企業の動向
学情調査によると、8月末の2025年卒学生の内々定率は91.2%。特にこの時期の調査において「文系学生」は初めて90%を超えるなど高水準だ。一方、既に就職活動を終了した学生は78.0%と、前年同時期を4.1ポイント上回った。各社10月上旬に内定式を控えているが、就職活動を終える学生が増加する中、当初の採用予定数に到達していない企業も多い。ある中堅IT企業では、入社意思を確認できた学生は採用予定数の6割に留まっているという。そのため、これまで実施してこなかった第二新卒採用による補てんを検討し始めている。学情が運営する20代向け転職サイト「Re就活」への問合せは増加傾向にあり、内定式前後でこうした動きは広がるとみられる。
2026年卒採用では、各就職情報サイトでのインターンシップ情報公開が4月から始まったこともあり、学生の動きは例年以上に活発だ。いち早く学生との接点を設けようと、夏のインターンシップやオープン・カンパニーの広報に力を入れる企業も増加しており、9月1日時点であさがくナビの掲載コース数は前年比1.4倍以上となった。ある食品メーカーでは、25卒採用の内々定者の7割が採用広報解禁となる3月より前に接触した学生だという。この結果を受け、26卒採用では広報開始時期をさらに早めたほか、これまで参加していなかった夏季の合同企業セミナーに参加するなど、学生と接触するチャネルを広げている。新卒採用における人材獲得競争は一層の激化が予想される中、母集団形成に力を入れつつも、接点を持った学生に対する自社認知度を高めるような施策や工夫がより求められることになりそうだ。
(フィールドセールス部 黒田 恭平)
学生の動向および学生を取り巻く就職環境について
2025年卒学生の就職活動は終盤の様相だが、活動を続ける学生も少なくない。内々定獲得に至っていない学生や公務員志望から民間企業への転向を考えている学生、大学院進学から就職に進路変更した学生などが、夏休み中に就職活動を終わらせるべく追い込みをかけている。大学のキャリアセンターには引き続き多くの求人が寄せられているが、夏休み期間ということもあり相談に訪れる学生は少なく、マッチングには繋がっていない。内々定未保有の学生たちも、「どのような企業が自分に合うのか」が分からず苦労しており、いかにマッチングの機会を図っていくかが今後の課題と言える。また、夏休みを利用して就職活動を一時休止している学生も見受けられる。いずれにしても、9月から10月にかけて内々定獲得に向けた追い込みが続きそうだ。
一方、夏休みはインターンシップの最盛期ということもあり、2026年卒学生は積極的にインターンシップやオープン・カンパニーに参加している。企業の動き出しの早まりもあり、例年以上に多くの学生が参加している状況だが、選考に落ちてしまい、予定が全てなくなってしまったという学生も一部いるようだ。大学としては9月以降、そうした学生のフォローを検討している。また25卒学生とは対照的に、夏休み中であってもキャリアセンターに相談に訪れる26卒学生は少なくなく、大学によっては連日相談枠が埋まっている状況だ。相談内容には、早くも早期選考における面接対策も含まれているという。一方でインターンシップをはじめ就職活動にまだ目を向けていない学生もいるため、この時点で活動の進捗には差が生じている。
(キャリアサポート部 江村 朋裕)
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