
OJTがうまくいかない主な理由として、マニュアル未整備・指導担当者の訓練/評価不足・時間不足の3点が挙げられます。まずは現状を分析し、どの理由が該当するのか突き止めることが大切です。
本記事では、OJTの失敗事例や成功事例を紹介します。また、OJTを成功させるコツを新卒・第二新卒に分けて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
OJTがうまくいかない3つの理由と失敗事例

OJTがうまくいかない理由としては、以下の3つが挙げられます。
- OJT実施マニュアルが整備されていない
- 指導担当者の訓練・評価が適切に実施されていない
- OJTの実施に十分な時間が取れていない
失敗事例も紹介しつつ、それぞれの理由について解説します。
OJT実施マニュアルが整備されていない
OJTの実施マニュアルが整備されていないと、次のような問題が生じやすくなります。
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失敗事例 |
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OJTの内容は、指導担当者が自由に決めるものではありません。人事や現場が話し合ってOJTの実施マニュアルを整備し、作成したマニュアルに沿って進めることが大切です。
OJTの実施マニュアルが整備されていないと、指導担当者によって指導内容にばらつきが生じます。対象者の成長が指導担当者のスキルによって左右され、OJTで身に付けるべきスキルを習得できず、終了後に指導対象者が一人で業務をこなせない可能性もあります。
また、OJTの実施マニュアルは、作成するだけでは不十分です。経営陣や人事など、現場以外の関係者がマニュアルの内容を理解していない場合、現場業務と企業方針が噛み合わず、期待するような効果を得られにくくなることがあります。
指導担当者の訓練・評価が適切に実施されていない
指導担当者が十分に訓練されていない場合や、評価が適切に実施されていない場合も、OJTがうまく機能しない可能性があります。
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マニュアルさえあれば、スムーズにOJTを実施できるわけではありません。指導担当者がマニュアルの意図を理解し、どのように指導するか具体的な指導方法を教わっていなければ、担当者ごとにOJTの内容に差が生じます。すべての対象者を適切に指導するためにも、担当者はマニュアルに沿った訓練を受けることが必要です。
また、担当者を適切に評価することも重要です。評価する仕組みが構築されていないと、担当者はモチベーションを保てず、OJT関連の業務が疎かになるかもしれません。担当者のやる気が低下すると、OJTのクオリティが低下し、対象者の成長につながらない可能性もあるでしょう。
OJTの実施に十分な時間が取れていない
OJTは十分な時間をかけて実施することが必要です。時間が十分ではない場合、以下のような失敗につながることもあります。
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通常業務が忙しく、OJTの実施に時間が取れないこともあるでしょう。しかし、通常業務に追われてOJTが後回しになっていると、担当者・対象者ともに落ち着いてOJTに取り組めず、対象者の学びも少なくなってしまいます。
OJTは対象者にとって大切な学びの機会であり、決して疎かにして良いものではありません。OJTの効果を高めるため、通常業務を減らすなどしてOJTに専念できる時間を確保し、担当者・対象者ともに時間をかけて取り組めるようにしておきましょう。
OJTの時間を十分に確保できない場合、対象者は疑問があっても質問しづらく感じる可能性があります。指導者側からのフォローも疎かになり、対象者のモチベーションが低下してしまうケースもあるでしょう。また、担当者と対象者の間に信頼関係を構築しにくくなります。結果として心理的安全性が損なわれ、企業への愛着低下につながる恐れもあります。
【新卒】OJTを成功させるコツ

