
企業の動向
内々定承諾率アップへ手厚い対策 28卒以降へ年間通して各学年と接点
インターンシップ等からの早期選考が一気に広がった2027年卒採用は、ここにきて長期化の側面が目立ってきた。学情の調査では5月末時点の内々定率は77.7%。政府の就活ルールの面接解禁日である6月1日を前に8割に迫ったものの、3カ月続けて前年同時期を下回った。今季は2月末時点まで過去最高値が続いたが、前倒しで内々定出しが進んだ反動もあって春以降は伸びが緩やかに。採用活動はその分長期化しそうだ。
学生1人あたりの内々定獲得社数の平均は2.64社でほぼ前年並みだが、内々定保有社数は1.50社で前年の1.39社を上回る。まだ決めきれない学生が多く、内々定辞退は前年ほど進んでいない。各企業は内々定承諾率を上げようと工夫を凝らしているところだ。採用予定数の5人よりやや多めに内々定を出した中堅インフラ企業は、人事面談、懇親会、職場体験、内々定者向けインターンシップを次々と実施。実際に働くイメージをもってもらうことで、1人でも多くの承諾を得ようと手厚いフォローを続けている。
2028年卒採用に向けても早期化の動きが目立つ。学情主催の合同企業セミナー参加者数は、4月は前年の倍、5月も各地で前年を上回った。大手に限らず中堅・中小企業も積極的で、ある中堅の建設関連企業は例年8月に広報を始めて秋冬に実施していたオープン・カンパニーを、4月広報スタート、随時実施に改めた。加えて低学年向けのキャリア教育にも乗り出しており、担当者は「大手企業や他の企業に埋もれる前に自社にマッチした学生と出会い、長く付き合っていくことで相互理解を深めたい」と意気込む。
新卒採用は「年間を通してどの学年とも接点を持つ」ことが求められる時代に入りつつある。
(フィールドセールス本部 間宮 佑斗)
学生の動向
「夏休みまでに一区切り」活動佳境に AI任せのES、新たな指導課題に
大学のキャリアセンターからは、「2027年卒学生の就職活動はおおむね順調」との声が多く聞かれる。相談内容は面接などの選考対策が中心となり、内々定の報告に訪れる学生が増えつつある。内定承諾書に関する相談も一部あり、意思決定で悩む学生が目立ってきた。
学情の内々定率調査によると、5月末時点の就職活動率は45.9%。文系は5割超、理系は3割の学生が就活を続けている。「夏休みまで」を就活の一区切りと考えている学生が多く、佳境に入ったと言っていい。
一方、2028年卒の学生は夏季インターンシップ等に向けた準備を進めている。キャリアセンターではエントリーシート(ES)の添削依頼が増加。昨今はES作成に生成AIを活用する学生が増えている。「活用するのはいいが、自分で考えず生成AIに任せっきりで、内容がマッチしていないのにそのまま大学の添削や企業に出す学生もいる」と問題視する声もあり、新たな指導課題となっている。
5月開催のインターンシップ等に向けた学内合同企業説明会は、参加者数が前年並みか、減少傾向となるケースが多かった。就活を始めたばかりの学生はどうしてもBtoC企業に目を向ける傾向が強く、業界を代表する大手企業でもBtoB企業は学生の認知度が低く、面談数の確保に苦戦する状況がみられた。4月に前倒しして開催した大学では来場者が増加したとの報告もあり、開催時期や実施方法の違いによって差が生じたようだ。
低学年の動きも活発化し、5月以降、キャリアセンターでの相談やガイダンス参加が多くなってきた。背景には「就職活動に対する漠然とした不安」を感じる学生が増えていることがあり、2年生対象のキャリア支援の取り組みが広がっている。
(キャリアサポート部 江村 朋裕)
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