企業の動向
インターンシップやオープン・カンパニーが活況な2025年卒採用。ただ企業としては期待通りにならない状況も生まれている。ある大手ハウスメーカーはインターンシップ等の応募者数が昨年同時期比30%減。さらにある大手生命保険会社は2年前と比較し70%減だという。こういった状況を受け、10月に東京や大阪など各地で開催された学情主催のインターンシップ、オープン・カンパニーイベントは、多くの地区で昨年よりも出展社数が増加した。さらに12月以降の開催でも出展上限数に達しそうな回も多く、母集団形成に向けた動きが熱を帯びている。対面・オンラインを問わず、今後も学生にアピールする場を求める企業の増加が見込まれる。
2024年卒採用では当初の採用計画数に達していない企業が多く、内定式を迎えた後も採用活動が活発だ。就職活動を続ける学生が限られてくる中、来年4月入社者の確保に向けた第二新卒採用に力を入れる動きが広がり、学情が運営する20代の転職・就職サイト「Re就活」に対する引き合いも増加している。ある化学メーカーでは例年であればそれでまかなえていた程の内定者数は確保できたが、2024年卒では想定を大きく上回る内定辞退に見舞われ、11月より急遽第二新卒採用をスタートした。ある大手食品商社でも2024年卒採用の目標に到達しない見込みとなり、10月から第二新卒採用を開始。1ヵ月ほどで既に2名の内定出しに至ったという。少子化が続く日本では新卒採用難は避けられない課題であり、第二新卒を含めた通年採用の動きが今後いっそう加速しそうだ。
(フィールドセールス本部 日比 貴雄)
学生の動向および学生を取り巻く就職環境について
コロナ禍も落ち着きを見せ、今年は対面での学園祭開催が盛り上がりを見せているほか、学生の多くは課外活動に勤しんでいる。そういった背景もあり、2025年卒学生を対象とする後期就職ガイダンスは参加人数が軒並み減少しているという。学情が9月に実施した2025年卒学生対象の調査によると、インターンシップやオープン・カンパニーへの学生1人当たりの参加社数は昨年同時期を上回った一方、「参加していない」学生の割合も昨年を上回った。未参加の学生にその理由を聞いたところ、「スケジュールが合わなかったから」が5割近くに達し、他の活動を優先し、就職活動の優先順位を落とした学生が多いものとみられる。いくつかの大学からも「失われた学生生活を取り戻そうと、就活準備を後回しにする学生が増えた印象」という声が聞かれる。近年、就職活動に向け早期から積極的に動く学生とほとんど何もしない学生の二極化が叫ばれているが、この差がより広がりそうだ。また売り手市場ということもあってか、早い時期から特定の業界だけしか視野に入れない傾向も今年は特に顕著だ。そのため、就職活動がある程度進んでから業界を見直す動きが広がることも予想される。
2024年卒学生については、これまで昨年を上回って推移していた内定状況が、昨年と変わらない水準になったという大学も増えてきている。これまでほとんど就職活動をしてこなかった学生については「変わらずなかなか動く様子がない」と、フォローは続けるもののそうした学生をどう動かすかに腐心する大学が多い。
(キャリアサポート部 松崎 朱里)
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