企業の動向
4月に入り採用広報解禁から一ヵ月が経過した段階だが、2024年卒採用は早くも中盤戦の様相を呈している。新型コロナウイルスの感染対策として実施されていた行動制限も大幅に緩和され、対面で学生と接する機会を増やすなど、各社とも精力的に学生へのアプローチを続けている。弊社調査によると3月末時点での内々定率は49.3%で、2月末調査時の30.8%から20ポイント近く上昇。この一ヵ月で一気に内々定出しが進んだ状況が読み取れる。一方、同調査によると就職活動の継続率は84.3%と高水準であり、企業側の活動は前倒しが顕著だが、内々定を獲得しながらも活動を続ける意向の学生が多く、企業としては気の抜けない状況が続く。売り手市場が進む中、各社とも苦労しているのが母集団形成だ。あるハウスメーカーでは、プレエントリー数が前年同時期比7割減と極端な落ち込みだという。
各社の求人意欲の高まりと比例するように、就職サイトなど求人メディアの掲載社数は増加の一途をたどる一方で、学生はインターンシップ期に出会った企業との選考が活動の中心となっており、業界や企業規模を問わず母集団を築きにくい状況にある。こうした中、弊社には「ダイレクトリクルーティング」や「通年採用」といった、従来型ではない採用手法に関する相談が相次いでいる。これまでのやり方にとらわれず、いかに新たな一手を打ち出せるかが、2024年卒採用はもちろん、それに続く2025年卒採用においても重要になってくるだろう。
(フィールドセールス本部 張本 大地)
学生の動向および学生を取り巻く就職環境について
2024年卒学生の就職活動は3月に入り活発化している。弊社の調査によると、3月末段階での内々定率は49.3%。前年同時期の35.0%を14.3ポイント上回り、早期化が顕著だ。例年であれば3月にキャリアセンターを訪れる学生の相談内容はエントリーシート添削が多数を占めるが、今年は減少傾向にあり、代わりに面接関連の相談が増えているとのことで、そのことからも早期化傾向がうかがえる。順調に内々定獲得に至る学生がいる一方、自己分析や業界・企業研究を十分に行わずに就職活動を進めてきたことで志望動機が固まらず、選考本番で苦戦を強いられる学生も目立つようになってきた。選考がうまくいかない学生や出遅れを感じている学生たちは早くも焦りを感じている様子で、希望する業界・企業の見直しや面接の受け方の再確認など、就活リスタートをスムーズに行えるかが今後重要になりそうだ。
一方、2025年卒学生の就職活動に向けた準備も早くも始まっている。三省合意により条件を満たしたインターンシップであれば採用活動との連携が正式に認められるようになったことを受け、インターンシップの重要性は例年にも増して高まっている。大学で実施される就職ガイダンスも4月に新年度を迎えてから本格化してくるが、企業の早期化の動きに対応するとともにインターンシップへの参加を促進しようと3月中に実施する大学も増加している。また、前年度まではオンラインのみで実施する大学も多かったが、今年度は従来の対面開催を併用する大学も目立つ。既に就職ガイダンスを実施した大学では学生の出足は好調のようで、インターンシップへの関心の高さがうかがえる。
(キャリアサポート部 井口 和久)
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