ヒューマンスキルを高める方法とは?教育を実施するメリットを解説
2023.05.16
ヒューマンスキルは、ビジネスパーソンに求められるスキルの一つです。さまざまな種類の能力の総称で、トレーニングによって身に着けることができます。
本記事ではヒューマンスキルとは何を意味するのか、ヒューマンスキル教育を実施するメリットや効率的に高める方法などを詳しく解説します。
ヒューマンスキルとは?
円滑な対人関係を構築するスキルです。アメリカの経済学者であるロバート・カッツ氏が提唱しました。
ヒューマンスキルにはさまざまな種類があります。リーダーシップやコミュニケーション能力もヒューマンスキルの一種です。
ヒューマンスキルはその人がもともと持っている特性だと捉えられがちですが、研修などで身につけることができます。
ヒューマンスキルの種類
ヒューマンスキルを構成する能力を解説します。
コミュニケーション能力
情報共有や意思の疎通をスムーズに行える力を指します。どのような人とも円滑なコミュニケーションがとれるスキルです。
コミュニケーション能力は伝える力や聴く力、共感する力などで構成されています。相手の話を聴く、理解する、価値観を尊重できるといったことが必要になります。
ヒアリング能力
相手の話を聞いて理解し、共感するためのスキルです。「傾聴力」とも呼ばれています。
現代に存在する多様な価値観を知り、日々の業務姿勢に反映するために必要不可欠なスキルです。
ヒアリング能力が長けている人は、相手の話し方や姿勢、仕草などを観察し、相手を深く知ることができます。
リーダーシップ能力
部署やチームの指導的なポジションに立ち、指揮を執るためのスキルです。
「チーム内のメンバーと設定した目標を達成するために取り組むスキル」を指します。おもにマネジメントを行う場面で求められていますが、すべての従業員に必要な能力です。
ネゴシエーション能力
ネゴシエーションは「交渉」や「取引」を意味します。話し合いや会議で双方が納得できる解決策を見つけ出すスキルです。
取引先や顧客相手の交渉だけでなく、上司や部下との打ち合わせなどさまざまな場面で必要となります。
交渉や取引において解決策を見つけるには、相手の要望や考えを理解し、自分の立場や考えを相手に伝える必要があります。ネゴシエーション能力が高いと、一方的にこちらの意見を通すのではなく、双方が納得できるような解決策を見つけられます。
コーチング能力
相手に気付きを与え、自身で解決策を見いだせるようにサポートする能力です。個人やチームを指導するために必要で、人材教育の場面では欠かせません。
コーチング能力は傾聴スキル・承認スキル・質問スキルで構成されています。
コーチング能力を身に着けた人がコーチングを行うと、対象者は自発的に問題解決や成功への道のりを発見できるようになります。
プレゼンテーション能力
聞き手の行動や心理を自身の意図した方向へ変化させられる力です。自分のアイデアや提案を相手に伝えるために必要になります。
「どのような人に、どのような情報を伝えるか」といったターゲティング戦略の構築力や、理解を深めてもらうために必要な情報や言葉を用意する力が求められます。
ヒューマンスキル教育を実施するメリット
ヒューマンスキル教育を行うメリットを解説します。
社内のチームワーク強化のため
ヒューマンスキルを構成するコミュニケーション能力やヒアリング能力は、業務上のやり取りや打ち合わせなどでメンバーと協力するために必要な能力です。
他者に対しての思いやりや、担当する業務へ責任を持ち、協力しながら作業を行うことで、チームワークが向上します。チームワーク力がアップすることで、業務上の目標を達成したり、自社の事業に貢献したりすることができます。
良質な人材育成のため
ヒューマンスキルは人材育成にも役立ちます。
適切なコーチング、コミュニケーションを行うと「自ら考え、行動できる」自発的な部下の育成に効果を発揮するでしょう。また部下が理解しやすい指示や指導内容を行うことで、効率良く人材を育成できます。
企業が多様性に適応していくため
優れたヒューマンスキルを身につけた管理者は、多様な人材をまとめることができます。
企業にはさまざまな価値観を持つ人が集まります。多様な価値観を尊重することで良好な関係を築き、組織をうまく運営できます。
チームをまとめ、従業員それぞれのモチベーションをあげると、さまざまな課題の解決、目標の達成にもつながります。
ヒューマンスキルを効率的に高める方法
ヒューマンスキルを効率的に高める方法として、次の4つの方法をご紹介します。
- 社内外で研修を実施する
- 1on1ミーティングを実施する
- PDCAサイクルを意識する
- ヒューマンスキルを社内評価に取り入れる
社内外で研修を実施する
社内外でヒューマンスキルを磨くための研修やワークショップを実施しましょう。他者と交流しつつ学べるため、効率良く習得できます。
自社で研修やワークショップのプランを組むことが難しい、外部の視点が欲しいと言う場合には、社外のサービスの利用も検討しましょう。近年はオンラインで完結する外部研修も増加しています。
1on1ミーティングを実施する
1on1ミーティングは、1対1で上司と部下がコミュニケーションを取るためのミーティングです。日頃の業務から部下の性質や業務内容を観察し、フィードバックを行うことで、部下のヒューマンスキル向上を促せます。
1on1ミーティングは定期的な実施が大切です。普段は上司と接点の少ない従業員でも、緊張させない環境や姿勢で対話を実施できれば、信頼関係の構築にもつながります。
PDCAサイクルを意識する
ヒューマンスキル研修で学んだことをPDCAサイクルに取り入れるのも効果的です。
PDCAサイクルとは、業務のPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の4段階を繰り返し、プロセスを改善していく方法です。各スキルの実現度を確認し、改善していきます。
ヒューマンスキルを社内評価に取り入れる
社内でヒューマンスキルに関する評価制度を取り入れることで、従業員に対しより能動的にヒューマンスキルの向上を促せるでしょう。
「ヒューマンスキルが評価対象になる」と言う企業側からのメッセージにもなります。
ヒューマンスキルを高める際の注意点
注意点を解説します。
評価制度に導入するのが難しい
ヒューマンスキルは客観的な評価が難しいうえ、従業員一人ひとりの性格や価値観の影響を大きく受けます。
そのため、たとえば本人が「自分は問題なく業務をこなせている」と考えている場合、問題を自覚しづらいのが課題です。
ヒューマンスキルを教育する際は、相手が問題を自覚していないことを前提に、コミュニケーションを取りながら育成をサポートしていく必要があります。
個々の課題が明確になりづらい
ヒューマンスキルは客観的な評価が難しいうえ、従業員一人ひとりの性格や価値観の影響を大きく受けます。
そのため、たとえば本人が「自分は問題なく業務をこなせている」と考えている場合、問題を自覚しづらいのが課題です。
ヒューマンスキルを教育する際は、相手が問題を自覚していないことを前提に、コミュニケーションを取りながら育成をサポートしていく必要があります。
継続的に実践する必要がある
ヒューマンスキルの教育には、長い時間をかける必要があります。長い期間を要すると、教育する側が途中で諦めてしまうケースもあるでしょう。
しかし従業員一人ひとりが習得するまでの時間は異なります。根気よく指導することが大切です。
ヒューマンスキルを高めて円滑な業務を実現しよう
ヒューマンスキルは円滑な対人関係を構築するために必要なスキルです。生まれ持った能力だと思われがちですが、教育することで開発できます。
また、ヒューマンスキルを高めるには、社内外での研修や1on1ミーティングの実施、社内評価に取り入れるといった方法が有効です。自社にあった方法を検討して取り入れてみましょう。
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