

近年、新卒採用の手法が多様化しています。新卒採用を成功させるには、従来の手法を踏襲しつつ、自社の採用課題に適した新たな手法を導入するのが効果的です。本記事では、新卒採用に適した手法やそのメリット・デメリットについて紹介します。
新卒採用手法の比較一覧
従来の新卒採用では、求人サイトの活用が主流でした。しかし、近年は求人サイトを主軸に、複数の採用手法を組み合わせるケースが増えています。
新卒採用手法の比較一覧で、採用手法の特徴をおさえましょう。
採用手法 |
採用コスト |
母集団 |
マッチング精度 |
採用工数 |
就活サイト |
◯ |
◎ |
◯ |
◯ |
人材紹介 |
△ |
△ |
◎ |
◎ |
合同企業セミナー |
△ |
◎ |
◯ |
△ |
ダイレクトリクルーティング |
◯ |
◯ |
◎ |
△ |
リファラル採用 |
◎ |
△ |
◎ |
◯ |
SNS採用 |
◯ |
△ |
◯ |
◯ |
オウンドメディアリクルーティング |
◯ |
△ |
△ |
△ |
ミートアップ採用 |
◎ |
◯ |
◎ |
◯ |
新卒採用におすすめの採用手法8選

新卒採用におすすめの採用手法と、それぞれのメリット・デメリットを解説します。採用手法を選ぶ際の参考にしてください。
就活サイト
就活サイトとは、学生の就職活動をサポートするサイトのことです。
多くの学生は、就活サイトを使って求人情報の検索や閲覧、会社説明会や選考、インターンの応募、エントリーシートの作成などを行います。
また、企業側も就活サイトを主軸に採用活動を実施しているケースが多いです。
費用 |
80万〜200万円(通年) |
メリット |
・多くの学生が利用しており、母集団形成がしやすい ・上手く活用すれば採用単価がおさえられる |
デメリット |
・採用に至らなくても費用がかかる ・求人情報が埋もれてしまう可能性がある |
人材紹介
人材紹介とは、人材紹介会社に採用要件を伝え、要件に適した人材を紹介してもらうサービスです。中途採用のイメージが強いですが、新卒採用向けの人材紹介を行っている紹介会社もあります。
費用は成果報酬型が主流ですが、中途採用よりも報酬額が低く設定されていることが多いです。採用するまで費用がかからないので、学生をじっくり見極められます。
費用 |
一律50万〜100万円 |
メリット |
・採用要件に適した人材を紹介してもらえる ・採用するまで費用がかからない |
デメリット |
・採用単価が高くなりやすい ・大人数を採用するのには向いていない |
合同企業セミナー
合同企業セミナーとは、新卒採用を行っている企業が集まり、会社説明や面談などを行うイベントのことです。合同説明会(合説)や就活フェアなどとも呼ばれます。
応募する企業や業界が決まっていない学生にも積極的にアプローチできます。また、直接コミュニケーションが取れるため、仕事内容やキャリアビジョンがイメージしやすいのも大きなメリットです。
新卒採用の合同企業セミナーなら「就職博」がおすすめです。年間を通して全国各地で開催しています。
費用 |
30万〜100万円(1日あたり) |
メリット |
・自社のことを知らない学生にもアプローチできる ・仕事内容や企業文化を伝えやすい |
デメリット |
・出展や準備に費用がかかる ・イベントを運営する人員が必要 |
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、企業が求職者に直接アプローチする採用手法のことです。自社を知らない学生や就職先に悩んでいる学生にも積極的にアプローチできます。
就活サイト「Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)」では、学生が登録しているアバター(キャラクター)・自己診断した性格タイプ・就職活動の進捗度(ランク)の情報をもとに、採用要件に適した人材を抽出し、スカウトメールを送れます。
また、通年採用型サービスにリニューアルしたことで、全学年を対象にアプローチできるようになりました。
費用 |
130万〜250万円(通年) |
メリット |
・マッチング精度の高い出会いが期待できる ・自社のことを知らない学生にもアプローチできる |
デメリット |
・採用担当者の負担が増える ・採用のノウハウが必要 |
リファラル採用
リファラル採用とは、従業員から採用要件に適した人材を紹介してもらう採用手法のことです。大学やサークルの後輩、友人を紹介するケースが多くみられます。
リファラル採用では、自社の採用要件や企業文化をよく知る人から紹介してもらうので、マッチング精度の高い採用が期待できます。
採用に至った場合、紹介してくれた従業員にインセンティブとして報酬を支払うケースが多いです。ただし、職業安定法では労働者の募集にあたって報酬を与えることは原則禁止されているため、インセンティブを支払う場合は、賃金や給与として支払いましょう。
費用 |
1万〜30万円 |
メリット |
・自社の採用要件や求職者をよく知る人物から紹介を受けられる ・採用の工数やコストを削減できる |
デメリット |
・採用までに時間がかかる傾向がある ・人材の質が偏る可能性がある |
SNS採用
SNS採用は、SNSでの情報発信によって企業の認知度やブランド力アップを狙い、興味をもった求職者に直接ダイレクトメールなどで応募を促す採用手法です。
1990年代半ばから2000年代に生まれたZ世代は、SNSを使って情報収集する傾向があるため、企業に興味を持ってもらうきっかけ作りに適しています。
費用 |
無料 ※有料オプションあり |
メリット |
・ファンがつき、自社への志望度が高まる ・情報の拡散によって自社を知らない層にもリーチできる |
デメリット |
・興味をもってもらえるコンテンツを作り続けなければならない ・長期的に運用を継続できる人員と環境が必要 |
オウンドメディアリクルーティング
オウンドメディアリクルーティングとは、自社が所有するメディアを使った採用手法のことです。主に採用ホームページや採用動画、noteのような外部のプラットフォームを活用する方法などがあります。
募集情報だけでなく、社員が働く理由や新しい取り組みについてのインタビュー、役員の考え方などを発信することで、学生の企業理解を深められます。
費用 |
100万~300万円程度 ※依頼する範囲や媒体によって変動 |
メリット |
・企業理解を深められる ・マッチング精度を高められる |
デメリット |
・マーケティングやSEOなどについての運用ノウハウが必要 ・短期的な運用では効果が低い |
ミートアップ採用
ミートアップ採用とは、イベントや交流会を通じて企業文化や魅力などの理解を深める採用手法のことです。合同企業セミナーとは異なり、少人数で開催するため、学生一人ひとりと深くコミュニケーションが取れます。
新卒採用では、企業説明会とミートアップをセットで実施し、選考を希望する学生に詳しい情報を案内するケースが多いです。
費用 |
無料 |
メリット |
・マッチング精度の高い採用が期待できる ・低コストで開催できる |
デメリット |
・採用担当者の業務負担が増える ・集客できない可能性がある |
新卒採用手法のトレンド

