中途採用のベストな時期とは?時期ごとの特徴と採用戦略を解説
公開日:2025.03.19
更新日:2025.10.20


中途採用には、採用市場が活発になる時期と閑散期があります。採用活動を効率的に進めるには、採用時期の特徴を捉え、適切な戦略を立てることが重要です。
本記事では、採用時期の特徴や時期に応じた採用戦略について詳しく解説します。
中途採用のベストな時期はある?
中途採用市場における求職者数や求人数は、常に変動し続けています。また、景気や社会情勢の影響も受けるため、中途採用にベストな時期を断定することは難しいでしょう。
そのなかでも、中途採用市場が活発になる時期と閑散期があります。中途採用を成功させるためのポイントは、中途採用市場のトレンドを読み取り、適切な採用戦略を立てることです。
中途採用市場が活発になる時期

中途採用市場には、転職活動や採用活動が活発になる時期があります。採用を成功させるには、活動が活発になる時期を把握するだけでなく、背景も併せて確認することが大切です。
1月・2月:新年を迎えて転職意欲が高まる時期
1月・2月は新年を迎え、気持ちを新たに転職意欲が高まる時期です。年末年始の休暇もあり、仕事から離れてこれまでのキャリアを見直す時間もあります。
また、1月・2月から転職活動を始め、4月入社を目指す求職者もいます。4月は年度始まりの企業が多く、求職者にとっても区切りの良い時期です。
6月・7月:夏の賞与をもらってから転職活動を開始する時期
賞与をもらってから転職したいと考える求職者は少なくありません。そのため、ボーナス月である6月・7月は転職活動が活発になりやすい時期です。
また、4月に入社した新入社員が、環境や仕事内容にミスマッチを感じやすい時期でもあります。
企業にとっては、春の新入社員研修がひと段落つく時期なので、採用活動に集中しやすいでしょう。
9月・10月:上半期を終えてキャリアを考え直す時期
9月・10月は期の変わり目にあたり、これまでのキャリアや働き方を振り返る時期です。新入社員はある程度の経験を積み、将来のビジョンやキャリアに関する意識が変化しやすくなります。
また、冬の賞与後の転職を見据えて転職活動をスタートする人が増えます。
企業にとっては中途採用に注力しやすい時期です。新卒採用に苦戦し、第二新卒採用を開始する企業が増えています。
中途採用が落ち着く閑散期
中途採用市場には、転職活動や採用活動が活発になる時期がある一方で、それぞれの活動が落ち着く時期があります。しかし、閑散期だからといって、採用ができないわけではありません。
中途採用市場における閑散期の特徴について解説していきましょう。
4月・5月:年度始めは求職者と企業の活動が落ち着く時期
4月・5月は年度始めの時期であり、求職者だけでなく、企業の採用活動も落ち着く時期です。4月入社を目指していた層が転職活動を終え、一時的に求職者数が減ります。
企業側も新卒採用が本格的にスタートする時期であるため、中途採用を控える企業が増加する傾向にあります。
5月・8月:長期休暇のため求職者と企業の活動が停滞する時期
5月と8月はGWとお盆休暇があるため、求職者と企業の動きが停滞しやすいです。同じく、12月と1月も年末年始の休暇があるため、動きが鈍くなります。
求職者側は旅行や帰省などで転職活動が停滞し、企業側も休暇に入るため、選考が止まってしまいますが、休み明けには再び動き始めます。
12月・3月:繁忙期で求職者と企業の活動が鈍る時期
年末と3月の年度末は多くの業界が繁忙期を迎えるため、求職者と企業の動きが鈍くなりやすいです。また、年末年始の休暇もあり、転職活動をしても選考が止まってしまう可能性が高いでしょう。
年末については、忙しい時期に焦って転職するよりも、少し時期をズラして年明けから4月入社を目指そうと考える求職者も多くいます。
採用が活発な時期に活動するメリット・デメリット

