第二新卒向けの研修を実施するべきか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。社会人経験を持っていても、第二新卒向けの研修は必要です。
本記事では、研修の必要性や導入にあたってのポイントなどについて解説します。第二新卒向けの研修を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
第二新卒とは?
第二新卒とは、社会人経験3年未満で25歳以下の人材のことです。働く意欲や成長意欲の高い人が多く、近年は多様な人材を採用するために、第二新卒採用を開始・拡大する企業が増えています。
求職者側も、早期転職が自身のキャリアの再形成やキャリアステップにつながっていくと考えている方が多く、転職をポジティブにとらえている傾向があります。
第二新卒を採用するメリット
第二新卒を採用するメリットは、次の通りです。
- 新卒採用で充足できなかった採用枠を補填できる。
- 高齢化が進む企業の新陳代謝を高められる。
- 将来の幹部候補となり得る人材の採用が期待できる。
- セカンドキャリアを最終キャリアにする傾向があり、長期的な活躍が期待できる。
人材不足を補填するだけでなく、ポテンシャルの高い人材を採用するために、第二新卒まで採用枠を広げる企業が増えています。
第二新卒を採用するデメリット
第二新卒採用には、メリットがある一方で次のようなデメリットもあります。
- 社会人経験が浅く、即戦力として採用するのは難しい。
- 未経験者が多く、業界・職種に関する知識や経験を身につけなければならない。
- 前職の経験があるため、企業文化に慣れるまでに時間がかかる。
- 研修を通して企業になじめるようサポートやフォローが必要。
第二新卒の転職は、キャリアチェンジとなる場合が多く、基本的な知識を身につける研修を実施しなければなりません。
第二新卒の研修が重要である理由
第二新卒を活躍できる人材に育てるためには、研修制度を整えることが大切です。第二新卒向けの研修が重要である理由について解説していきます。
企業文化を理解するため
第二新卒は短期間とはいえ社会人経験を持っているため、研修や教育は必要ないという考えもありますが、新しい環境に適応するには、企業文化を浸透させるための研修が必要です。
第二新卒のなかには、前職の経験や価値観を引きずり、ひとりで突っ走ってしまう人もいます。仕事を独断で進めれば周囲に迷惑がかかったり、悪影響をおよぼしたりするかもしれません。
企業文化は、企業と社員とが共有する価値観であり行動規範でもあるため、それを理解することで企業に合った働き方ができるうえ、社の雰囲気にもなじみやすくなります。
自身が持つスキルや強みを理解するため
第二新卒のなかには、自身が持つスキルや強みを理解していない人も少なくありません。
研修を通じて自身が持つスキルや強みを理解することで、新しい環境でも自信を持って働けるだけでなく、キャリアプランや目標が明確になります。
また、長期的に活躍するイメージを持ちやすくなり、早期退職の防止にもつながります。
社内でのコミュニケーションを深めるため
第二新卒採用は通年採用のため、新入社員によって入社時期が異なります。そのため、いきなり現場に入っても周囲とコミュニケーションが取れず、新しい環境に慣れるまで時間がかかってしまうケースが多くあります。
研修を実施することで、同期や先輩社員とコミュニケーションが取れ、仲間意識が生まれやすくなります。
業務に必要な知識を習得するため
第二新卒採用における求職者の多くは、キャリアチェンジのため、未経験からのスタートです。業務に必要な知識を基礎から学ばなければならず、OJTだけでは不十分な可能性があります。
OJTだけでなく、必要に応じて座学やワークショップ形式などの研修を取り入れることが大切です。
第二新卒の研修を成功させるポイント
第二新卒の研修を検討されている方のなかには「どこまで研修を手厚くすればいいのか」と悩まれている方も多いでしょう。第二新卒の研修を成功させるポイントについて解説していきます。
ビジネスマナーの基礎を学び直す
前職でビジネスマナー研修を受けていなかったり、受けていても自社の考え方と異なったりする場合は、ビジネスマナーの基礎を研修で学び直さなければなりません。
