解決方法を学ぶことが、ワーカホリックの予防につながります。企業全体の意識改革を目指して、社内研修を実施しましょう。
ワーカホリックの人は、仕事に過度に集中するために休息や人間関係を疎かにする傾向があり、健康状態や人間関係が悪化するリスクがあります。
企業はメンタルチェックや社内研修を通じて予防や対策を行うことが重要です。
しかし、ワーカホリックの対策は個人が自ら意識して行動に移すことがポイントになります。こちらの記事で紹介した予防策と対策をぜひ実践してみてください。