

企業の動向
26卒は内定式へ向け終盤戦、第二新卒採用増 27卒インターン集客ピークに
夏本番を迎え、採用活動は節目の時期に差し掛かっている。2026年卒対象の内々定率は7月末時点の学情調査で87.8%と過去最高の水準を維持し、学生の就職活動率は24.4%まで低下。26年卒採用は終盤を迎えている。活動を継続する企業もある一方、10月1日予定の内定式に向けて、目標達成の成否に関わらず募集を終える動きが出始めた。早期化傾向を踏まえ、今期の活動を早めに切り上げて次年度に備える企業も見られる。
第二新卒や通年採用についても、4月入社を見据えてこの時期から準備が本格化。新卒採用の難しさを背景に、今年初めて通年採用に踏み切る企業も増加傾向にある。ある中堅食品メーカーでは母集団・内々定者数が半減したことから、新卒と同時入社の第二新卒採用を社内で協議中だ。いずれにせよ、この夏の動きや判断が今後の採用戦況を大きく左右しそうだ。
一方、27年卒採用は夏のインターンシップ等の学生集めがピークに差し掛かっている。オンライン・対面の両形式を活用し、コース内容やプログラムの質を一段と高める企業も多い。昨年の早期実施で成果を得た中堅IT企業は、今年さらなる前倒しと実施頻度増で集客を拡大中。こうした早期母集団確保の動きが広がる一方で、26年卒対応に注力している影響で27年卒の動きがやや後ろ倒しになっている企業もあり、今後の巻き返しが課題となりそうだ。
主戦場は徐々に27年卒へと移行しており、この夏の動きが採用活動のスタートダッシュを左右する。足元の課題を踏まえつつも、次年度への準備に力を注ぐ企業が着実に増えている。
(フィールドセールス本部 津﨑 宏昌)
学生の動向
26卒再スタート学生も 27卒インターン参加社数急増、28卒学生も動く
2026年卒学生の7月末時点の内々定率は高水準だが前年比微増で、現場では「昨年より低い」と話す大学もある。学情が7月に東京で開いた26年卒対象の「就職博 内定直結編」には、昨年同時期の130%近い来場があった。学内で行う26年卒生支援行事の参加人数が昨年より増えた事例もある。この時期に就活を再スタートする4年生も多いとみられ、大学のキャリアセンターは個別支援を継続していく。
夏休みに入り、27年卒学生のインターンシップ等への参加が全国的に活発化している。都内の大学が3年生を対象に実施した学内調査ではインターンシップ等にエントリーした平均社数が昨年の2倍以上に増加、地方大学で学内公募インターンシップの申し込みが昨年に比べ20~30%増――といったケースも。一方、インターンシップ等のエントリー先が有名BtoC企業や大手企業に偏る傾向が強く、選考に全て落ちた学生も多いという。秋冬のインターンシップ等に向けて、より視野を広げた企業選びを指導する機会が増えそうで、秋以降に学生の志向が広がるか注視したい。
生成AIの活用が一気に広がり、エントリーシートや自己PR、面接準備など、就活のあらゆる場面で利用する学生が増えたという話を聞くことが多くなった。従来苦労の多かったエントリーシートなど書類作成の負担が軽減される一方、各大学では「AI頼み」になりすぎないよう、学生自身の言葉や経験を深める指導にも力を入れている。
また、早くから活動を始める28年卒生が増えている。学情が27年卒生を対象に実施した7月の「Web Super Business Forum」と8月に東京で開催した「Super Business Forum」では、28年卒以降の学生の来場比率が全体の20%を超える結果となった。
(キャリアサポート部 福森 研)
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