転職フェアには興味があるけれど、出展方法や運営方法が分からないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、転職フェアを成功させる企業側のポイントや出展料などについて解説します。転職フェアの出展を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
転職フェアとは?
転職フェアとは、求人募集をしている企業と、転職を考えている求職者が会場に集結する合同企業説明会(合同企業セミナー)のことです。
企業側はブースを出展し、その中で会社説明や求職者との面談を行います。企業にとっては求職者と直接コミュニケーションが取れるため、企業の魅力や強みをアピールするチャンスです。
転職フェアの種類
転職フェアには、次のような種類があります。
- 総合型フェア:さまざまな業界職種の企業が出展する大規模な転職フェア。
- 特化型フェア:20代採用や女性採用など、ある分野に強い転職フェア。
- 業界・職種別フェア:医療業界やエンジニア採用など、業界職種に特化している。
- 地域別フェア:地域に特化した転職フェアで、IターンやUターン採用に適している。
転職フェアの種類によって、来場する求職者の属性が変わるため、募集職種だけでなく、採用ターゲットに適した転職フェアを選ぶことが大切です。
転職フェアの形式は「説明会形式」と「面談形式」
転職フェアの形式には、主に「説明会形式」と「面談形式」があります。それぞれのメリット・デメリットは次の通りです。
メリット |
デメリット |
|
説明会形式 |
・一度に多くの求職者にアピールでき、母集団形成がしやすい。 ・自社を知らない求職者に魅力や強みをアピールできる。 |
・選考につながりにくい。 ・個別対応がしにくい。 |
面談形式 |
・選考につながりやすい。 ・個別対応ができる。 |
・面談数に限りがあり、母集団形成には向いていない。 |
求職者との出会いの数を重視するなら説明会形式、出会いの質を重視するなら面談形式が向いています。
転職フェアの出展費用
転職フェアの出展費用の相場は、75万〜160万円です。
費用は出展地域や日数によって異なり、基本的には主要都市ほど費用が高くなり、出展日数が多いほど、1日あたりの出展費用が安くなります。
転職フェアの出展費用以外にも、採用パンフレットやチラシ、ブース設備や装飾品などの費用、転職フェアに参加する社員の人件費などがかかります。
転職フェアに出展する企業側のメリット
転職フェアに出展する企業側のメリットは、次の通りです。
- 一度の出展で多くの求職者と出会える
- 自社の魅力や強みを直接アピールができる
- 転職潜在層にもアプローチができる
- スピーディーな選考が可能
- 相互理解を深められる
それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
一度の出展で多くの求職者と出会える
大規模な転職フェアでは、1日に数千人から数万人の求職者が来場するため、数日間で100人近くの求職者と出会える可能性があります。
また、転職フェアでは、特定の企業を目的に来場する求職者だけでなく、ブースの装飾の魅力や呼び込みをきっかけに、企業に興味を持つ求職者もいます。
求人サイトからでは出会えない層や自社のことを知らない求職者との出会いも期待できるなど、新しい層にアプローチできるのが転職フェアのメリットです。
自社の魅力や強みを直接アピールできる
転職フェアでは、求人情報だけでは伝えきれない、自社の魅力や強みを直接アピールできます。
一方的に企業の魅力を発信するだけでなく、求職者の疑問や懸念点をその場で解消できるため、志望度の向上にもつながります。
また、現場社員も参加することで、会社や社員の雰囲気をリアルに伝えられるのもメリットのひとつです。現場の声を直接届けられれば、ミスマッチの防止にもなります。
転職潜在層にもアプローチできる
転職フェアには、転職を漠然と考えている求職者も来場するため、転職潜在層にも積極的にアプローチすることができます。
求人サイトでは、転職意欲の低い潜在層に応募してもらうのは難しいですが、転職フェアではブースの魅力や呼び込みによって求職者の興味を惹きつけられます。そのため、転職フェアをきっかけに企業を知り、応募や選考につながったというケースも多いです。
スピーディーな選考が可能
転職フェアでは、双方が魅力を感じマッチングが成立すればその場で面接ができます。面接に至らなくても、選考日時の調整がしやすく、スピーディーな選考が可能です。
スピーディーな採用活動は、求職者が他社に流れるのを防いだり、求職者の志望度を向上させたりすることにもつながります。
相互理解を深められる
面談形式では、求職者と密にコミュニケーションが取れるので、相互理解を深められます。
企業の魅力を伝えるだけでなく、求職者の人柄や考え方などにも触れられるため、双方のミスマッチ防止にもつながるでしょう。
相互理解を深めるには、お互いにリラックスして話せるような雰囲気作りが大切です。
転職フェアに出展する企業側のデメリット
転職フェアには、メリットがある一方、デメリットもあります。
転職フェアに出展する企業側のデメリットは、次の通りです。
