
企業の動向
依然高い26卒採用意欲 27~28卒ではインターン等のコンテンツ刷新の動き
2026年卒採用は、10月の内定式が過ぎても企業の採用意欲は依然として高い状態が続いている。26年卒生向けの合同企業セミナーのニーズは衰えておらず、10月下旬に学情が東京で開いた「就職博」に出展した企業は前年同時期より2割近く増えた。出展理由としては、採用予定数未達に加え、内定式前後の予想外の辞退を挙げる会社が多い。参加学生からは「内定式に参加したものの、他の内定者との相性に不安を感じた」「募集要項を再確認した際に休日数などが気になり他の企業も検討したい」といった声が寄せられた。内定を得た後にミスマッチに気づいたケースが目立っている。
一方、27年卒採用は、すでに夏のインターンシップ等からの早期選考が進行中だ。学情が6月に実施した企業調査では、年内に選考開始予定の企業が57.6%に上り、前年同時期の48.7%を大きく上回った。内々定出し開始予定の時期も年内が45.0%で、半数近い企業が年内の内々定出しを想定して活動している。
ただ、企業からは「想定よりも選考受験者数が少ない」との声も多く聞かれる。夏までは学生の動きが活発だったものの、インターンシップやオープン・カンパニーに参加した後、選考フェーズで離脱するケースが目立つ。そこで28年卒採用に向けては、選考に進んでもらうための魅力付けを強化すべく、インターンシップなどのコンテンツ刷新を検討する企業が増えている。先の調査によると、27年卒採用での対応事項でも「コンテンツの見直し」が40.1%で最多だった。まずは応募者の母集団を形成したうえで、接点を持った学生をいかに選考に誘導できるかが、今後の採用活動の重要なポイントとなるだろう。
(フィールドセールス本部 鳥井 弘智)
学生の動向
「二極化」広がる27卒生 大学は多様な支援の同時展開が必要に
11月に入っても、2026年卒学生の一部は就職先を決めきれずに迷っている。大学のキャリアセンターには、「内定先が自分に合っているか不安」といった内定承諾の判断に関する相談が寄せられている。「企業選びの軸」や企業研究が不十分なまま、内定を獲得した可能性が考えられる。この時期は、「内定獲得」を目指す学生と、「納得できる選択」を課題とする学生が混在しており、双方へのサポートが続く。
27年卒学生の動きをみると、「二極化」がより顕著になってきた。関東の私立大学で実施された3年生後期のスタートガイダンスには、対象学生の4割ほどが参加し、そのうちの6割が「これから本格的に就職活動を始める」と回答した。一方で、Re就活キャンパスが管理するLINEオープンチャットには、すでに早期選考に挑んだ学生から「準備不足で不合格だった」といった声があがっている。企業の選考スケジュールが前倒しされる中、夏インターンシップ等からの早期選考に進む層と、学園祭や部活動などとの兼ね合いに苦労して就活準備を進められていない層の差は大きい。大学側はそれぞれの課題に合わせた講座や個別相談を継続していく方針だ。
後期に入り、28年卒学生対象のキャリア支援講座を今年度から開始する大学も増えている。学情が10月初めに東京で開催した「就職博 就活準備編」は27年卒生メインのイベントだが、参加学生の3割が1~2年生。10月末の「Web就職博 就活準備編」では、実に36%を占めた。2~4年の学年別にそれぞれのニーズに合わせた支援も必要となっており、キャリアセンターは多様な支援の同時展開を迫られている。
(キャリアサポート部 喜多村 美羽)
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