HR用語の基礎知識
毎日の始業・終業時間を従業員が自由に決められる制度です。
日本では1987年の労働基準法改正により、1988年4月から導入されました。近年はフレックスタイム制に注目が集まっているため、導入する企業は増加傾向です。
厚生労働省の「令和3年就労条件総合調査 結果の概況」によると、フレックスタイム制を導入している企業は6.5%だったことがわかっています。前年の6.1%に比べると、0.4ポイント上昇しています。
調査年 | 変形労働時間制を導入している企業 | 1年単位の変形労働時間制 | 1カ月単位の変形労働時間制 | フレックスタイム制 |
令和3年 | 59.6% | 31.4% | 25.0% | 6.5% |
令和2年 | 59.6% | 33.9% | 23.9% | 6.1% |
※出典元:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/21/dl/gaiyou01.pdf)
近年は、ワーク・ライフ・バランスを重視する求職者が増えています。
株式会社学情「20代の仕事観・転職意識に関するアンケート調査(就職活動と転職活動の違い)2022年7月版」によると、福利厚生や休日の取りやすさなどを企業選びで重視していることがわかっています。
就職活動時と比較して企業選びの際に重視するようになったこと | ヤングキャリア(就業経験3年以上) | 第二新卒(就業経験3年未満) |
仕事内容 | 49.7% | 52.7% |
自分自身の今後のキャリアビジョン | 37.0% | 40.7% |
福利厚生・手当 | 34.7% | 33.0% |
年収や昇給・昇給ペース | 31.8% | 20.3% |
休日の取りやすさ・残業時間 | 30.6% | 34.6% |
フレックスタイム制を導入している企業は、求職者から「魅力的な労働環境を提供している企業」だと捉えられる可能性があります。
採用活動で企業のアピールポイントになり、優秀な人材からの応募も期待できるでしょう。
労働基準法第八十九条第一項では、始業および終業時刻を就業規則に定めなければならないとしています。
フレックスタイム制の場合、始業および終業時間は従業員の自主決定に委ねるため、就業規則にその旨を明記しなければなりません。
なお、就業規則の記載例は、厚生労働省の「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」で確認できるので、ぜひ参考にしてください。
清算期間が1カ月を超える場合は、従業員と雇用主の間で労使協定を締結する必要があります。労使協定では、次の項目の明記が必須です。
フレックスタイム制の対象となる従業員の範囲は、職種や部署などの単位で決めることが可能です。総労働時間は、清算期間を平均した1週間当たりの労働時間が法定労働時間の範囲を超えないように定めましょう。
標準となる1日の労働時間は、従業員が有給休暇を取得したときに支払われる賃金のベースになる労働時間の長さです。基本的には、清算期間内の総労働時間を所定労働日数で割った時間になります。
フレキシブルタイムやコアタイムを設定する場合は、時間帯の開始および終了時刻を労使協定で定めなければなりません。
近年は、柔軟な働き方を求める求職者が増えています。多様な働き方を導入している企業は応募者が集まり、優秀な人材の確保が期待できます。募集要項は、自社の魅力をアピールできる材料のひとつです。
求職者が募集要項でフレックスタイム制を導入することを知れば、詳細を聞くために会社説明会に訪れ、応募につながる可能性があります。
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