- 転職フェアに参加する人員が必要
- 事前準備が必要
- 出展費用がかかる
それぞれについて、詳しく解説します。
転職フェアに参加する人員が必要
円滑なブース運営をするには、面接官や呼び込みなど、1日4名ほどの人員が必要です。
採用担当者だけでなく、現場社員に協力してもらなわければならないケースも多いでしょう。現場社員とのスケジュール調整や当日の進行などについての説明などを行います。
また、転職フェアは土日に開催されることが多いため、休日出勤の必要性も考慮しましょう。
事前準備が必要
転職フェアの出展には、さまざまな事前準備が必要です。
たとえば、採用パンフレットやチラシなどの配布物、ブースの装飾品、会社説明の際に使用するパワーポイントや資料などを準備しなければなりません。
また、必須ではありませんが、事前に転職フェアを見学し、会場の雰囲気やブースの広さ、レイアウトなどを調査する場合もあります。
出展費用がかかる
転職フェアに出展するには、1日75万〜160万円の出展費用がかかります。また、出展費用以外にも、採用パンフレットやブースの装飾品の制作費、人件費など、合わせると高額な費用が必要です。
採用コストを抑えるには、採用ターゲットに適した転職フェアを見極め、採用活動を効率的に進めましょう。
転職フェアを成功させるためのポイント
転職フェアから採用につなげるには、効果的な対策が必要です。転職フェアを成功させるためのポイントを解説します。
採用ターゲットに適した転職フェアを選定する
転職フェアを成功させるには、採用ターゲットに適した転職フェアを選定しましょう。
たとえば、エンジニアを採用したい場合、必ずしもITに特化した転職フェアが最適とは限りません。「20代のエンジニア」「未経験歓迎」など求める人物像やスキルによっては、他の転職フェアの方が適している場合もあります。
転職フェアの規模や特徴だけで決めるのではなく、採用ターゲットと照らし合わせて選定することが大切です。
事前準備を徹底する
転職フェアには、事前に準備するものが多くあります。採用パンフレットやブースの装飾品などは制作に時間がかかるため、余裕のあるスケジュールを立てておくと安心です。
他にも、ブースに設置するPCや音響機器などは、事前に動作確認を行います。使用する直前に不備が発覚すると、対応に時間がかかり、求職者を逃してしまう可能性があるからです。
ブースの動線や装飾を工夫する
転職フェアに参加する求職者のなかには、会場を見て回りながら企業を探す方も多いため、興味を持ってもらいやすい装飾や気軽に見て回れる動線などの工夫が必要です。
たとえば、ブースのデザインを統一したり、求職者が気軽に入れるように装飾品やパンフレットの位置などを調整するだけでも、求職者に与える印象が変わります。
求職者の呼び込みを行う
訪問者を増やすには、呼び込み役を配置し、求職者を誘導することがポイントです。
呼び込み役は、求職者と最初に接点を持つポジションなので、明るく好印象を与えられる人材が良いでしょう。
ただ呼びかけるだけでなく「どのような業界業種を志望しているか」「どのような仕事を経験してきたか」など、コミュニケーションを意識すると効果的です。
求職者ごとに適した対応を行う
一方的に企業の魅力を伝えるのではなく、求職者が抱いている疑問や不安を解消できるように心がけましょう。
会社説明だけでなく、質疑応答の時間を設けたり、現場社員との交流機会を設けることで、よりリアルな情報が提供できます。求職者にとって働くイメージを持ちやすくなり、志望度の向上につながります。
次の面談や選考を予約する
選考に進んでもらいたい求職者には、次の面談や選考を予約してもらうことが重要です。自社への興味が高いうちに予約を取ることで、志望度が高い状態を維持できます。
予約が取れない場合は、イベント終了後にフォローメールを送りましょう。参加御礼やあなたに会いたい、選考に進んでほしいという熱意を伝えます。
転職フェアは企業側から直接アピールできるイベント!
「転職博」で理想の人材を採用しよう
転職フェアは、企業側から求職者に直接アピールできるイベントです。これまで出会えなかった転職潜在層にもアプローチできるため、母集団形成がしやすくなります。
第二新卒やヤングキャリアなど、20代採用を目指すなら「転職博」がおすすめです。20代採用に特化した転職フェアで、これまで20代の求職者を数多く動員してきました。
「転職博」を運営する株式会社学情では、出展までの流れや採用までのプロセスを幅広くご支援いたします。中途採用にお困りの方は、株式会社学情にお問い合わせください。
株式会社学情 エグゼクティブアドバイザー(元・朝日新聞社 あさがくナビ編集長)
1986年早稲田大学政治経済学部卒、朝日新聞社入社。政治部記者や採用担当部長などを経て、「あさがくナビ」編集長を10年間務める。「就活ニュースペーパーby朝日新聞」で発信したニュース解説や就活コラムは1000本超、「人事のホンネ」などでインタビューした人気企業はのべ130社にのぼる。2023年6月から現職。大学などでの講義・講演多数。YouTube「あさがくナビ就活チャンネル」にも多数出演。国家資格・キャリアコンサルタント。著書に『最強の業界・企業研究ナビ』(朝日新聞出版)。