従来の新卒採用では、就活サイトや合同企業セミナーが主流でした。しかし、売り手市場が続き、従来の採用手法だけでは学生を獲得するのが難しくなっています。
そのため、採用市場では「ダイレクトリクルーティング」を活用し、企業側から求職者へ積極的にアプローチする動きが活発です。
また、大量の応募を獲得するよりも、採用要件に適した学生との出会いや、プロセスごとのフォローやクロージングを重視する傾向もあります。
カジュアル面談
カジュアル面談とは、企業と求職者がリラックスしながら対話し、相互理解を深めるための機会のことです。選考の合否を出さないため、お互いに本音で話し合えます。
株式会社学情の調査によると、就職活動で「ミスマッチに不安がある」との回答が8割を超えました。また、ミスマッチを防ぐために重視したい項目は「会社の雰囲気・カルチャー(69.5%)」が最多で、次に「仕事内容・配属先(65.2%)」でした。
マッチング精度の高い採用を行うには、カジュアル面談を通じて、相互理解を深めることが大切です。
※参考:株式会社学情「2025年卒学生の就職意識調査(ミスマッチ)2024年2月版」
オープン・カンパニー
オープン・カンパニーとは、企業や就職情報会社、大学のキャリアセンターなどが主催するキャリア形成支援プログラムのことです。
大学1年生から参加でき、学生に企業や業界、職種などの理解を深めてもらうことを目的としています。そのため、選考の案内や面接など、採用活動にはつなげられませんが、自社や業界のことを知ってもらうきっかけを作れます。
特に知名度の低い中小企業にとっては、自社を知ってもらうチャンスです。
株式会社学情の調査によると、学生のオープン・カンパニーへの参加予定社数は「3〜5社(24.7%)」が最多で、次いで「10社以上(12.0%)」が多い結果でした。この結果から、多くの学生がオープン・カンパニーへの参加を検討していることがわかります。
※参考:株式会社学情「2026年卒学生の就職意識調査(インターンシップ参加)2024年7月版」
オンライン採用
オンライン採用とは、オープン・カンパニー、インターンシップや会社説明会、面接などをオンラインで行うことです。オンライン採用を導入することで、応募や参加のハードルを下げられます。
株式会社学情の調査によると、学生が参加したインターンシップ等の形式で最も多かったのは「対面・オンラインの両方(70.3%)」でした。また「オンライン形式のみ」は18.5%で、「対面形式のみ」よりも多く、オンライン形式の方が参加しやすいことがわかります。
※参考:株式会社学情「2025年卒学生対象 就職活動意識調査レポート【2024年6月発表】」
新卒採用を成功させるにはマッチング精度を高める手法を取り入れよう!
売り手市場が続き、従来の採用手法だけでは十分な母集団形成が難しくなっています。そのため、近年は、応募数よりも学生の質や企業とのマッチング精度を重視する傾向が強まり、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用を導入する企業が増えています。
ダイレクトリクルーティングなら、インターンシップ・就職情報サイト「Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)」がおすすめです。
「Re就活キャンパス」なら、求める人物像に適した学生を独自の検索条件によって抽出し、スカウトメールが送れます。
新卒採用でお悩みの方は、株式会社学情へお問い合わせください。

株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。