企業の動向
7月に入り、6月末を内々定承諾の期限としていた多くの企業では、2025年卒採用の成否について明暗が分かれている。学情の調査によると、25卒学生の内々定率はここまで前年を大きく上回るペースで推移していたが、6月末の内々定率(84.7%)は前年同時期の84.4%と差がなく、学生の内々定獲得ペースは鈍化している。対して6月末の就職活動率は33.0%と前月の53.4%から大きく減少し、少なくない数の学生が6月中に大手企業から内々定を得て就職活動を終えたようだ。ある化学メーカーでは、前年同時期では内々定承諾率が80%を超えていたのに対し、今年は40%と半減。選考移行率も90%から60%に減少したとのことで、苦労して内々定出しに繋げた学生の芳しくない反応に嘆息している。こうした状況を受け、25卒の追加募集だけでなく第二新卒採用を導入する動きも広がっている。
多くの企業が25卒採用の「長期化」と「早期化」に悩まされる中ではあるが、26卒の夏季インターンシップの募集の動きも加速している。「あさがくナビ2026」でインターンシップ等の募集を行う企業数は前年同時期比1.5倍と、各社の意欲がうかがえる。25卒採用の苦戦を受け、採用スケジュールを繰り上げ、いかに早く学生との接触を図るかに注力する企業が増える一方、あるサービス業の企業では、夏、秋、冬の3ステップで1パッケージのインターンシップコンテンツを計画するなど、学生への印象付けを意識した取り組みも進む。インターンシップと採用を線で結び、長期化に対応しながら志望度を醸成するといった根気のいるハンドリングが求められている。
(フィールドセールス本部 松本 悠希)
学生の動向および学生を取り巻く就職環境について
各大学が把握している2025年卒学生の内々定率は、概ね前年と比べて高い。その理由は、求人数の増加と就職活動の早期化である。各大学のキャリアセンターからは、「求人の数がコロナ前を超えた」「学生からの選考対策の相談のピークが半月ほど早まった」という話をよく聞く。一方で、まだ就活を進めていない学生も一定数おり、公務員志望から民間志望への転向組も含めると、全体の数十パーセントはこれから本格的に就活を始める学生だと考えられる。キャリアセンターでは今後こういった学生の就活支援にも力を入れていく。
一方、各大学では2026年卒学生向けのキャリア・就活準備支援も展開されているが、例年、春学期と秋学期に分けて実施していたガイダンス・講座などを、今年は春学期に集中させる傾向が見られた。前年の三省合意を受け、インターンシップやオープン・カンパニーへの参加を希望する学生が増えており、より早い時期での支援を意識してスケジューリングされているようだ。特に注目されるのが、春学期に26卒学生を主な対象として「インターンシップ学内合同企業説明会」を開催した大学が増えたことである。2月・3月に開催された業界研究や採用広報を目的とする通常の「学内合同企業説明会」に比べても、参加学生数は多かったようだ。また、早い時期に「選択肢の幅を広げる」「業界を知るきっかけとなる」「様々な職種を知る」など、学生にとって良い効果も表れている。来年以降も、春学期に「インターンシップ学内合同企業説明会」を開催する大学は増えていくと思われる。
(キャリアサポート部 岩本 和彦)
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