企業の動向
2025年卒採用において、例年通り10月1日に多くの企業が内定式を開催した。そのため10月は新卒採用の成否が判明する月とも言えるが、内定式前の辞退が相次ぎ、いささか寂しい人数で式を終えた企業も少なくなかった。採用予定人数に達していない企業は、引き続き25卒採用を続けるか、第二新卒など新たなターゲットにアプローチをするのか、あるいは25卒採用は切り上げ、26卒採用に舵を切るのかなど選択を迫られている。
その26卒採用は例年にも増して激化の一途をたどっている。9月初旬に東京・大阪で開催された学情主催の「就職博 インターンシップ&オープン・カンパニー編」は大きな賑わいを見せた。出展企業を見ると大手から中堅・中小までバラエティー豊かな企業が名を連ねた。過去で言えば、早期に動き出すのはあくまでも大手企業というイメージもあったが、規模や知名度は最早関係ないと言える。ただし、動き出しを早める企業同士の競争が激しくなり、必ずしも母集団形成が上手くいっているわけではないようだ。そうした中、ある専門商社ではこれまでの座学中心であったプログラムを刷新し、ゲームやグループワークを取り入れた体験型の魅力的なコンテンツを取り入れたことで、昨年同時期比170%の集客に成功しているという。今後においてもインターンシップやオープン・カンパニーの内容を一層工夫し、学生に訴求していくことが集客成功のカギになると言えるだろう。
(フィールドセールス本部 濱本 陽介)
学生の動向および学生を取り巻く就職環境について
2025年卒学生の就職活動は収束に向かっている。特に理系学生は進学や公務員志望からの進路変更者を除くと、就職活動を終えた学生がほとんどのようだ。内定率に関しては「昨年並み」と認識している大学が多い。一方で、内定は得ても進路届を提出していない学生が昨年よりも多いと感じている大学もあるようだ。事情としては「複数の内定先を保持したまま」あるいは「より良い就職先があるのではと就職活動を継続している」など、“決め切れない”学生が多い状況だと大学関係者は捉えている。内定式を終えた企業も多いが、今後こうした学生の内定辞退も想定され、企業としてはまだまだ安心できない状況だと言えるだろう。
一方、夏休みも明け、2026年卒学生のインターンシップやオープン・カンパニーへの参加はひと段落した。昨年以上に積極的に参加する様子が見受けられたが、「自己分析や業界・仕事理解が不十分なまま“流れに乗っているだけ”の学生も多いのでは」と不安を抱く大学関係者も少なくない。また夏期インターンシップの事前選考で不合格になり、参加したくてもできなかった学生もいるため、大学では今後こうした学生への支援を本格化するようだ。また大学キャリアセンターでは業界・仕事理解を促すための就職ガイダンスや秋・冬インターンシップ等を意識した学内イベントも多数計画しているが、「学園祭やクラブ・サークル活動を優先する学生も多いだろう」と夏前よりも学生の積極性は落ちるとの見立てだ。早期選考、早期内々定の動きは益々加速するとみられ、就職活動に早く着手した学生とそうでない学生の差は例年以上に拡大しそうだ。
(キャリアサポート部 井口 和久)
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