採用が活発な時期に活動するメリット・デメリットは次の通りです。
メリット | デメリット |
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メリット
採用が活発な時期は、転職に前向きな求職者が多いため、効率的な母集団形成が可能です。
自社が求めるスキルや経験を持つ人材だけでなく、これまで出会うことのなかった多様なバックグラウンドを持つ人材にもアプローチする機会が生まれます。
結果として、採用の選択肢が広がり、採用基準と合致した優秀な人材を獲得できる可能性が高まります。
デメリット
採用の繁忙期は、求職者だけでなく企業の動きも活発になる時期です。そのため、自社の求人が他の情報に埋もれてしまう可能性があります。
その結果、求職者の目に留まりにくくなり、応募数が伸び悩むケースも少なくありません。
また、優秀な求職者は複数の企業から内定をもらいやすくなるため、選考辞退や内定辞退を受けるリスクも高まります。
採用の閑散期に活動するメリット・デメリット
採用の閑散期に活動するメリット・デメリットは次の通りです。
メリット | デメリット |
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メリット
採用の閑散期は、人材獲得競争が落ち着くため、企業にとって大きなチャンスです。求人数が少ないので、他社の情報に埋もれにくく、求職者の目に留まりやすくなります。
採用が活発な時期と比べて応募数は減少しやすいですが、応募者一人ひとりに時間をかけられるのも大きなメリットです。
カジュアル面談やオフィス見学などを通して、相互理解を深められます。
デメリット
採用の閑散期は求職者の活動が落ち着くため、応募数が減少する傾向にあります。
市場全体の求職者数が少ないため、母集団形成に苦労するでしょう。
この時期に活動する求職者には、情報収集が目的で転職意欲が低い層も含まれる可能性があります。
また、年末年始やGW、お盆といった長期休暇を挟むことで、選考プロセスが停滞しやすくなる点もデメリットです。
中途採用市場が活発な時期を狙った採用戦略
中途採用市場が活発な時期は、多くの企業が採用を強化します。
この環境で成功するには、競合との差別化が不可欠です。市場の特性を活かし、優秀な人材を獲得するための戦略を解説します。
ダイレクトリクルーティングで他社と差をつける
中途採用市場が活発な時期は、転職に前向きな求職者が増える一方、優秀な人材を求める競合他社も積極的に採用活動を行います。
このような状況で他者と差をつけるには、ダイレクトリクルーティングが有効です。転職意欲の高い求職者に企業の魅力や強みを直接アピールできるため、効率的に質の高い母集団形成ができます。
20代転職に特化した「Re就活」では、希望人材の自動抽出やスカウトメールの自動配信機能により、採用活動を効率的に進めることが可能です。
初めてダイレクトリクルーティングを導入する企業にも安心して活用してもらうため、専任の担当者がスカウトメールの添削や効率的なスカウティングのコツなどをサポートします。
選考スピードを速める
採用活動が活発な時期は、優秀な人材が市場に出やすいため、人材獲得競争が激化します。特に優秀な人材ほど多くの企業からアプローチを受けており、選考スピードが遅いと他社に流れるケースも少なくありません。
選考スピードを上げるには、選考プロセスの見直しや、迅速な日程調整などが重要です。企業からのレスポンスが遅いと、「興味を持ってもらえていない」と判断され、企業への熱が冷めてしまう可能性が高まります。
スピーディーに対応するには、便利な採用ツールを活用しましょう。
20代転職に特化した「Re就活」の「カンタン面接調整システム」は、応募から面接までの一連の流れをデジタル化し、選考スピードを向上させます。
これにより、採用活動全体の効率化や、面接設定率の大幅な改善も期待できます。
多様な採用手法を活用する
優秀な人材との接点を増やすには、多様な採用手法の導入が効果的です。
特に優秀な人材ほど、情報収集の方法が多岐にわたるため、複数のチャネルで積極的に情報発信することで、網羅的にアプローチできます。
たとえば、求人広告やダイレクトリクルーティングと併用し、合同説明会(合同企業セミナー)に出展するのもおすすめです。
合同企業セミナーでは、求職者と直接出会えるため、企業の魅力や強みをダイレクトに伝えられます。
また、希望の業界や職種が決まっていない転職潜在層にもアプローチできるため、効率的な母集団形成が可能です。
20代動員数No.1の「転職博」は、来場者の約90%を20代が占めます。そのため、採用ターゲットである若手人材に効率よくアプローチできます。
また、イベント当日は、企業担当者がブース運営や呼び込みなどをサポートするため、初めて出展する企業も安心して参加できます。
中途採用市場の閑散期を狙った採用戦略
中途採用市場の閑散期は、一見不利に思えますが、実は競争が落ち着き、質の高い採用を実現するチャンスです。
市場の特性を理解し、この時期ならではのメリットを最大限に活かす採用戦略を解説します。
カジュアル面談で相互理解を深める
カジュアル面談とは、選考の合否に関係なく、企業と求職者の相互理解を深めるための機会です。お互いに本音で話し合えるため、採用のミスマッチ防止につながります。
中途採用市場の閑散期は、応募数を増やすことよりも、一人ひとりとじっくり向き合い、マッチングの精度を向上させるのがおすすめです。
20代転職に特化した「Re就活」には、企業・求職者の双方からカジュアル面談を打診できる「カジュアル面談機能」があります。
企業は、職務経歴書の情報や、自社に興味を持っている求職者に対して直接面談を打診でき、互いの承諾によって面談が設定されます。
リファラル採用を強化する
リファラル採用とは、社員に友人や知人を紹介してもらい、採用につなげる手法です。マッチング精度の高い採用手法として、近年注目されています。
リファラル採用のメリットは次の通りです。
- マッチング精度の高い採用が期待できる
- 採用コストを削減できる
- 転職潜在層へリーチできる
リファラル採用は、マッチング精度の高い採用が期待できる一方で、即効性が低く、採用に時間がかかるというデメリットがあります。
そのため、採用の閑散期に採用要件の設定や社内周知をじっくり行うことで、効率的に採用活動を進められます。
リファラル採用の導入方法や活用方法については、こちらの記事を参考にしてください。
個別スカウトで優秀な人材の獲得を狙う
閑散期であっても、ダイレクトリクルーティングを活用することで、優秀な人材に絞ってピンポイントでアプローチできます。
転職意欲の低い潜在層にも、スカウトメールを通じて企業の魅力を直接アピールすることで、転職を検討するきっかけを作ることが可能です。
20代転職に特化した「Re就活」には、通常のスカウトメールよりも上位に表示される「ヘッドハンティング」機能があります。
求職者のWeb履歴書から注目したポイントを記載するなど、一人ひとりに合わせた特別なメッセージを送ることで、マッチング精度の高い出会いが期待できます。
通年で中途採用を行う選択肢もある
通年採用とは特定の時期に限らず、年間を通じて採用活動をする方法です。業界や職種によっては繁忙期や閑散期を狙った採用活動よりも、通年採用のほうが良いケースもあります。
特に、医療業界や建設業界などの人手不足が深刻な業界や、プログラマー、エンジニアなどのニーズが高い職種では、通年採用が効率的です。
人材獲得競争が激しいこれらの分野において、優秀な人材が市場に出たタイミングを逃さずに採用できる機会を確保するためです。
中途採用の採用スケジュールの立て方
中途採用における採用スケジュールの立て方は次の通りです。
- 採用要件を明確にする
- 採用手法を選定する
- 選考を進める
- 内定〜入社
採用スケジュールの立て方について、詳しく解説します。
1. 採用要件を明確にする
採用したい人物像を明確に設定しましょう。
採用要件を明確にするには、各部署のリーダーやマネージャーとコミュニケーションを取り、採用する人材の経歴や能力・スキルセットなどを詳細に把握することが大切です。採用要件が決定したら、選考に関わる経営陣や社員と情報を共有します。
2. 採用手法を選定する
採用ターゲットや募集時期に適した採用手法を選定します。
たとえば、中途採用市場が活発な時期は求人情報が埋もれやすいため、ダイレクトリクルーティングを活用し、求職者に直接アプローチするのもひとつの方法です。
反対に、閑散期は掲載企業数が減り、情報が埋もれにくいため、求人サイトを活用するのも良いでしょう。
3. 選考を進める
人材獲得競争が激しいなかで人材を獲得するには、選考スピードを速めるのがポイントです。
選考スピードが遅いと、他社に流れてしまう可能性があります。合否通知や内定出しも同様に、なるべく早く連絡するようにしましょう。また、面接日の日程調整も日にちが空かないように注意が必要です。
4. 内定〜入社
内定を出した後は、内定辞退を防ぐためにフォローを行います。
求職者の不安や疑問を払拭するために、面談や社内見学を実施するのがおすすめです。内定後も転職活動を続ける求職者は多いため、入社までフォローを続けることが大切です。
中途採用を成功させるポイント