OJTを成功させるためには、対象者に合わせた指導マニュアルを作成し、十分な時間を確保して実施することが重要です。とくに新卒を対象とする際には、以下のようなコツを意識するとOJTを成功させやすくなります。
- 業務ごとの意味や目的を詳しく説明する
- 個人目標を設定する
- こまめにフィードバックを与える
- 相談しやすい環境を構築する
それぞれのコツを見ていきましょう。
業務ごとの意味や目的を詳しく説明する
新卒社員を対象にOJTを実施する際には、業務ごとに意味や目的を詳しく説明しましょう。なぜその業務が必要か、ほかの業務とどのようなつながりがあるのかなどを詳しく説明すれば、新卒社員のモチベーションを保ちやすくなります。
社会人経験のある第二新卒やキャリア(経験者)人材なら、OJTで実施する業務の意味や目的を想像できるでしょう。しかし、新卒社員はそうではありません。その業務がなぜ必要か、また、どのような意図で実施しているのかを理解できず、OJTの意味を見いだせない可能性があります。
個人目標を設定する
個人の能力や習得スピードに合った目標を設定することも大切です。一律で目標を設定してしまうと、対象者によってはハードルが高すぎて、モチベーションを維持できなくなることがあります。
また、対象者の習得スピードが速すぎる場合も問題です。簡単に目標を達成できてしまうため、OJTに対するモチベーションを維持できないばかりか、業務そのものへの熱意も失ってしまう恐れがあります。
個人目標は「目標管理シート」を用いて設定・管理すると良いでしょう。こちらのリンクでは目標管理シートの書き方や目標設定の方法を紹介しています。ぜひご覧ください。
こまめにフィードバックを与える
OJTを実施するだけでなく、担当者が対象者にこまめにフィードバックを与えることも大切です。感想だけでなく、改善点や良かった点を具体的に伝えると、対象者の学びが深まり、より高い成果につながります。
新卒社員はOJTを初めて受ける人が多いため、対応するだけで手一杯になり、「学び」や「気づき」を得る余裕がない可能性があります。担当者がこまめにフィードバックを与えれば、新卒社員はOJTの経験を客観視でき、より多くの学びや気付きを得られるでしょう。
相談しやすい環境を構築する
OJTからの学びを深めるためにも、対象者が疑問を感じたときにすぐに相談できる環境を構築することが大切です。たとえば、OJTの開始時や終了時に担当者が「質問はありますか?」と尋ねたり、普段から対象者と密にコミュニケーションを取り、気軽に質問できる雰囲気にしたり、工夫するとよいでしょう。
同時に、担当者が「相談されやすい」環境づくりも大事です。対象者が質問をしようとしても、担当者に十分な時間がなければ対応できません。担当者の通常業務を減らす、複数の担当者を配置するなどの工夫が必要です。
人材育成の方法として、担当者と対象者が1対1で向き合うメンタリングも検討できます。こちらのリンクでは、メンタリングとOJTの違いや導入手順を解説しています。ぜひご一読ください。
【第二新卒】OJTを成功させるコツ

第二新卒を対象にOJTを実施する際には、以下のコツを意識しましょう。
- 事前にスキルや希望を確認する
- 動画やeラーニングを併用する
- 過保護にしすぎない
- 実戦で経験を積ませる
いずれもOJTを成功させるために欠かせないコツです。順に見ていきましょう。
事前にスキルや希望を確認する
対象者に合わせたOJTを実施するためには、事前に希望を確認しておくことが大切です。OJTの内容を対象者の希望に沿ったものにすれば、モチベーションを維持しやすくなるだけでなく、積極的な学びを実現でき、より高い成果につながります。
第二新卒の研修は、新卒より短期間になることが一般的です。あらかじめ対象者のスキルを確認しておけば、内容の重複を回避でき、OJTの期間を短縮しやすくなります。
動画やeラーニングを併用する
動画やeラーニングを併用し、効率よく研修を進めていきましょう。
OJTは実務を通して学ぶ研修方法です。より具体的に学べる点はメリットですが、ほかの研修方法と比べると時間がかかる傾向があります。社会人経験のある第二新卒なら、新卒と比べて理解・習得のスピードが速いと考えられるため、短期間で学べるよう動画やeラーニングなど効率の良い方法を組み合わせましょう。
過保護にしすぎない
OJTの内容はよく練られたものであるべきですが、一から十まで懇切丁寧に教えるスタイルでは、対象者が自分で考えなくなってしまいます。対象者が主体的に考え、自分で行動できるよう、過保護にしすぎないように注意してください。
たとえば、法人営業のOJTの場合なら、自社商品・サービスの訴求ポイントや売り込みの流れだけはあらかじめ共有しておき、ほかの部分については対象者が自由にアピールできるようにしておきます。対象者が自分の言葉で話すことで営業トークが自然なものになり、より説得力のある営業活動ができるでしょう。
実戦で経験を積ませる
年収アップを目指して転職する方も多いですが、社会人経験3年未満の第二新卒は、やりがいや達成感を求めて転職しているケースが多い傾向にあります。やりがいを感じながら働いてもらうためにも、OJTで実戦経験を積ませることが大切です。

参照:第二新卒の転職理由は「もっとやりがい・達成感のある仕事をしたい」が最多
20代が93.3%を占めるRe就活の会員層であれば、社会人基礎力があり、育成コストと研修工数の削減を実現できます。短期間のOJTでも効率良く必要なスキルを習得できるため、研修に多くの時間や人手を割くのが難しい企業にも適しているといえます。
伴走型の学情なら、若手採用、若手育成の万全なサポートが可能です。お気軽にご相談ください。
OJTにより新入社員の育成を強化した企業事例

