

企業の動向
母集団集めで苦戦目立つ インターンシップ等の広報前倒しの動き
学生優位の売り手市場が続く2026年卒採用で、母集団集めに苦戦する企業が目立ってきた。ある中堅IT企業は25年卒採用と同様の手法を踏襲した結果、プレエントリー数が約20%減ったうえに、プレエントリーからのオープンカンパニー予約率が55%から40%に減少。年明け以降、プレエントリー増への追加対策に加え、選考途中にカジュアル面談を導入するなど学生の脱落防止にも注力している。
27年卒に向けては、インターンシップ等の広報の時期を早める動きが顕著だ。従業員約1000人の大手企業グループの機械メーカーでは、インターンシップ専属の広報部隊を新設し、例年6月から実施していた広報活動を4月から積極的に行うと決定。中堅ホテルもインターンシップ等の開催時期は従来通りだが、合同企業セミナーなどで学生との接点を持つ時期を8月から4月に前倒しして早めの母集団形成を図る。
最近のトピックでは、優秀な人材確保を目的とした初任給引き上げをめぐる報道が注目される。ユニクロを展開するファーストリテイリングは25年3月入社の初任給を30万円から33万円に増額すると発表。26年卒対象でも三井住友銀行が大手行としては初の30万円台とするなど、初任給アップを競うニュースが相次ぐ。昨年10月の学情の企業調査では26年卒採用で引き上げを決めているとの回答が、上場企業5.1%に対し非上場企業は10.6%と2倍以上だった。26年卒学生の調査では、初任給を引き上げる企業や専門性や能力に応じて初任給を設定する企業は「志望度が上がる」との回答が9割超に。大企業の動向は中堅・中小企業にも影響を与えており、初任給で学生を引き付けようとする動きはさらに広がりそうだ。
(フィールドセールス本部 行平 清二)
学生の動向
早期選考・内々定の相談増える 27卒生の動きも活発に
2026年卒学生の内々定率は、学情の1月末段階の調査で48.2%と早くも5割に迫る高率となった。各大学のキャリアセンターでは、26年卒生からの早期選考・早期内々定に関する相談が増えている。1月下旬ごろからテスト期間に入ったものの、就活相談に訪れる学生は後を絶たない。一方で昨年末から年明けにかけて、「これから動き始める」層の活動も活発に。大学の職員からは「就職活動のタイミングにバラつきが出ており、どの時期にどの支援を行うべきかの判断が難しい」「前期にインターンシップやオープンカンパニーに行って満足してしまう学生が多い。この時期から再スタートを切る仕掛けが必要」といった声が上がる。キャリアセンター主催で合同業界研究会や各種ガイダンス・講座を実施するものの、活動の進捗度合いにバラつきがあるためか、想定ほど学生が集まらないケースが多い。それでも学生の状況に合わせた多様な支援が必要な状況が続きそうだ。
先輩たちによる「早期化」の口コミの影響か、27年卒生の動きも活発になってきた。26年卒向けの講座等に27年卒生が参加することも珍しくない。多くは就活に不安を感じて参加している様子だという。まもなくインターンシップ等の準備も始まる27年卒生をどう支援していくかも喫緊の課題だ。早期化によるしわ寄せは、学生はもちろん、キャリアセンターにも及んでいる。
25年卒生への支援では、未内定学生へのフォローが年明けも引き続き行われている。卒業論文等の提出・発表がほぼ終わり、4年生(大学院2年生)がキャンパスを訪れない時期だけに、電話かけなどでの進路状況ヒアリングで最後のサポートを行う大学が多い。
(キャリアサポート部 吉野 大地)
関連記事
-
2026年卒学生の就職意識調査
(キャリア形成)2025年2月版2025.02.19
#新着レポート -
2026年卒学生の就職意識調査
(研修・教育制度)2025年2月版2025.02.18
#新着レポート -
新卒採用の目標未達・・・という方必見
今からでも間に合う!
4月入社の新卒に…2025.02.18
#新着レポート