企業の動向
3月1日に採用広報が解禁となった2025年卒採用。もっとも、インターンシップ期での学生との接触、そして早期選考が一般化する中、学情調査による内々定率は2月末時点で38.1%。過去の同時期調査と比較しても最高値であり、採用活動の早期化が目に見えて分かる結果だ。ただ、就職活動率は86.6%と高水準であり、早期に内々定を得てもほとんどの学生は就職活動を継続している。ある教育業界の企業は2月までに前年同時期の約3倍もの内々定を出したが、入社の意向を示した学生は2割にも満たないという。歩留まりの行方を案じ、「母集団形成と内々定出しをとにかく続けるしかない」と気を引き締め直している。
2026年卒採用については既に夏季インターンシップの準備など、大手企業を中心に計画立てが進んでいる。ジョブ型採用を導入している大手家電メーカーでは学生の志向に合わせた約200のコースを用意して夏本番に臨むという。ターゲットを明確にすることで各プログラムへの参加率を高め、早期の囲い込みを狙う方針だ。
最後に2024年卒採用だが、入社式が間近に迫る中でも採用活動を続ける企業は少なくない。ある企業が2月に開催したセミナーでは、参加者はわずか1名だったものの、その1名が芸術学部の学生で就職活動を開始したばかりということもあり、トントン拍子で採用に至ったという。2月に開催された学情主催の転職イベントにも一定数の24卒学生が来場しており、母数は少ないものの採用に結び付けるチャンスはありそうだ。
(フィールドセールス部 今泉 佑太)
学生の動向および学生を取り巻く就職環境について
いよいよ3月を迎え、2025年卒学生の就職活動が本格化している。企業説明会への参加やエントリーシートなどの書類作成、面接受験と目まぐるしいスケジュールをこなしており、早くも中盤戦の様相だ。春休み期間ではあるが大学キャリアセンターには書類の添削依頼や面接対策などの相談が絶えない。また既に内々定を獲得した学生からは「これからどう動いたらいいか」といった相談も寄せられている。一方で、ほとんど準備をしておらず、これから就職活動を開始する学生も少なくない。25卒学生の印象を大学担当者に聞くと、「早くから業界を絞り込み、狭い選択肢の中から企業を選ぶ」「活動量が少ない」といった学生が例年以上に目立つという。もちろんそれでも無難に就職活動を終える学生もいるだろうが、苦労する学生も一定数出てくることが予想され、大学では多様な支援が求められそうだ。
一方、2026年卒学生(現2年生)によるキャリアセンターへの相談も増えているようだ。3年生の夏季インターンシップが就職活動において重要な鍵になると認識している2年生が、インターシップの探し方など具体的な相談に訪れているという。新学期開始の4月、早いところでは3月から就活準備のスタートガイダンスなどを予定する大学も多い。インターンシップの重要性が増す中、3年生を主対象とする学情主催の合同企業セミナーでも、2年生の来場は増加傾向にある。3年生になって早々にインターンシップ参加への計画を立てる動きが広がりそうだ。
(キャリアサポート部 江村 朋裕)
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