企業の動向
2023年卒採用について、内定式を迎えた後も企業の動きは活発だ。外国人入国者数の上限撤廃など、新型コロナウイルス感染症に対する水際対策の緩和を受け、旅行・観光業を中心としたサービス業界で採用活動を強化する動きが見られるほか、他業界でも採用予定数の確保に追われる状況が続く。コロナ禍ではあるものの、社会全体がコロナ前の日常生活を取り戻しつつある中、最近では対面でのコミュニケーションも徐々に増加。特に対面型イベントに対するニーズが顕著だ。10月に開催された合同企業セミナー「就職博」の出展社数は、東京では昨対比143%、大阪でも同114%に達した。東京会場で設けた「選考・面談ブース」ではその場で内定出しに至るケースもあり、対面ならではのスピーディーなコミュニケーションが展開された。今後もオンラインを活用しながらも、重要な局面でいかに対面コミュニケーションを取り入れていくかが採用成功の鍵となりそうだ。また、新卒採用だけでは計画数への到達が難しいと判断し、秋以降、企業規模に関わらず既卒・第二新卒採用に取り組む企業が増加している。
2024年卒採用においても対面重視の傾向は強まっている。10月開催の弊社主催インターンシップイベントの出展社数は東京・大阪とも昨対比約130%となった。学生の企業発見の選択肢が多様化していることもあり、ホームページや各種ナビサイトだけに頼らない、多様なチャネルでの露出に注力する動きが広がっている。
(フィールドセールス本部 臼井 堅太郎)
学生の動向および学生を取り巻く就職環境について
2023年卒学生の就活状況は、売り手市場と言われているものの、苦戦している学生が一定数いる点は例年と変わらない。10月に東京で開催された合同企業セミナー「就職博」には昨年同時期比1.3倍超の学生が来場した。会場内の相談ブースを訪れた学生からは「面接対策」といった具体的な相談も寄せられたが、「自分に合う企業の見つけ方」といった根本的な内容も目立った。また、これから学内合同企業セミナーを予定している大学もあるが、企業に出展を呼び掛けると申し込みが殺到し、すぐに枠が埋まる状況だという。少なくない数の学生が就職活動中ではあるが、需給バランスとしては依然として企業の求人ニーズの高まりが際立っている。
2024年卒学生に関しては各大学で後期就職ガイダンスがスタートしているが、回を重ねるごとに参加学生数が減少しており、「今後いかにしての学生を集めるかが課題」という声が多い。実際に弊社が9月に実施した各大学への調査でも、就職支援の課題として「キャリアセンターの発信する情報が学生にリーチしていない」という回答が約8割を占める。Web媒体での情報が溢れる中、告知手法をハガキなどアナログなものにすることも一つの方法と言えるだろう。学生においてはインターンシップ参加が例年以上に一般的となり、特に夏は複数業界への参加が増加した印象だ。それもあってか10月下旬に開催されたオンライン業界研究イベント「Webインターンシップ博」の参加学生からは「業界を絞れておらず、様々な業界の企業が参加したこのイベントは業界・職種研究にとても役立った」といった感想が多く寄せられた。こうしたイベントや冬季インターンシップを活用することも、就活準備につながると言える。
(キャリアサポート部 番場 裕)
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