企業の動向
2025年卒の採用広報解禁から1ヶ月が経過した。この時点で多くの企業が苦労しているのが「母集団形成」だ。学情の調査によると、3月末の内々定率は53.7%と昨年同時期を4.4ポイント上回っている。インターンシップ期で多くの企業との接触を果たしたこともあり、学生の活動の中心は選考受験だ。そのため、母集団形成が思い通りに進まず、ある小売企業では3月以降のプレエントリーが昨年比2割減だという。苦戦を強いられた昨年よりも厳しい状況に危機感を募らせている。こうした中、学生との接点作りのチャネルを広げようと、合同企業セミナー「就職博」への問い合わせや申し込みが増加しているほか、新卒学生に留まらず第二新卒まで対象を広げる動きも広がっている。また、内々定出しを進める企業からは「どれほどの学生が承諾してくれるのか不安」といった声をよく耳にする。先述の調査でも、内々定を獲得し就職活動を終えた学生は、昨年同時期を6.2ポイント上回る19.5%に達する。反面、内々定1社の学生について、「その企業に強く入社を希望する」のは32.0%に留まるなど就活を継続する意向の学生が多く、予断を許さない状況だ。
一方、2026年卒学生を主対象とする夏季インターンシップやオープン・カンパニーの準備も着々と進められている。学情主催の合同企業セミナーが4月以降各地で開催されるが、出展希望企業が例年以上に多く、各社の意気込みが伝わってくる。学情が実施した25卒学生対象の調査では、48.5%の学生がインターンシップ等の情報収集を「3年生の4月から開始した」と回答しており、この時期の学生との接触がその後の採用活動に大きな影響を与えそうだ。
(フィールドセールス本部 江夏 竜摩)
学生の動向および学生を取り巻く就職環境について
2025年卒学生の多くは選考真っただ中にある。2月のピーク時ほどではないが、キャリアセンターには学生が頻繁に相談に訪れており、内容のほとんどは選考対策だという。選考受験先は大手企業が目立ち、売り手市場の波に乗って知名度の高い企業を目指そうという傾向がみられる。売り手市場は数字にも表れており、学情の調査では3月末時点での内々定率は53.7%と、すでに過半数に達している。一方で、今まで就職活動をしてこなかった学生も動き出し、3~4月開催の合同企業セミナー「就職博」の相談ブースでも、「就活を始めたばかりのため、何をしたらいいか教えてほしい」という相談が多くを占めた。
4月に入り、各大学では2026年卒学生対象の就職ガイダンス実施が本格化している。昨年課題として浮き彫りになった「集客」に対しても、告知はがきの発送や教員への協力依頼など様々な手段で参加を呼び掛けている。特徴的な動きとしては、夏季インターンシップが本格化する前の6月に、企業を招いた学内業界研究イベントを企画する大学の増加。さらに就職率の高止まりを背景に「大手・上場企業への就職率向上」を次の指針に掲げる大学も増えており、上場企業に就職することのメリットを伝えるガイダンスの企画などが挙げられる。加えて、26卒だけでなく27卒学生に対するキャリア教育に力を入れる動きも広がる。2年生の後期のうちに履歴書の書き方などノウハウを伝え、インターンシップ選考等が本格化するタイミングで余裕をもって臨めるようなカリキュラムが組まれている。低学年のうちに3年生向けのイベントに参加する学生も増加傾向にあり、各大学でもそうした学生を後押しする取り組みが展開されている。
(キャリアサポート部 松井 健悟)
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