HR用語の基礎知識
キャリアチェンジ転職者を受け入れやすいとされるのは、次のような業種です。
小売業界は、もっとも人手の足りていない業界とも言われています。そのためキャリアチェンジ転職を受け入れやすい傾向にあります。対面販売の印象が強い業界ですが、最近ではEC事業に注力する会社も多いのが特徴です。
また、医療や福祉は、少子高齢化によって、これからの日本でますます求められる分野となっています。職種によっては専門的な知識が必要ですが、未経験でも始めやすい職種も多いため、キャリアチェンジの受け入れには積極的です。
IT業界も人手の補充が追いついていない傾向にあります。一定のスキルが認められれば未経験でも研修で能力を伸ばすことを前提に採用されることが多いです。
キャリアチェンジ転職者を受け入れやすい、代表的なものは次のとおりです。
商社であれば営業職、小売業界であれば接客業など、現場での活躍を求められる職種は未経験者の求人が多く、キャリアチェンジで採用されやすい傾向にあります。
また免許を取得しない若者が多いことから、運送業も受け入れやすいでしょう。
キャリアチェンジ転職者の採用で期待できるメリットは、次の4つです。
それぞれのメリットを詳しく解説します。
Re就活が2022年に実施したアンケートでは、20代は「キャリアアップ」よりも、これまで経験していない業種・職種に挑戦する「キャリアチェンジ」を希望する声が多く確認されました。全体的な傾向として、新しいことに取り組みたいという熱意があると捉えられます。
20代後半の人材は、社会人経験があり基礎ができた状態であること、なおかつ将来的な活躍も大きく期待できる年齢です。採用後の育成に力を入れて即戦力化することもできます。
個人のポテンシャルと熱意を重視して評価し、会社での将来的な活躍が見込めるかどうかを検討することが大切です。
キャリアチェンジ採用を成功させるためには、次の3点をおさえておきましょう。
キャリアチェンジ転職者を対象とした業務の訓練や学習の場を設け、能力を引き出しやすい環境をつくっておくことが重要です。OJT(業務中に行う教育)やOFF-JT(OJTに対し、特別に時間を取って行う教育)の体制を設置しましょう。
また、キャリアチェンジ転職者のスキルレベルや実績が想定よりも低く、期待していたような戦力にならない場合でも、教育によっては戦力化できるかもしれません。
厚生労働省の公開しているデータによると、キャリアチェンジをした人で、転職後の訓練を実施した人の職業生活全般と仕事内容・職種に対する満足度は、実施していない人よりも高い傾向が確認できます。
【満足またはやや満足している人の割合】
OJT実施 | 入社時OFF-JT実施 | 継続的OFF-JT実施 | 転職後の訓練なし | |
職業生活全般 | 52.8% | 51.7% | 52.6% | 46.2% |
仕事内容・職種 | 67.9% | 65.4% |
65.4% |
61.7% |
※2020年データより
教育は能力を伸ばすだけでなく、従業員の満足度にも影響します。より長く職場に従事してもらうためにも、教育体制の構築は怠らないようにしましょう。
※出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/21/dl/21-1-2-4_03.pdf)