企業の動向
弊社調査によると、4月末時点における2024年卒学生の内々定率は64.3%に達している。昨年同時期を7.4ポイント上回り、学生の就職活動は順調に推移していることがわかるが、その一方で企業の採用活動は困難を極めている状況だ。同調査によると就職活動継続中の学生は72.0%と、6割を超える内々定率に比して高い水準ではあるが、就活サイトなどでの新規応募の動きは鈍い。手持ちの企業の中でより良いと思える企業の活動を進める学生が大半であると思われる。そのため、新たな母集団が増えず、選考実施もままならない企業が散見される。こうした状況の中、第二新卒を始め若手経験者採用に向けた動きが例年にも増して活発化している。特に今年特徴的なのが、この動きが中小企業だけでなく、昨年までは新卒採用に偏重していた電機メーカー、コンサル、金融、小売、ITの大手企業などにも見られる点だ。背景として、新卒採用難はもちろんのこと、入社して間もない社員の転職が大手企業でも相次いでいること、さらに世の中のDX化を背景に事業の拡大や転換が求められており、その流れに対応し得る人材確保は新卒採用だけではカバーしきれないことも要因となっている。こうした動きは今後ますます広がりそうだ。
一方、夏のインターンシップやオープン・カンパニーの集客に向け、2025年卒学生への広報も本格化している。5月~8月に開催される弊社主催の合同企業セミナーでは出展希望企業が後を絶たず、昨年と比べても早いペースで出展上限数に達する会場も珍しくない。「早期母集団形成」が2025年卒採用の1つのトレンドと言えそうだ。
(フィールドセールス本部 山中 健介)
学生の動向および学生を取り巻く就職環境について
2024年卒学生の就職活動は早くも選考~内々定獲得のフェーズに入っている。学生から大学側に寄せられる相談も3月まではエントリーシートの添削依頼が中心だったが、4月以降は面接対策にシフトしているという。また、内々定を獲得してからもキャリアセンターに足を運び、「本当にこの企業でよいのだろうか」と助言を求める学生も少なくないようだ。理工系学生からは「内々定先から教授推薦状を求められた。提出することで入社を強要されないか不安」といった相談が未だ絶えないという。一方で、4月に開催された弊社主催合同企業セミナー「就職博」には、ここ1~2年、採用活動を凍結・抑制していた航空業界やホテル・旅行業界からの参加もあり、そうした業界を志望する学生が各社の話に熱心に耳を傾けていた。学生の活動は必ずしも選考ばかりではなく、気になる企業があれば積極的に情報収集しようという動きもみられる。
2025年卒学生の支援も各大学で本格化している。三省合意によって今年度からインターンシップと採用活動の連携が公認となり、夏季インターンシップの重要性がますます高まっている。そのため、就職ガイダンスを前倒しして実施する方針の大学も少なくない。学生ができるだけ意中のインターンシップやオープン・カンパニーに参加できるよう、後期に実施していたエントリーシート対策や面接対策などを前期に移し、バックアップする意向だ。各大学からは「2024年卒学生よりも積極的に動いている」と評する声が多く、2025年卒学生のインターンシップやその先にある就職活動に対する意識の高さがうかがえる。
(キャリアサポート部 吉野 大地)
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