
企業の動向
少人数説明会で学生の理解度高める工夫 27卒+28・29卒向け説明も
3月1日に企業広報が解禁された2027年卒採用の内々定率は、学情の2月下旬時点の調査で55.7%となり、前年よりやや早いペースで進んでいる。ただ文理別では、理系が早くも7割に達した一方、文系は前年同時期4.0ポイント減の48.5%で大差がついた。技術系の人材獲得競争激化に加え、業務への生成AI導入による事務系採用抑制の動きが広がっている可能性がある。
売り手市場が続く中、エリアを問わず「初期接点の設計」を工夫する企業が増えている。ある中堅不動産会社では、一方通行の説明会を減らし、その分を少人数のオンライン座談会に切り替えたところ、選考に進む学生の割合が5割ほど伸びた。双方向にしたことで、「入社後にどんな挑戦ができるか」「成長実感を得られる環境か」などのほか、制度の運用実態を問う突っ込んだ質問が増え、学生の理解度が高まったようだ。この企業では、学生の企業選びの軸が「内々定の早さ」から「入社後の成長・裁量・配属のリアル」に移ったと分析している。他の企業でも「人事資料だけでは説明しきれない」ため、現場社員の登壇を増やして失敗談も含めた丁寧な説明に腐心する動きが目立つ。
早めにOB・OG訪問を始め、1社に複数回接触して理解を深める学生が増えたのも今年の特徴だ。個別対応の負荷を抑えようと、テーマ別の少人数面談の機会を設ける企業も。学生に「納得感」を与えて志望度を高められるかが採用成功のカギを握ると言えそうだ。
合同説明会では28年卒など低年次の来場が増え、企業は27卒向けの選考情報に加え、28卒向けの業界理解・仕事体験の導線を用意する「二層設計」が必要になってきた。29卒ながら複数の合説に参加し、長期インターンや将来のキャリア選択を見据える層も現れている。学年を問わず、数年後までの成長ルートを具体的に示せる企業が優位になりそうだ。
(フィールドセールス本部 石黒 翔太)
学生の動向
27卒生の内々定報告相次ぐ 低学年向けガイダンスや授業が重要に
2027年卒採用は、各大学で2月下旬までに学生からキャリアセンターへの内々定報告が相次ぎ、3月1日の採用広報解禁前に「中盤戦」の様相となった。学生からは「夏インターンシップから早期選考に進み、2月までに就職活動を終えた」という声が聞かれる。早期選考の影響で学生の意思決定時期が例年より前倒しとなった結果、2月に実施された学内合同企業説明会では、27卒学生の参加数が前年より減った大学が多い。このため、多くの大学では28卒学生の参加を促して全体の来場数を確保している状況だ。参加した27卒生と28卒生の内訳が5:5程度となっているケースが多い。
一方で、地域や大学の特性によっては、年明けや3月の広報解禁をきっかけに本格的に就職活動を始める27卒学生も一定数おり、支援が続く。
28卒では、就活に対する漠然とした不安や、先輩・アルバイト先から早期行動を勧められたことをきっかけに情報収集目的で参加している学生が目立つ。各大学では従来3年生の4月に実施していた就職情報サイトの登録会を3月に前倒しする動きもみられる。また、理系大学では教授から、年明けの学内合同企業説明会よりも、2年生時の秋頃に開催される説明会への参加を重視したいという意向も出始めた。次年度以降、低学年向けのガイダンスや授業を計画する必要性が高まっている。
今後は、低学年層に対する支援コンテンツの充実が、大学・企業・就活媒体のいずれにとっても重要なテーマとなっていくのは間違いない。
(キャリアサポート部 小笠原 崚太)
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