
企業の動向
終盤の26卒で予期せぬ辞退 27卒は年内選考へ呼び込み、参加促す工夫も
2026年卒採用は概ね終盤を迎え、多くの企業が採用計画達成の目途をつけている状況だ。ただ、中には予期せぬ内定辞退に頭を悩ませる企業もあり、学情には、あるインフラ企業から第二新卒採用の相談が寄せられている。学情は11月に26年卒向け最後の合同企業セミナー「就職博」を全国で開催した。会場には未内定や公務員志望から民間企業への転換を図る学生など、この時期でも積極的に活動する層が来場し、採用活動を継続している企業に終盤戦の採用機会として活用された。
一方で、企業の採用活動の中心はすでに27年卒へ移行し、夏インターンシップ等の参加者を年内選考に呼び込む動きが顕著になってきた。しかし、インターンやオープンカンパニーに参加した学生が必ずしも全ての選考に進むわけではなく、志望度の高い企業に絞った厳選型の就職活動が主流だ。このため企業側も選考参加を促す工夫を重ねており、物流業界の企業では適性検査のフィードバックや、個別面談を通じて自己分析や面接対策を支援する取り組みを行っている。
27年卒生の内々定率は学情の11月末時点の初回調査で29.3%と3割に迫り、理系は早くも4割に。各企業がインターンシップからの早期選考で年内の内々定出しを競っている状況だ。加えて、27年卒採用の前半戦が終了し、28年卒採用に向けた情報収集や計画づくりが始まっている。学情が10月に東京で開催した27年卒対象の「就職博」には28年卒以降の学生が多数来場、その割合は全体の約3割に達した。早期から活動する学生の多くが就職活動への不安を口にしており、企業・学生双方が不安を抱える中、採用・就職活動の早期化に拍車がかかっている。
(フィールドセールス本部 森山 展成)
学生の動向
卒業までの内定へ支援継続 27卒は早期選考からの内々定報告増える
2026年卒予定の学生の就職活動状況は、全体として落ち着いてきている。大学のキャリアセンターでは、学生からの自主的な報告ベースで「8割が内定保有」と把握しているところが多い。就職活動のスタート時点では前年を上回っていた内々定状況は秋頃には大差なくなり、今は前年同時期とほぼ同様との声が多数寄せられている。
企業の採用活動が早期化した影響で、3年生12月までの年内に動き始める学生が増えた一方、4年の夏頃までなかなか動き出さない学生も一定数存在した。その結果、秋頃までは、活動中の学生、まだ活動していない学生、すでに活動を終えた学生が混在する状況が続いた。冬に入り、大学では引き続き活動中の学生が卒業までに内定を得られるよう、指導や求人紹介を継続して実施している。
27年卒予定の学生の活動状況にも大きな差が生じている。インターンシップ等を起点とした早期選考に参加する学生が増える一方、まだ就活の準備が全く進んでいない学生も。多くの大学が11~12月に27年卒対象の学内合同企業・業界セミナーを開催しているが、昨年より参加者数が減っているとの報告が目立つ。早期選考に進む学生が増えたことに加え、まだ動いていない学生が学内行事参加に消極的なことが来場者数低下につながっていると分析する大学が多い。
キャリアセンターには、早期選考に参加した学生からの内々定報告が徐々に増えている。多くは就活を継続する意向だが、このまま終了する学生も一部に見られる。早期の段階で内々定を確保する動きが一気に加速する可能性がある、との見解を示す大学もある。
(キャリアサポート部 江村 朋裕)
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