

企業の動向
就活解禁前に内々定率5割超 インターンシップ等の時期・内容が成否左右
2026年卒採用は3月1日、企業の採用広報が解禁されて本格的にスタートした。とはいえ、学情の調査では2月下旬時点での内々定率は54.3%に。解禁前に5割を超え、政府が呼びかける就活ルールの形骸化がさらに進んだ。前年3月末時点の53.7%を上回って25年卒より1カ月以上早いペースで、すでに中盤戦の様相だ。この背景には、インターンシップやオープン・カンパニーを通じた早期選考が広がり、内々定の時期が前倒しになっていることがある。
そのインターンシップ等の内容も問われている。ある大手商社では、25年卒向けのオープン・カンパニーを「オンラインと対面のハイブリッド形式」で実施していたが、26年卒向けでは「オンラインのみ」に変更し、開催回数を2倍に増やした。その結果、母集団の規模は前年と同等だったものの、オープン・カンパニー参加者の早期選考への移行率は3割ほど低下した。「あさがくナビ2026」のサイト来訪者に実施した昨年12月のアンケートでは、インターンシップ等に参加した学生の4割近くが「5社以上」と回答。加えて「社員と対面で話せたり、実際に業務を体験できたりするインターンシップは満足度が高かった」といった声が寄せられた。多くの企業がインターンシップ等を実施するようになり、より充実したプログラムが求められている。
27年卒に関しては、人材獲得競争の激化に伴い、企業がインターンシップやオープン・カンパニーの実施時期を前倒ししており、中には2年生の3月に募集を始める企業も出始めた。早期化が進むマーケットでは、インターンシップ等の実施時期や内容が採用の成否を左右する傾向が強まりそうだ。
(フィールドセールス本部 石黒 翔太)
学生の動向
就職活動率は高率維持 2年生から不安の声、低学年支援の動き広がる
3月1日の就活解禁日を迎え、2026年卒学生の就職活動も本格化している。学情の調査では2月下旬時点での内々定率は前年同時期より16.2ポイントも高い54.3%だが、「就職活動をしている」学生は前年同時期より2.8ポイント低い83.8%。「内々定を獲得し就活を終了」した学生の11.7%とともに前月から大きな変化はなかった。内々定率が前年から大きく伸びたわりには就職活動率は比較的高い水準を維持している。各大学のキャリアセンターは春休みに入っても、学生からのエントリーシートの添削依頼や面接対策、内々定を獲得したがこれからどう動けばよいのかといった内容の相談が絶えない状況だ。
27年卒学生の支援では、例年より前倒ししてガイダンスを開く大学が増えている。3年生の4月に1回目のガイダンスを実施していた大学では今年、2年生の1月にプレガイダンスを開いたところ想定よりも多くの学生が参加した。学生からは「なんとなく就活に不安を感じて」「具体的に何をしたらいいかがわからないため参加した」といった声が上がっており、漠然とした不安を抱える学生が多い傾向が見られた。
多くの大学が3年生を対象に開いた2月の学内合同企業説明会でも、2年生の参加率が高まった。これまで低学年向け支援に積極的ではなかった大学も、その必要性を感じているようだ。
こうした状況を受けて、学情は3月1日に「あさがくナビ」を「Re就活キャンパス」にブランドリニューアルすると同時に、4年生対象の「就職情報サイト」と主に3年生対象の「インターンシップ・キャリア研究サイト」に分かれていたサービスを統合した。同様に就職情報サイトを全学年向けに刷新する動きが広がっている。
(キャリアサポート部 小笠原 崚太)
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