
企業の動向
内々定数増も承諾率低く、辞退に戦々恐々 一対一の定期面談続ける
2027年卒学生の内々定率は、3月末時点の学情調査で66.0%となり、前月比10.3ポイント増と採用広報解禁後の動きが顕著に表れた。前年同時期の69.7%よりは3.7ポイント低いが、1人あたりの内々定累計獲得社数の平均は前年よりやや多い2.25社、保有社数も同じく1.60社で、複数内々定を比較しながら慎重に進路選択を行う傾向が見てとれる。
こうした動向に企業側は苦慮している。リサイクル関連の中堅企業では今季、インターンシップ等の開催時期を秋から夏に早め、開催数も増やしたところ、母集団が増えて、前年同時期より2割多く内々定を出すことに成功。ところが、内々定の承諾者は前年のわずか3割ほどにとどまっている。承諾期限の延長を求める学生も多く、採用担当者は今後の内々定辞退に戦々恐々とする日々だ。
内々定は「出せば終わり」ではなく、企業への納得感を高めるフォローや情報提供の重要性が一層高まっている。人材派遣の中堅企業では、内々定後に一対一の面談を定期的に実施。リクルーターを務めた先輩社員にも対応してもらうなど、内々定者つなぎ止めのためのマンパワー強化を図っている。
一方で、多くの企業の関心は早くも28年卒へ移りつつある。採用難を背景に新たなチャネルの活用を模索する動きもある。合同企業セミナー中心だった中堅企業は、就職情報サイトの活用を強化。採用担当者の増員など採用体制の見直しにも踏み切った。担当者は「早期化の影響でこれまでと同じでは母集団が目減りしてしまう。合説を軸に置きながら、ナビサイトの活用も強化していきたい」と話す。企業には、学生との接点創出から承諾まで一貫した設計力が求められている。
(フィールドセールス本部 津田 大勢)
学生の動向
早期化で27卒の相談減少、SNS就活も影響 28卒夏インターン参加促進
2027年卒は早期選考がさらに前倒しとなった影響で、年明け以降のキャリアセンターへの相談件数が例年より減った大学が多い。夏季インターンシップの広がりに加え、オンライン選考の一般化で時間・場所の制約が減り、学生が主体的に動きやすくなったことが背景にある。また、就活関連の情報がSNSや就活サイトで流通するようになり、キャリアセンターや学内イベントに頼らずに意思決定を行う学生が増えたことも一因と考えられる。その結果、従来の支援の導線に乗らずに選考に進むケースが目立つようになり、大学は学生の動きを把握しにくくなっている。
一方で、準備不足や活動長期化によるモチベーション低下などで、支援が必要な学生は依然として多い。情報収集や自己分析の遅れで方向性を見失い、不安を抱えたまま就活を続ける学生も少なくない。特にエントリー開始後に慌てて企業研究を始める人や面接経験が乏しい人は、停滞しやすい傾向があるようだ。3月に学情が開いた「就職博」では、学生から「志望業界の大手は採用がほぼ終っていた」「今後の進め方に迷う」といった相談が寄せられた。就活を立て直し、中小企業や新たな業界に視野を広げる支援が求められる。
キャリアセンターへの相談の中心は28卒生に移っている。学内合同企業セミナーを開けば、27卒だけでなく28卒生の参加が多く、29卒生も見られ低学年層の関心が高まっている。各大学では低学年からのキャリア形成支援の強化が進む。
ただ、喫緊の共通課題は3年生の夏季インターンシップ等への参加促進。そのためのガイダンスや情報発信の前倒し、業界研究講座やOB・OG交流、面接対策の充実を図るなど、大忙しの状況が続く。
(キャリアサポート部 小島 明代)
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