企業の動向
2025年卒採用では、ゴールデンウィークを境に各社の採用活動におけるフェーズが「選考」から「内々定出しおよび内々定フォロー」へと移行している。学情調査によると、4月末時点で70.1%だった内々定率が、5月末時点では81.3%と8割を超えた。さらに内々定を得て就職活動を終えた学生は45.2%と、前月調査から約15ポイント増加。この1ヵ月で就職活動を終える学生が急増した。ある中堅メーカーではインターンシップ参加者のうち理系学生のみを対象に早期選考を実施したが、第二クールの選考学生と比べ入社意思を示す割合が大きく、早期の接触が奏功したと安堵している。それと同時に学生の早期活動収束を如実に感じているという。ただ、多くの企業では内々定承諾のペースが採用計画を下回っている。就職活動を終える学生の増加も相まって、追加での母集団形成が見込みにくい状況に対し、早くも第二新卒採用も視野に入れた動きが広がっている。
2026年卒採用では、あの手この手でインターンシップの広報活動が展開されている。ある流通業界の企業では、4月から広報活動を行ってきたが思うように母集団が集まらなかった。そこで夏季の開催では複数日程での職種別コースを検討するだけでなく、インターンシップの告知に特化した動画制作も進めながら集客に注力しているという。学情主催の2026卒をメイン対象とするインターンシップイベントにおいても、5月以降、初出展するという企業や、例年は秋以降だった出展時期を前倒しする企業が増加している。夏季インターンシップの広報活動は熾烈を極めている状況だ。
(フィールドセールス部 森山 展成)
学生の動向および学生を取り巻く就職環境について
6月を迎え、2025年卒学生の就職活動はいったん山場を越えた状況だ。大学キャリアセンターでは内々定承諾や就職活動継続の是非に関する相談が増加しているという。内々定は得たものの手応えが掴めず、不安を感じている学生も少なくない。企業から提出を求められる承諾書類に関する相談においては、提出期限が迫る中ですぐに用意することが難しい書類の提出を求める企業もあり、大学側も対応に苦慮している。一方で、就職活動継続中の学生はキャリアセンターを活用しながら今後の活動の方針を模索している。夏休み中には就活を終えたいと考える学生が多く、これから参加できる合同企業セミナー等を探している。キャリアセンターには引き続き求人が多数寄せられているが、相談に訪れない学生に対して紹介したくてもできない状況が課題となっている。公務員を目指す学生においても、一部で筆記試験の選考結果が出始めている。二次選考の面接対策に関する相談や、一次で結果が振るわず民間企業への転向を考える学生からの相談も増えているという。
一方、2026年卒学生は夏季インターンシップに向けた準備を進めている。インターンシップへの関心の高さは例年以上で、特に希望する企業の選考突破に向け、大学ではエントリーシートの添削相談が急増しているという。また、インターンシップに興味を持ち始めた2年生の相談も目立つといい、複数の学年でインターンシップが盛り上がりを見せている。
(キャリアサポート部 江村 朋裕)
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