OJTを通して新卒・第二新卒の育成を強化した企業は少なくありません。新入社員の研修にOJTを採り入れ、育成の強化に成功した企業事例を紹介します。
社員のバックグラウンドに配慮したOJTを実施|日野自動車株式会社
日野自動車株式会社では「事務系総合職」を募集しています。事務系総合職とは、特定の部署に限定するのではなく、本人の希望や適性を踏まえて配属先を決定する柔軟性の高い職種です。幅広い業務に関心を持つ人材を採用できるだけでなく、社内の課題に応じた配置ができる点も特徴です。
事務系総合職は、社会人経験1年以上を条件としています。採用後の育成研修は新卒のように一律の内容ではなく、個人のスキルや経験、配属部署での業務内容に応じて調整されるOJTが中心です。現場には「第二新卒である」と伝え、社員のバックグラウンドに配慮した育成体制を整えるようにサポートしています。
売り手市場が続くなか、新卒採用だけで必要な人員数を確保するのは容易ではありません。今後もより一層重要な位置づけとなる第二新卒採用を成功させるためにも、日野自動車株式会社では社員のバックグラウンドに配慮したOJTを重視しています。
個人のスキルに応じた研修でスムーズなステップアップ|KCJ GROUP 株式会社
こども向け職業・社会体験施設「キッザニア」を運営するKCJ GROUP 株式会社では、従来、パビリオンでこどもを迎えるスーパーバイザー職の人材を新卒採用によって確保してきました。スーパーバイザーは企業の顔となるだけでなく、こどもに仕事の意義や本質を伝える役割を担う重要な職です。
スーパーバイザー職の採用人数拡大にともない、2024年度以降は新卒だけでなく第二新卒にも対象を広げています。第二新卒はビジネスマナーが身についている方も多く、研修による吸収もスムーズです。第二新卒ならではのアドバンテージを活かし、なおかつスムーズなステップアップを促すためにも、KCJ GROUP 株式会社では等級やランクに応じて個別の研修を提供するように制度を整えています。
専属講師によるマンツーマンの指導|パスクリエイト株式会社
オンラインスクール事業やHR事業などを手掛けるパスクリエイト株式会社では、通常の採用活動に加え、未経験者を対象とした研修生ポジションの採用活動も実施してきました。研修生ポジションとして採用されると、たとえば一定の経験が求められる傾向にあるITやWeb関連業務においても専門職としてのキャリアの道が開かれます。
入社後研修は、効率良く専門性を高めるために知識と実務を同時に身に付けていくスタイルです。一人ひとりに専属の講師がつくマンツーマン指導や、IT業界の基礎知識や用語を学ぶ座学、実際に手を動かして学ぶOJTの一種であるハンズオン研修などを併用し、実践的なスキルの習得を目指します。
また、パスクリエイト株式会社の研修は、特定の職種に絞らずに実施される点も特徴です。対象者の興味や適性が変わった場合にはその都度方向転換が可能なため、やりたいことが明確に定まらない新卒・第二新卒の方にも広く門戸が開かれています。
20代の採用はRe就活・Re就活キャンパスにご相談ください

OJTがうまくいかないときは、実施マニュアルと指導担当者、研修時間を見直してみましょう。実施マニュアルが整備されていない場合や指導担当者の訓練・評価が適切ではない場合、あるいは十分な時間が取れていない場合には、OJTがうまくいかなくなる可能性が高まります。
OJTを成功させるためには、新入社員のバックグラウンドに配慮したプログラムを組むことも大切です。新卒と第二新卒が有する特性を理解し、社員ごとに適切な目標を設定したうえで、適切な研修プログラムを構築しましょう。
即戦力となる第二新卒の採用には、ぜひRe就活をご検討ください。Re就活は会員数280万人のうち93.3%が20代と、若い戦力を求める企業様向けの転職サイトです。第二新卒なら社会人としての経験があるため、より効率良くOJTを進められます。
また、戦力になる学生と出会えるRe就活キャンパスもおすすめです。新卒は入社後の方向性が定まりにくい傾向にありますが、Re就活キャンパスでは応募者一人ひとりと直接コンタクトを取りつつ採用活動を進められるため、ミスマッチを回避しやすくなります。
伴走型の学情では、若手人材の採用だけでなく育成過程を見据えたサポートを提供いたします。お気軽にご相談ください。

株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。