近年、売り手市場が続き、人材獲得競争が激化しています。中途採用を成功させるには、単に応募数を増やすだけでなく、質の高い母集団形成とマッチング精度の高い採用が必須です。
採用広報を行う
採用広報とは、企業の魅力を積極的に発信し、採用活動を有利に進めるための広報活動です。企業文化や仕事のやりがい、職場の雰囲気などを多角的に伝えることで、求職者に「この会社で働きたい」と思ってもらうことを目指します。
株式会社学情が運営するWebメディア「20代の働き方研究所」では、「優秀な人材に自社の魅力を伝えたい」「自社の強みを多くの求職者に知ってほしい」と考える企業向けに、インタビュー記事を作成しています。
これにより、採用ブランディングの構築や採用広報をサポートすることが可能です。
採用動画を活用する
採用動画とは、企業が採用活動のために制作する映像コンテンツのことです。テキストや画像だけでは伝えきれない企業の魅力や働く人々の雰囲気、実際の仕事風景、企業のビジョンなどを伝えるのに適しています。
採用動画はマッチング精度の向上だけでなく、採用ブランディングの強化にも効果的です。
株式会社学情では、“職場体験型”採用動画「JobTube」を制作しています。JobTubeレポーターが企業に出向き、第三者視点で仕事内容や職場を紹介するため、求職者はよりリアルな情報を得られます。
中途採用に精通したプロが撮影や取材を担当するため、初めて採用動画を制作する企業でも、安心して導入できるでしょう。
オンライン面接を活用する
新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン面接が一般化しました。日程調整のしやすさや、採用コスト削減の観点から、現在でも多くの企業で導入されています。
特に中途採用では、在職中の求職者が多いため、日程調整が難航し、その間に競合他社に流れてしまうケースも少なくありません。
オンライン面接を活用することで、スピーディーな選考が可能です。
中途採用のトレンド時期に合わせた採用を目指すなら「Re就活」がおすすめ
採用市場には、繁忙期と閑散期があります。求職者が増える繁忙期はより多くの応募数が期待できます。採用競合が多いので、ダイレクトリクルーティングを活用し、求職者に直接アプローチすると効果的です。
20代採用に強い「Re就活」では、動画を使ったスカウトメール「JobTubeスカウト」を活用することで、企業の魅力を視覚的に伝え、興味を喚起できます。
中途採用をご検討されている方は、株式会社学情へご相談ください。

株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ(現在のRe就活キャンパス)」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。