企業の動向
2024年卒採用について、インターンシップなどで接触した学生に対する選考や内々定出しが早くも進められている。弊社調査による2月末時点での内々定率は30.8%と、昨年同時期の22.2%を8.6ポイント上回った。特に理系学生の内々定率は41.1%(昨年同時期27.0%)と前倒しでの内々定出しが顕著だ。2024年卒採用では面接において変化がありそうだ。2月に人事担当者を対象に実施した「面接」に関するアンケートによると、5社に1社は質問内容や評価ポイントの変更を予定しているという。「コロナ禍で学生生活を送ってきたことを考慮した質問をしていきたい」といった声のほか、「他社がどのような質問をしているか情報収集し、自社の面接にも活かしたい」「学生から選ばれる企業になるために、どのような面接方法や質問が効果的か再検討したい」など、単に学生を選考するのではなく、自社の魅力を伝える場として面接を活用しようという声が目立った。売り手市場が進む中、採用活動全体の前倒しや母集団の減少などにも留意しながら、採用活動の創意工夫が求められている。
一方、2025年卒学生に対するオープン・カンパニーやインターンシップの早期計画も各社で着々と進行している。弊社が1月に実施した調査では、2025年卒学生対象のプログラムの受け入れ日数について、「半日以下」が39.1%、「1日」が37.7%など、単日型(オープン・カンパニー型)を予定する企業が目立った。長期間のプログラムを新たに開始したり、回数を増やしたりする企業は一定数あるだろうが、昨年度と変わらずオープン・カンパニー型のプログラムが主流になりそうだ。
(フィールドセールス部 石黒 翔太)
学生の動向および学生を取り巻く就職環境について
2月、多くの大学で2024年卒学生を対象とする学内合同企業セミナーが開催された。3年ぶりの対面開催も目立ったが、学生の参加状況は芳しくなかったようだ。新たな企業を探すよりも、目の前の選考に集中している学生が一定数いることが一因とみられる。キャリアセンターを訪れる学生の相談内容もエントリーシートや面接の対策が多数を占めているほか、内々定報告が寄せられる頻度も昨年よりも上がっているという。このように選考や内々定獲得が進んでいるものの、「全体的に見ればのんびりしている学生が多いのでは」というのがキャリアセンターの担当者の見方だ。コロナ禍により学生生活の大半がオンライン中心だったため、学生同士の情報交換がしづらく、自分の状況を掴めていない学生も少なくないのでは、とみている。積極的に情報収集し、早くから動けたかどうかで、学生個々の就職活動の進捗は大きく差がついている状況と言えそうだ。
2025年卒学生のインターンシップは三省合意に基づき、その在り方が大きく変わる初年度となる。大学側の関心度は高いが、「企業によっては採用担当者が三省合意の件を知らなかった」との声も聞かれ、5日間以上などの要件を満たすインターンシップがどの程度実施されるか測りかねているようだ。一部の大学では新3年生向けの就職ガイダンスの時期を早め、3月中に実施するという動きもある。ただ、多くは従来どおり4月からガイダンス開始予定で、動向を注視している段階だ。一方で単日開催のオープン・カンパニーや仕事体験であっても積極的に参加させたいという大学がほとんどで、その点は従来の方針と変わらなそうだ。
(キャリアサポート部 巽 浩一)
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