企業の動向

 2023年卒採用では昨年以上に内定辞退が相次ぎ、採用を継続する企業が多く見られる。新卒採用にとらわれず、既卒・第二新卒採用での人員補充にシフトした事例も少なくない。ある中堅メーカーは例年通りの内定出しを行った結果、想定以上の内定辞退を受けて最終的に新卒学生の入社が見込めない状況に陥り、急遽2023年4月入社に向けた第二新卒採用を余儀なくされた。同企業では例年、新卒採用で採用予定数に届かなければ人材紹介を通じて充足させていたが、今年は紹介自体が期待できず通年採用に舵を切ったと聞く。
 一方で並行する2024年卒採用は早くも本格化している。弊社調べの内々定率調査によると11月末段階での内々定率は8.7%。前年同時期の6.2%を2.5ポイント上回っており、夏季インターンシップで接触した学生の囲い込みに急ぎたい各企業の意図がうかがえる。一方で秋以降は想定通りにいかないケースも少なくないようだ。6月からインターンシップを実施している流通系の企業によると、7~8月は「対面形式」「2日間以上」のプログラムが好評を博し、オンライン形式を上回る予約数となった。しかしながら秋季には風向きが変わり、予約はオンライン開催に流れているようだ。夏季は昨年並みだった動員が、11月以降は昨年を下回る数字に転じたことを懸念し、同社は業界研究セミナーの追加開催を検討している。さらに人事の悩みの種となっているのが、2025年以降卒の学生を対象とするインターンシップだ。三省合意によるインターンシップと採用活動の連携により、各社では今後のインターンシップがどうなるか周囲の情報を探りつつ、次年度の夏季インターンシップの受け入れ準備が徐々に始まっている。
(フィールドセールス部 森山 展成)

学生の動向および学生を取り巻く就職環境について

 2023年卒学生の最終的な就職率について、多くの大学が「昨対比で例年並みまたは微増になるのでは」という見解を示している。就職率は順調に回復し、コロナ前の水準まであとわずかというところだろう。一方で例年通り、就職活動に積極的でない学生も一定数いる。年末にかけてこうした学生の支援に力を入れている大学もあるが、電話が繋がらないなど支援に結び付けられないケースもあり、順調にはいかないようだ。
 2024年卒学生に関しては、各大学で「学生の動きを掴めていない」という話を聞く。多くの大学で共通するのが「就職ガイダンスの参加人数が回を追うごとに減少し、昨対比でも振るわない」という状況だ。加えて「対面慣れの機会にしてほしい」と、対面を中心に状況に応じてオンラインでも参加できるハイブリット形式でガイダンスを開催する大学もあるが、その場合多くの学生がオンライン参加を選ぶという。そうした面でも思惑通りにはいかないようだ。この時期に複数企業を誘致して開く「業界研究セミナー」も同様、動員が芳しくないという。こうした現状から学生の動向を把握することが難しく、大学からは「ガイダンス不参加の学生は、就職活動に向けて何も取り組めていないのでは」と危惧する声も多い。他方、キャリアセンターにエントリーシートの添削を依頼する学生や、早くも選考に進んでいる学生もいるという。インターンシップに参加した学生には選考案内が届き、一部選考が免除されるという話も珍しくない。既に選考に臨んでいる学生と、まだ就職活動の準備ができていない学生。今年度も二極化の傾向が表出してきている。

(キャリアサポート部 巽 浩一)