企業の動向
2025年卒採用の広報解禁から2ヶ月が経過した。企業の最終選考は早くも3月にピークを迎え、以降内々定出しが進んでいる。学情の調査では4月末時点の内々定率は70.1%と、昨年同時期を5.8ポイント上回り、早くも7割を超える結果となった。各社が注視しているのは内々定出し後の学生の動向であり、4月は内々定承諾の歩留まりによって採用目標の達成を見通せる企業と、そうでない企業の明暗がはっきり分かれるタイミングとなった。ある中堅の建設関連の企業では、内々定出しは昨年と同程度進められたものの承諾率が著しく低く、追加の母集団形成施策の検討を迫られている。同様の企業は少なくなく、入社式や新人研修の落ち着いた4月2週目以降、新たな母集団形成に向け合同企業セミナー「就職博」への問い合わせや申し込みが急増している。
2025年卒採用において、企業・学生双方の動き出しの早さを目の当たりにした企業の多くは、2026年卒採用に向けて、さらに早いタイミングから学生へアプローチする手法を模索している。26卒学生を主対象とする学情主催イベント「キャリアデザインフォーラム」では、4月20日(東京)、4月27日(大阪)の両会場合わせて7,000人を超える学生が来場。出展企業数も延べ300社を超えるなど、大変な賑わいを見せた。出展企業は5月以降のインターンンシップやオープン・カンパニーを積極的に案内しており、26卒採用の幕開けを感じさせるイベントであった。この時期に築いた学生との接点を今後に活かせるかが26卒採用の成否に大きな影響を与えそうだ。
(フィールドセールス本部 伊東 賢祐)
学生の動向および学生を取り巻く就職環境について
学情の調査によると、2025年卒学生の4月末時点での内々定率は70.1%と、昨年を上回りながら高水準で推移している。一方、内々定保有平均社数は1.79社と、前月の1.81社から減少。徐々に企業を絞り込み、内々定辞退も進んでいるようだ。各大学からは「就職活動を本格化させていない学生も一定数見受けられる」との声も耳にする。大学で実施される学生支援も、マス向けの講座から個別支援へとシフトする動きがみられる。キャリアセンターへの相談から読み取れる学生の傾向として、4月中は「選考中の企業が複数あり、その合否結果を待つ学生」が多かったが、5月に入ると「選考が上手くいかず、新たに企業探しを始める学生」が増加しているという。必ずしも順調な学生ばかりではなく、就職活動の第2ラウンドがスタートしそうだ。
4月以降、インターンシップ参加に向け2026年卒学生が本格的に動き出している。各大学では初回のインターンシップガイダンスが実施されているが、そこからも学生の傾向がうかがえる。1〜2月頃に各大学で実施された25卒向けの学内企業説明会には、都市部・地方に関わらず一定数の26卒学生の参加がみられた。しかし4月のガイダンスでは差が開き、都市部の大学では「参加状況が良い」という声が多い一方、地方の大学では参加状況が芳しくなく、初回から参加者は減少傾向にあるという。地方の大学では先んじて動く学生は一部に留まっているようだ。そうした状況を受け、地方の大学でも都市部の学生に後れを取らぬよう1~2年生からのより充実したキャリア支援が検討されており、「大学の支援の在り方」に変化が出始めている。
(キャリアサポート部 福森 研)
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