

企業の動向
内々定率7割、前年より1カ月早いペース 27卒向けイベントも本格化
3月1日に2026年卒の採用広報が解禁されてから1カ月余。3月末時点の内々定率は、学情の調査で69.7%と早くも7割に迫った。前年同時期より16.0ポイントも高く、1カ月早いペースで内々定出しが進んでいる。同調査によると、学生が内々定を得た企業にエントリーした時期は24年6~7月が突出して多く、最終面接の時期は24年12月と25年1月が前年比5~6ポイント増えたのが目立った。夏のインターンシップ等に参加した学生に対し、年末年始に集中して内々定出しが行われたことが読み取れる。
三十数人を採用する予定の大手IT企業では、内々定出しが前年同時期の約1.2倍、学生の承諾率も1.3倍と順調に推移している。同社は25年卒では12月ごろだったインターンシップ等の開始を秋に早めており、その成果が出たとみられる。早期実施が早めの内々定出しにつながっているのは間違いないようだ。
一方、ある大手化学メーカーでは、内々定出しのペースは順調だが、採用予定数が90人規模と多いこともあり目標数に届く見通しは立っていない。このため、新卒の補填として6月ごろから第二新卒採用を実施し、20代社員を確保する計画を立てている。
26年卒生の内々定率調査では、インターンシップ等に最初に参加した時期について、3年生になる前と答えた学生が計16.5%いた。27年卒以降の学生はさらに早めに動き出しており、26年卒向け合同企業セミナーに主な対象より下の学年で参加するケースが、前年同時期のイベントに比べて倍増している。4月からは27年卒生を対象にしたインターンシップ等の合同企業セミナーが本格化。出展企業、学生双方にとって熱量の高いイベントが各地で開催されている。
(フィールドセールス本部 金岡 真実)
学生の動向
26卒は高い内々定率で3人に1人が就活終了 27卒生の動きが加速
例年、2月から3月の大学のキャリアセンターは、エントリーシートや履歴書の添削、面接に関する相談が増えて大忙しの時期。しかし、今年は職員から「2月の相談件数が減っているように思う。1月のほうが忙しかったかもしれない」との声が聞かれた。インターンシップ等からの早期選考が進んだことで学生の動きも早まり、キャリアセンターへの相談件数のピークが1月となった大学もあったようだ。
学情の調査では、3月末時点で内々定を獲得した学生は69.7%の高率となった。中でも大手有名企業が積極的に内々定を出しているため「本命企業」からの内々定を得た学生が多く、「就職活動をしている」学生は前月比-20.5ポイントの63.3%に急落。その分、「内々定を獲得し就活を終了」した学生が前月比+20.2ポイントで31.9%に急増した。採用広報解禁1カ月ですでに3人に1人が就活を終えたことになる。
各大学では今後、学生の就活進捗状況を確認しながら、個別対応や小規模な学内企業説明会などで、出遅れ気味の学生支援にあたることになるだろう。
そんな26年卒生を横目に、27年卒生のインターンシップ等に向けた動きが加速している。大学では就活キックオフガイダンスを前倒しして実施するなど、早期化の流れに学生が対応できるよう工夫をこらしている。4月に各地で開く学情のCareer Design Forumでは学生のための「大学キャリアセンター相談ブース」を設けているが、今回は全国5会場で47校もの大学が参加する見込みだ(前年は東京・大阪会場のみで24校)。早期化を受けた新たな支援強化の動きといえそうだ。
(キャリアサポート部 小島 明代)
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