2024年卒の就職活動では、既に多くの学生が内々定を得ている状況だ。ただそのまま就職活動を終えているかというとそうではなく、多くの大学で聞かれるのは「複数内々定を持ちながら活動を継続する学生も多い」という声だ。より良い条件を求めて活動を続ける学生も一定数いるとみられる。一方で、売り手市場を認識してかマイペースに活動を行う学生もおり「内々定未保有者からも焦りが感じられない」という声も耳にする。さらには、選考を未だ受けたことのない学生からの相談も少なくないという。学生の状況は必ずしも一様ではない。就職活動を続ける学生に対し、7~8月に対面形式で5~10社程度を招いた学内企業セミナーを実施する大学もあり、支援が続けられている。 一方、2025年卒学生の就活準備も進んでいる。8月1日に東京で開催されたインターンシップ、オープン・カンパニーイベント「Super Business Forum」には昨年同時期を上回る来場があり、直接企業担当者から語られる情報に熱心に耳を傾けていた。参加学生に見られたのは、3年生の夏という時期にも関わらず既に業界を絞っている傾向だ。人気・大手企業に学生が集中し、例年のこの時期と比べ幅広く見ようという学生が少ないように感じられた。各大学では6月以降、意中の企業のインターンシップ等の参加に向けたエントリーシート添削相談でにぎわったが、7月下旬になるとそれも下火になっていったという。意欲的な学生がいる一方、大学の懸念は「夏に動かない学生がどの程度いるか」「そういった学生にどう動いてもらうか」であり、それが秋からの課題となりそうだ。