ただし、一定の社会人スキルを持っている方であればOJT研修で対応できるでしょう。
中長期的な目標や課題を設定する
研修を実施する際は、中長期的な視点を持ち、目標や課題を設定します。
目標や課題を明確にして、研修の軸がブレないように注意してください。中長期的な目標や課題を設定することで、長く活躍するイメージを持ちやすくなります。
また、キャリアビジョンが明確になり、早期離職の防止にもつながります。
定期的にフォローアップを行う
研修を実施するだけでなく、定期的にフォローアップを行うことも大切です。
フォロー面談では「仕事や人間関係で不安に感じていることはないか」「今後のキャリアビジョンが明確になっているか」など、新入社員の不安や悩みに寄り添ったフォローを行います。
直属の上司では本音で話しづらい場合は、人事担当者がフォローアップを行うと良いでしょう。
不安や悩みを迅速に把握し対策を講じることが、問題の早期解決につながります。
第二新卒採用は4月入社がおすすめな理由
株式会社学情では、第二新卒採用の4月入社をおすすめしています。第二新卒の4月入社がおすすめな理由について詳しく解説していきます。
入社後の研修を一括でできる
第二新卒を新卒と同時期に入社させることで、入社準備から研修を一括でできるようになり、入社準備や研修にかかる業務負担を軽減することが可能です。
入社時期が分散していると、入社のたびに研修を行わなければなりません。業務負担が大きく、研修や教育にリソースが割けない場合、結果的に現場頼みになってしまいます。
OJTには研修コストが抑えられるメリットがある一方で、指導者の負担が大きく、指導スキルに結果が左右されるデメリットもあります。
効果的なOJTを行うには、OJTの目標立てや実施方法などの設定が必要です。
たとえば、配属のタイミングを四半期ごとにすることで、事業部としての研修が一括にまとめられます。随時入社の社員が多くても、配属のタイミングは同じなので仲間意識が芽生えやすいのもメリットのひとつです。
未経験・経験不足の不安を新入社員研修で解消できる
第二新卒は社会人経験が浅いため、ゼロから教育してもらえる環境をメリットととらえています。
とくに第二新卒の転職は、多くがキャリアチェンジであるため、業界や職種に関する基礎が学べる環境は、大きな安心材料のひとつです。
研修が不十分だと新入社員の成長が遅れるだけでなく、不安感が強くなり、早期離職につながる可能性があります。長期的に活躍する人材を育成するためにも、新入社員研修の実施が重要です。
たとえば、数カ月にわたる営業研修は、ビジネスの流れや商品についての理解を深めることに加え、社内での関係性づくりにもつながります。
新卒同期と仲間意識が持てる
4月入社であれば、新卒同期と仲間意識を持って研修に取り組めます。
入社時期が分散していると、同期がいないことが多く、入社後に不安を感じたり、孤立したりすることが少なくありません。
新卒と入社時期を合わせることで、年齢や経歴が異なっても仲間意識が持てるようになります。
第二新卒は社会人経験を持っているため、新卒との間でリーダーシップを取ってもらう存在になりやすく、新卒にとっても良い影響を与えてくれるでしょう。
入社前に懇親会を開催することで、スムーズに合流できます。
第二新卒に活躍してもらうには研修が重要!
「Re就活」で4月入社を目指し効率よく研修を行おう
第二新卒は、即戦力として活躍するのは難しいですが、十分な研修や教育を行うことで企業の将来を担うコア人材への成長が期待できます。
しかし、研修や教育にリソースを割くのが難しい場合、入社のたびに研修を実施すると業務負担が増大してしまいます。結果的にOJTに頼ってしまい、十分な研修が行えないケースも少なくありません。
効率よく研修を行うには、第二新卒の4月入社を目指すのがおすすめです。新卒と同時期の入社にすることで、入社準備や研修を一括でできるようになります。
株式会社学情では、20代採用に強い「Re就活」を活用し、4月入社を目指す採用計画をご提案しています。第二新卒採用にお困りの方は、株式会社学情にお問い合わせください。
株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。