【LGBTQ+理解・支援者】ALLY(アライ)とは?誰もが働きやすい職場をつくろう!
2024.02.05
近年、多くの企業がLGBTQ+を理解・支援する「アライ」への取り組みを始めています。しかし、働く現場では、いまだに理解が進んでいないのが現状です。「自分の周りにLGBTQ+はいない」と思い込んでいる方も少なくないでしょう。
電通グループがおこなった「LGBTQ+調査2023」の報告によれば、57,500人を対象としたスクリーニング調査の全回答者に占めるLGBTQ+層の割合は9.7%と、約10人に1人がLGBTQ+層であることがわかっています。(※出典:「電通LGBTQ+調査2023」概要 https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/001046.html)
LGBTQ+の当事者は、偏見や差別をおそれ、自らのセクシュアリティを隠していることがほとんどです。実際には、身近な部署のメンバーや同僚からの無意識の差別に苦しんでいるかもしれません。
本記事では、アライとして何ができるのか、さらには会社として取り組めることを紹介いたします。
アライとは?
アライとは、LGBTQ+を理解し、迫害や差別をなくすための活動やLGBTQ+を支援する人たちのことをいい、「同盟者」や「味方」といった意味の英単語「ally」が語源になっています。
アライは、単なる同情や共感だけでなく、積極的な言動を通じてLGBTQ+を理解、支援することで、多様性を尊重する社会の一翼を担っています。
これまでアライは、活動を行なうストレート(※①身体的性と※②性自認が一致し、かつ異性を愛するセクシュアリティ)の人たちを表す言葉でしたが、最近ではLGBTQ+の当事者であってもアライになろうという動きが広まっています。
アライは、LGBTQ+への差別や偏見をなくしたいという気持ちさえあれば誰でもなることができます。資格や明確な基準は設けられていません。たとえアライであることを宣言しなくても、個人と向き合う姿勢を態度で示すことができれば、それは立派なアライです。
※①身体的性とは?…生まれた時の身体構造における性のこと。
※②性自認とは?…自身が認識している性のこと。性自認と身体的性は必ずしも一致しません。
LGBTQ+ とは
LGBTQ+とは、 「レズビアン(Lesbian)」、「ゲイ (Gay)」、「バイセクシャル (Bisexual)」、「トランスジェンダー (Transgender)」、「Questioning(クエスチョニング)」と「Queer(クィア)」の頭文字に、LGBTQでは表現しきれないあらゆる性のあり方を意味した「+(プラス)」が加わった言葉で、性的少数者を意味します。
LGBTQについて、それぞれの特徴をみてみましょう。
L : レズビアン(Lesbian)
レズビアンとは、女性同性愛者を指す用語です。性自認は女性、※③性的指向も女性という方が該当します。
※③性的指向とは?…恋愛感情や性的関心の対象となる性の指向のこと。
G : ゲイ (Gay)
ゲイとは、男性同性愛者を指す用語です。性自認が男性、性的指向も男性の方を指します。
B : バイセクシャル (Bisexual)
バイセクシャルとは、両性愛者を指す用語です。性自認に関係なく、性的指向が男性と女性の両方に向く方がバイセクシャルに該当します。
T :トランスジェンダー (Transgender)
トランスジェンダーとは、身体的性と、性自認が一致しない人のことを指します。
身体的性は男性で性自認が女性の方をトランスジェンダー女性(MtF・Male to Female)、その逆をトランスジェンダー男性(FtM・Female to Male)といいます。
Q:クエスチョニング(Questioning)
クエスチョニングとは、性自認、性的指向が定まっていない人のことをいいます。
自らの性を1つに絞ることができない人や、性を定めたくないという人もクエスチョニングに該当します。
Q:クィア(Queer)
クィアとは、セクシュアルマイノリティの総称として使われる用語です。
もともとは「風変わりな」といったネガティブな意味で使われていた用語でしたが、20世紀の終わり頃から、セクシュアルマイノリティが中心となり、あえて自身を指す言葉として使われるようになりました。クィアは何かに定義されずに自分らしくありたいということを主張するセクシュアリティとも言えます。
アライ個人としてできること
アライの取り組みは、すべての人々が生きやすい世の中をつくる手助けになります。
それぞれについて具体的に紹介いたします。
LGBTQ+の人たちの味方でいる
日常の会話の中で、例えば恋愛や結婚についての話をする際、LGBTQ+の人たちはストレートを装って話をしていることも少なくありません。いつか自分がLGBTQ+だと知られてしまうのではないか、知られた時に今までの関係が壊れてしまうのではないかと、不安やストレスを感じている当事者もいます。
そんな時、アライがLGBTQ+に肯定的な姿勢を示し、当事者に味方だと気付いてもらうことができれば、安心感を与えることができるかもしれません。
働きやすい職場をつくる
LGBTQ+の人たちは、職場の思いもよらぬ場面でストレスを感じている可能性があります。
例えば、普段の何気ない会話や仕事の中で使われる「男らしい」「女らしい」といった、ジェンダー規範に基づいた表現は、LGBTQ+の人たちにとって違和感を覚える表現かもしれません。
「〇〇さんらしい」「〇〇さんっぽい」という個々を尊重した表現を積極的に使うことで、社内や周囲の人たちにセクシュアリティにとらわれない価値観を浸透させていくこともアライにできることの一つです。
企業としてできること
誰もが働きやすい職場をつくるためには、個人としての働きかけはもちろんですが、企業として体制から見直すことも重要です。
企業ができることについて見てみましょう。
社内制度の対象を見直す
社内制度の中には、ストレートの人たちのみを対象としたものが多くあります。
例えば、福利厚生として一般的な家族手当ですが、多くの場合結婚して世帯を持つ社員が対象となっています。日本では同性婚は認められておらず、LGBTQ+の人たちはこの福利厚生を受けられません。
制度の対象を見直し、企業で働く従業員一人ひとりについて考えるのも、企業としてできることの一つです。
採用方法を見直す
その人の見た目から第三者が性別を決めつけてしまう採用方法は、LGBTQ+の人たちを苦しめているかもしれません。
例えば、LGBTQ+の人たちは、履歴書の性別記入欄や、服装、髪型など、就職・転職活動をしている中で、ストレートであることを前提としたルールに悩む可能性があります。企業は、応募者の中身や個性を見ることが大切です。
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求職者の個性やキャラクタ―を尊重し、自社にマッチする人材を採用しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
アライは、個人と向き合う姿勢さえあれば誰でもなれます。
あなたの言動の一つが、誰もが働きやすい職場をつくるきっかけになるかもしれません。
この機会に、LGBTQ+の人たちを支援するためにあなた自身ができること、企業としてできることを見つめなおしてみてはいかがでしょうか?
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