

企業の動向
早期化で採用難易度アップ インターンは内容の充実度もカギに
2026年卒採用広報が3月に解禁されてから2カ月が過ぎ、多くの企業が新卒採用の難易度の高まりを実感する事態となっている。昨年10月に実施した学情の企業調査では、79.2%の企業が2026年卒採用での採用難を予想していたが、現状はそれを上回る情勢で進んでいる。
難易度アップの主な要因としては採用活動の早期化が挙げられる。4月末時点の内々定率は、学情の調査で早くも74.9%に達した。内々定を得た企業にインターンシップ等の応募やプレエントリーした時期は昨年6~8月が40.9%を占める。各企業が夏インターンシップ等からの早期内々定出しを競ったことがうかがえる。就職活動率は51.1%と2人に1人にまで減り、内々定を獲得して就活を終了した学生が4割以上に。いずれも前年の5月末の数値に近く1カ月早いペースで、活動を続ける学生の争奪戦が激化しそうだ。
ICT教育関連大手のグループ会社では、今年度初めて5日間のインターンシップを夏休み期間に実施した結果、早期内々定出しにつながった。インターン参加者からの承諾者も出て手ごたえを感じているという。
早期化を受けて、27年卒採用ではインターンシップ等の開始時期を早める企業が目立つ。26年卒採用で苦戦した中堅インフラメーカーは、27年卒では現場の協力を得て行うオフィス見学と座談会を盛り込むオープン・カンパニーを、秋から夏に前倒しする予定。特に競争の激しい理系採用では早期化対応が必須とみている。
実施時期に加え、学生に参加してもらうには内容もカギとなる。実務に近い業務を提供するプログラムや、実施日数を増やして充実した内容を盛り込むことで学生の満足度を高め、ミスマッチを減らそうとする企業も増えてきたようだ。
(フィールドセールス本部 兵頭 柾紀)
学生の動向
2~3年生向けイベント盛況 26卒内々定率74.9%だが「二極化」も
4月になって各大学では、2027年卒業予定の新3年生を対象にした初回ガイダンス等が実施された。インターンシップ等に向け就職活動の準備を始めるようアナウンスする大学が多いが、参加率は昨年並みか微減の傾向だ。ただ、学生の関心が低いわけではない。4月に学情が実施した新2~3年生向けのイベント「Career Design Forum」は、昨年も実施した東京・大阪に加えて名古屋・京都・福岡でも開催し、いずれも盛況だった。中でも東京ビッグサイトの会場には、前年比144.9%の6415人が来場。入退場自由だが、開始から終了までいた学生が昨年よりも多かった印象だ。既に業界を絞っている学生も見受けられ、早い時期からの就活準備に対する関心の高さがうかがえた。こうして情報収集して自走する学生と準備のスタートが遅れる学生との差、いわゆる「二極化」は今後も広がることが予想される。
一方、26年卒の4年生の4月末時点の内々定率は、学情の調査で前年同時期より4.8ポイント高い74.9%。早くも4人に3人が内々定を獲得した。就職活動率は下がったとはいえ51.1%と半分以上の学生が継続中。各大学のキャリアセンターにはこの時期になって初めて来訪する学生も目立ち、書類選考は通るものの面接で落とされるといった相談が多く寄せられている。すでに支援の中心を2~3年生に切り替えたところもあるが、4年生向けの支援を強化したほうがよいのではないかという声が出ている。
学生の就職活動ならびに就職活動準備の進捗は今まで以上に多様化が進んでおり、「全学年参加可能」と学年を問わずに告知する講座が今後も増えていくだろう。
(キャリアサポート部 早坂 京華)
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